令和2年 中興忌法要 | 京都雲龍院 寺庭婦人のブログ

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京都東山泉涌寺別院 雲龍院でのちょっとした出来事を皆さんに大公開!

「寺庭婦人」である私がblogを始めました。「寺庭婦人」とは「じていふじん」と読みお寺の奥さんの事です。私なりに雲龍院を徒然なるまま ご紹介いたします。





今から400年程前の戦国時代、京都の仏教界は応仁の乱と その後続いた戦乱で寺院のほとんどが兵火にかかり衰微しておりました。その復興が遅々として進まないまま江戸時代に入り、雲龍院の諸堂や如法写経会を 後水尾天皇様の保護を受けて復興させたのが雲龍院の中興として崇められる 如周上人です。泉涌寺の第80世長老でもあった如周さんは泉涌寺と雲龍院で度々 諸経典の講演や受戒を行い 1万人もの聴衆が詰め掛け 帰依者が続出したと言われております。その名声が皇室にも届き、後水尾天皇様や皇族様方からも篤い信頼が置かれていたという 凄いお坊様だったそうです。2月18日は その如周正専さまのご命日に当たり、毎年 雲龍院では中興忌法要を行っております。
ただ、今年は  [京の冬の旅]  の最中でバタバタしていた上に コロナウイルスの騒動で法要への参列募集を躊躇ってしまい…。どうなる事かと内心ハラハラしておりましたが 間際でのご案内になってしまったにも拘わらず 皆様 お集まり下さり 無事 厳修するに至りました。
早朝には薄っすらと雪が積もり 清められたかの様な 凛とした空気の中、11時に息子の叩く鐘の音を合図に 長老様はじめ山内寺院 職衆の方々が入堂され 朗々とお経が唱えられました。本堂の中は深々と冷え込み、僧侶の吐く息が白く見える程…。扶桑織部 尾崎宗匠の献茶お点前が始まると 御茶碗に注がれた湯からも湯気が立ち上り、それはそれは美味しそうな御抹茶が 如周さまに献上されたのでした。
法要の後、[悟りの間]へ移動して頂き ご参列の皆さまにも 二つ頭のお点前でお抹茶を愉しんで頂きました。唐瓶からお湯を注ぎ 目の前で点てる この茶礼は寒い季節には より一層のご馳走で 冷え切った身体を温めて頂き、[大輪の間] では普茶料理の点心を召し上がりながら 中興様の威徳を偲んで頂いたのでした。