暖かな お彼岸の入り日となりました。山門を入った所の 河津桜が美しく、納骨堂前の 摩耶紅梅の蕾も 良い具合に膨らんできております。
先日、檀家さんの 納骨法要とお葬式が重なってしまい、本山から若い!? お坊様に来て頂き 法要の方をお願い致しました。本山(泉涌寺)とは お隣どうし なのですが なかなかお若い方達とお会いする機会が無いので ちょっぴり嬉しい私。 「マサ君、高野山での法要に出るんですね」 との話題となり…。
今年は 弘法大師さまが 高野山を開かれて1200年 という記念の年であり、真言宗の各本山がそれぞれに法要を営むのです。泉涌寺は 4月20日に決まっており、高校生の息子も特別に 従弟子役として参加させて頂く事になったのです。法要担当をされるとの事でしたので、愚息のことをくれぐれもお願い致しました。
納骨法要の最後に 「いつも 住職は ちょこっと法話をしておりますが…。」 と耳打ちすると 「それは聞いて無かった!」 と焦りつつも 弘法大師さまのお話をして下さいました。
「お大師さまの師匠、中国の恵果阿闍梨さま の墓碑にお大師さまの言葉が刻まれております。[日本から中国(唐)に渡った時は不安で一杯でしたが、貴方にお会いして教えを頂いた事で 心が満ち満ちて日本に戻る事が出来ました]と。お墓参りというものは そういう事だと私は思います。どうぞ皆さんも お寺に来て お参りをされて 心を満たしてお帰り下さい。」 何とも心を打つお話でした。
法要後、「お茶でも…」との誘いに 「いや、本坊に戻らなくては…」 と 颯爽と帰られる後ろ姿を 満ち満ちた気持ちで見送った私なのでした。

