おたあさま への愛 〜中山の局様〜 | 京都雲龍院 寺庭婦人のブログ

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京都東山泉涌寺別院 雲龍院でのちょっとした出来事を皆さんに大公開!

「寺庭婦人」である私がblogを始めました。「寺庭婦人」とは「じていふじん」と読みお寺の奥さんの事です。私なりに雲龍院を徒然なるまま ご紹介いたします。

昨日の [泉涌寺境内 月輪御陵に勅使さまが来られて 即位礼・大嘗祭を行う期日が奉告され 幣物が供えられる儀式] について、 住職に「どうだった?」と聞いてみたところ 「うん、勅使さんと中山の局さんのご子孫が来られた。海会堂に 中山の局さんのお位牌があるんだよ。」と 至極 簡単な答え…。プロ野球シーズンになると そちらに気を取られて会話が成立しなくなる事にイラッとしながら燻っていると 今朝、泉涌寺僧で 神職の経験を併せ持つ石野さんが所用で来られたので 「これ幸い!」とばかりに引き止めてしまいました。
「勅使さま、惚れ惚れする程 立派な 色付きのご装束で来られましたよ」と。御陵での儀式の後には 歴代の天皇様のご尊牌が祀られている 霊明殿にご案内をし、お参り頂いたそうです。
「ところで、幣物(へいもつ) [若しくは 幣帛(へいはく)]  って何なのですか?」と質問すると
「お供え物ですよ。柳の箱に入った 五色の反物です。」
ご即位に際し、古式ゆかしく ご先祖様のお墓参りが 粛々と為される絵図を想像し、感動の私。
「そうそう、中山の局様 ってどなたですか?」と 矢継ぎ早の質問…。
「明治天皇様のご生母さんですよ。だけど、贈皇后の位を貰い損ねて お局さまのままだから お位牌は霊明殿に置けなくて 海会堂に祀られているのです。お気の毒ですよね…」と僧侶らしい気遣いの石野さん。
明治天皇様、きっと 革新の時代に呑み込まれ 親孝行が尽くせなかったのかもしれません。
このタイミングで 中山の局さまのご子孫が ご参拝に来られたという事は きっと明治天皇様の思召しではないかと… 母の日を前にして、想いを巡らせている私なのでした。


                  シャクナゲのハート❤️