担当者:きと

 

Q1.摂食障害は一般的にどれくらいの治療期間が必要ですか。

A1. 半年~1年程度の治療期間で回復する人もいれば、2年以上かかる人もいます。症状の重度さや個人差にもよるため、一概に言える期間は無いですが、多くの人は長期間かかるとされています。(1)

 

Q2.摂食障害はどのような状態になったら完治とされるのでしょうか。

A2. 身体にすり替えられた痩せ症状や食行動の異常に惑わされず、その摂食障害が起きた根本的原因を浮き彫りにし、問題を解決する、また、成長・変化によって生き辛さを克服することです。(2)

 

Q3.様々な治療法があると知れましたが、どの治療法が今1番実施されているのですか。

A3. 摂食障害には色々な病型、精神病理があるため、すべてに有効な治療はまだ確立されていません。患者さんの状態や、これまでの環境や経緯を詳しく聞き取り、治療者は治療方針を提示し、その中から家族や患者本人が治療方法を選ぶ形となります。(3)

 

Q4.自分はすぐお腹が空くのですがお腹が空いていると何も手を付けることができません。おなかがいっぱいになるまで食べたいと思ってしまいます。これは過食症なのでしょうか。

A4. 過食症ではないと思います。過食症の場合、自分で食欲をコントロールできなくなったり、食べた後罪悪感に駆られ嘔吐するといった症状が現れたりするため、そのような症状が無ければ可能性は低いと思われます。(4)

 

Q5.摂食障害に家庭環境は影響するのでしょうか。

A5.影響するとされています。家庭環境によりストレスが生み出されている場合や、教育が厳しい環境で育ち自己肯定感が低い場合など、摂食障害に直接関係しなくとも、摂食障害を引き起こす心理的要因の一つとして大きな影響を及ぼすと考えられます。(5)

 

Q6.拒食症によって亡くなった事例はありますか。

A6.あります。実際に摂食障害の7%の人が無くなっています。

事例としては、有名歌手のカレン・カーペンターが拒食症により32歳という若さで亡くなりました。(6)

 

Q7.安藤瞳さんの例で症状の結果12キロに減少してしまったとありましたが、小学生女児の平均体重は何キロですか。

A7.小学三年生(瞳さんが12キロに減少してしまった学年)の平均体重は27.4キロです。(7)

 

Q9.自分が摂食障害であると知らない場合、気づくための最善策はありますか。

A9.自分の食生活や行動を記録することが最善策だと考えます。記録に残すことにより異常性に気づくことが可能だと思います。また、周囲からの指摘に耳を傾けることも重要です。

 

Q10. アメリカから「痩せを美徳とみなす文化」が流入してくる前は、摂食障害は存在しなかったのでしょうか。

A10. 存在しています。日本で最も古い摂食障害の記録として残されているのは、江戸時代の漢方医、香川修徳が1778年に書いた『一本堂行余医言』です。また、世界的に見れば、紀元前のエジプト文明の記録に拒食症と思われる症例があったとされています。(8)

 

Q11.瞳さんがおこなった治療はどのようなものでしたか。

A11.投薬治療よりも精神治療が重視されました。医師は両親に「面会は1日2時間までにして欲しい」と伝え、重症になればなるほど心配してくれる両親の甘えから瞳さん抜け出す環境を作りました。また、その後治る経過として過食になることを見越し、「食べることを絶対に止めないでください。」と両親に説明するなどし、家族ぐるみで治療を進めていきました。(9)

 

Q12. 摂食障害は繰り返す確率が高いとのことですが、どれくらいの割合が繰り返すのですか。

A12.成人の場合は半分以上が軽快、再発を繰り返すとされています。子どもの場合は、年単位の心理療法と家族関係の改善により治る確率が上がります。(10)

 

Q13.ルッキズムに流されないための工夫や方法があれば知りたいです。

A13.小さな目標を達成し、自己肯定感を高める、自分を認めてあげるなど、自分に自信をつけることが大切だと考えます。

 

Q14.木村さんは高校時代どのような運動メニューをして追い込んでいたのでしょうか。

 A14.主にYouTubeに配信されている10分ほどの筋トレ動画を身体の部位によってそれぞれ2本ずつ行い、約10本(100分)ほど行っていました。また、それに加え体感トレーニングとランニングも毎日取り組んでいました。

 

Q15. 精神病理の治療法は分かりましたが、病型分類との違いはどのようなものがありますか。

A15.病型分類はその痩せ症状や異常な食行動など摂食障害により現れる症状を主に改善することを目指し、精神病理は摂食障害を引き起こす原因そのものの解決、心の治療をメインとする違いがあると考えられます。(11)