2003年11月9日(日)②
病院の消灯時間は、午後9時。
入院したときに、消灯前にナースステーションに子ども達が集まって何かやりますって看護師さんが言っておられたので、行ってみようということになりました。
ルートは明日入れることになっているので、身軽なのです。
午後9時少し前になると、ナースステーション前に子ども達とその付き添いのおかあさん達が集まってきました。
夕食後ロビーで話をしていて、そのまま消灯当番へという子どももいます。
午後9時になると、看護師さんの「じゃあ、始めようか。」という呼びかけで、子ども達はナースステーションに入って、マイクの前に並びました。
そして、みんなで声を合わせて言うのです。
「9時消灯の時間です。
ベッドの回りをかたづけて、歯をみがいてやすみましょう。
それでは、みなさんおやすみなさい、また明日。
今日の消灯当番は、○○でした。(1人1人にマイクを回して、自分で名前を言います)
それでは、みなさんおやすみなさい、また明日。」
そして、みんなそれぞれの病室に帰っていきます。
そう言えば午後9時頃に子どもの声で何か放送があったなあと気がつきました。
土曜日は外泊したので、入院した木曜日とその翌日の金曜日は病院で寝ているのですが、余裕がなかったのと、主治医のヒアリングやら何やらでバタバタしていたので、よくわからなかったのです。
(これは、病院全体に流れているのではなく、小児科病棟だけです。)
ゆかっちは、「はずかしかったし、もう行かへん。」と言っていました。
それでもその後、行けるときは行く様になり、消灯当番に行くことが楽しみにもなりました。
あとで気づきましたが、この消灯当番は、入院中に元気かどうかの目安の1つにもなりました。
消灯当番に行ってマイクの前で声を出せるというのは、入院中とはいえ、調子がいいということです。
調子が悪くてしんどいときは、消灯当番には行けませんし行く気もしない、体調はまあまあだけれどなんとなく行く気がしない時は、心が疲れているときなのかなと思います。
また、行きたいと思っていても、ガウン の時は病室から出られないので、消灯当番には行けません。そんなときは、お友達が代わりに名前を言ってくれるのです。
スピーカーから聞こえる自分の名前を聞いて、そのお友達への感謝とともに「早く元気になって、お当番に行かなくちゃ。」という気になるのです。
どういう理由でこの消灯当番が始まったのかは知りませんが、とてもよい行事だなと思います。
親にとっては、調子が悪いときが続いたり、ガウンだったりしたあとの消灯当番で話すわが子を見るときは、「ああ、元気になったな。よかったな。」とほっとする瞬間でもあるのです。