今上陛下が御退位のお気持ちをお表しになられ 国内が揺れております。 勿体無い程 謙虚に … 世論に委ねられる形となっておりますが、[ お上 第一!] でお仕事をしていた私にとっては 意見を口にするのも憚られる気が致しております。
只 最初の報道があった時、 昭和天皇様の崩御から 今上陛下の即位の礼 に至るまでの 嵐のような1年間の記憶が頭を過っておりました。御葬儀に関する一連の儀式を踏まえられ 喪の色合いが薄まるにつれて 御即位のお仕度が静かに 徐々に進められたのです。即位の礼 には他国からの王族様も多数ご臨席になられ 各宮家で分担して おもてなしのパーティーが開かれました。ホスト. ホステスとして 寛仁親王両殿下のお気遣いようは計り無く、私共は「両殿下に恥をかかせまい!」の一念で動いていたような気が致します。お料理やらお飲み物の品定めや手配、お食器などは 事細かく 何回も出したり 引っ込めたり… 信子妃殿下からお直のご指示の元、御指先の振りに合わせて 皆が一斉に動く一体感は 今 思い出しても 身が震えます。
即位の礼 当日は 両殿下、衣冠束帯.十二単を召してのお出ましで 儀式後 両陛下のパレードの間に宮邸へお戻りになられ ドレスへお召し替えのご予定。 ところが お戻り時間近くになっても お願いしていた美容師さんが来ず…⁉︎ 青山一丁目の交差点辺りで足止めをくらっているという連絡が入ったのです。取り急ぎ 迎えに飛び出すと 歩道は両陛下のパレードを待つ観衆で溢れ返っておりました。 道を渡ることが出来ずに困惑している美容師さんを見つけると 手を掴み 突き進もうとすると、 警備で立っていた私服警官さんに強く阻まれ…。証明書を提示して説明しても 理解して貰えず 「通せ!」「通さない!」の押し問答。 最後には 「身内 妃殿下の お仕度が間に合わなかったら あなた ! どう責任を取ってくれるのっ!!」と ヒステリックに一喝し… 「あの 生意気な小娘を どうして簡単に通すんだっ⁈」と 私服警官さんの怒りの矛先が 私から御所の門衛さんに向いてしまったのを申し訳なく思いつつ、一目散に宮邸へ向かったのでした。
陛下がお気持ちを表明されたお言葉の中で [葬儀と新時代に関わる行事の負担 ] に触れられた時、この一件が ビビビッ と 思い出され 「陛下は あの小競り合いまでも お見透しであられたかもしれない…。」と恐れ入り、 若気の至りを恥ている私なのでした。
