節分 | 京都雲龍院 寺庭婦人のブログ

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京都東山泉涌寺別院 雲龍院でのちょっとした出来事を皆さんに大公開!

「寺庭婦人」である私がblogを始めました。「寺庭婦人」とは「じていふじん」と読みお寺の奥さんの事です。私なりに雲龍院を徒然なるまま ご紹介いたします。

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 今年は特に寒い日が続いているようで、毎日 冷凍庫の中で生活をしているように感じられます。その分 鮮度が保たれるかも? と思えば ちょっとは励みになりますが…。  如月は 寒さで衣を更に重ねるという意味で 着更着 (きさらぎ) と表されることもあるそうで、しばらくは痩せ我慢せずにコロコロと着膨れ状態で過ごそうかと…気候が陽気になる季節という事で [気更来 きさらぎ]  [息更来 きさらぎ] とも書かれるようなので 暖かくなる日を心待ちにしたいと思います。    
庭園は冬枯れの景色ですが、張り詰めた空気感がクールビューティに魅せてくれています。 先日 拝観の方が 「本堂の屋根から湯気が上がってますが…  大丈夫ですよね…」と心配して尋ねて下さいました。「大丈夫です! 屋根が呼吸をしているのですよ。」とお答えしましたが…  杮(こけら) から立ち上る蒸気がさらさらと風に乗り とても幻想的な景色でした。
さて  昨日は節分、そして泉涌寺では星供(ほしく) の法要が午後から行われました。夕方からのお勤めは 更に寒さが堪えるそうで、「そう言えば 昔は 終了後に 鍋焼きうどん を出して貰えて…  美味しかったんだよなぁ…」と住職。凍えた身体に 熱々の鍋焼きうどん を はふはふ と戴くのは 何よりのご馳走だったに違いありません。ところが 門前のおうどん屋さんが閉店してしまい、 以来 恵方巻きを自坊に持ち帰るスタイルになったのです。
節分の邪気払いには 豆まき や 柊を飾ったり 鰯を食べたり  と バラエティに富んでいて、京都の寺社では様々な行事が行われていた様子。白い息を吐きながら逃げ惑う鬼の姿を想像しつつ、 南南東に向かって ありがたくお土産の恵方巻きに かぶり付き 福招きを願う私だったのでした。