り起業MOMOですカタツムリ


夕方、ショッピングモールの地下で、食品を買っていた時のこと。



「お姉さん、しじみってよく買う?」


と見知らぬおじいさん(70歳くらい?)が話しかけてきました。



「え?しじみ?」


突然のことで、びっくりです(笑)



よく見たら、そのおじいさんは、乾物屋さんで、


まわりには、魚や貝や海藻の乾物の袋がたくさん並べられていました。



呆然としている私のてのひらに、しじみ(あのお味噌汁とかによく入ってる


しじみの身を乾燥させたもの)をざらざらっと載せるおじいさん。



味は美味しいです。


おやつにもよさそう。


でも、値段が1袋1000円って書いてあって、高いなーと思っていたら、


「はい、これ」と、こちらの返事を待たずに、お味噌汁の入ったカップを


渡されました。



「これね、味噌を溶いたお湯に、ダシも何もとらずに


さっきのしじみを入れたやつなの。おいしいでしょ?」



・・・確かに、しじみのダシが出ていて美味しい。


でも、別に、しじみを買いに来たわけではないし・・・。


夕御飯の材料を買って帰らなくちゃ・・・。



お礼を言って立ち去ろうとする私に、絶妙なタイミングで


「これ!さっきのオバチャンが美味しい!って3回もお代わりしたアオヤギ!


寿司やで食べたら高いんだよねえ」


とアオヤギの干物のようなものを渡します。



確かに、美味しい。


でも、その下の値札、1袋3000円って書いてあるんですけど(^^;;


こんな小さな袋で、3000円の貝の干物はいらないなあ。



と、脳内で考えていると、またまた間髪いれずに、


「これ、カルシウムもとれるし、すっごく美味しいの。ぱりっとしてて」


とイワシの小魚か何かを甘く味付けして干したものを手に載せられ、


食べている最中に、イカのわたをイカスミで味付け(色づけ?)して干したのやら、


タラと黒ゴマをサンドしてスライスしたお酒のつまみ風な乾物やら、


はたまた、貝の干したものを水で戻してレモン味にしたマリネなど


次々に差し出すおじいさん。

あの、もうお腹いっぱいなんですけど^^;;



そこで、クロージングにかかるおじいさん。



「そこのね、小さい袋は1つ1000円なの。


でも、今日だけ特別、2袋で1800円。


3袋だと2500円。


5袋買ってくれたら、1袋サービスね。


お姉さん、どれとどれ持ってく?!」



え。既に私は2袋買うことになっているのですか・・・(笑)



もう、何も買わずにその場を立ち去ることなどできません。


いえね、これが若いお兄さんやおばさんだったら、余裕でスルーできます。



どんなにエステや英語教室でお姉さんが強烈なクロージングかけてきても


まったく動じずに100%断ることのできる私なのです。



でも、自分の父よりも年上のおじいさんが、一生懸命


ご商売をしている姿を見て、(しかもその間、まったくお客様はこなかったし)


これだけ、たくさんの試食をしたうえで、(私の意思とは関係なかったですが)


「要りません」とは、とても言えず、



内心「うまい商売だなー」と思いつつ、笑ってしまい


「じゃあ、しじみを1つもらってきます^^」


と1袋お買い上げしたのでしたー。



主婦の起業は、『かたつむり』で!~彩塾[さいじゅく] 塾長MOMOオフィシャルブログ~
うわさの乾燥しじみの袋(笑) 1000円なり。




いやはや、お年寄りと子供には勝てませんね(笑)

おじいさんに、今日は完敗でした 叫び




でも、ここからビジネスとして学べるものもたくさんあったので


1000円は惜しくないです。(実際、しじみは美味しかったしね)



与えて与えて与えまくる返報性の原理を知り尽くした営業スタイル。


相手に考える隙を与えず、2つ買うことを前提として話を進め


相手に1つを選ばせる(自分で決定させる)やり方。


警戒心をまったく起こさせないお年寄りならではの営業トーク。


(たとえば、「目がかすむときには、しじみがいいんだよねえー」なんて


さりげなく新聞の切り抜きとか見せちゃうので、案外、営業の勉強を


しているんだと思うけど、見た目からまったくそうは見えない(笑))




1000円のしじみ1袋で、勉強になりました^^


ありがとう、おじいさんお爺さん