ダンナは、家では今までにも増してほとんど喋らなくなった。
私と喋らないのは、イライラするから。
息子と喋らないのは、勉強以外何も話題がないから。
娘と喋らないのは、女の子の機微がよくわからないから。
そして、誰とも喋らなくても、
女と連絡を取ることはできるから。
夕飯を食べ終わり、食器を流しに置くと、
ゴロゴロし、
風呂に入り、
一人で寝室に行く。
今日一日でダンナが喋ったのは、
「息子は塾か?」
だけ。
私と息子と娘はよく会話をするけれど、
誰もダンナに話しかけない。
ダンナと話しても、
小言や否定や非難しか出てこないから。
ダンナがバラエティを見ながら雑談、
なんてことは、もうあり得なさそう。
子どもの実情は私の方がよく把握してるから、
私からダンナに出来事や相談を話す、
という流れが、家族内の会話を生むのだろう。
しかし、ダンナが私を拒否してしまえば、
会話は成立しない。
そうやって、家族のひずみや無関心が広がっていくのだろう。
我が家はもう、
そういう坂を下っているのかもしれない。