担当:そか、ちゆ、はさ

 

 

1.なぜ組織論を学ぶのか

 

1-1理論(theory)とは何か
1-1-1「抽象的知識の領域」と定義されている
(オックスフォード英語辞典による)
aすべて厳密なものという印象
a-1誰もがすでに使ったことがある
a-2公式E=mc2のような概念
a-3理論の基礎的な構成単位
a-4理論を議論する最初の出発点
a-5概念(concepts)の集合である←提示された概念の関係性により関心現象が説明・理解・認識される
b概念とは
b-1頭の中に分類区分を作り上げるもの
b-2その区分を用いて記憶の中のアイディアを整理し体系化し、蓄積するのが可能
b-3抽象化(abstraction)によって形成
b-4そのプロセスにある事柄に関するアイディアの特定の部分を分離させる
b-5人間は同一の特徴と類似の理解をする
c抽象概念の形成
c-1特定例のユニークな部分を取り除く
c-2抽象化プロセスの中で、一連の例から共通した側面が抽出
c-3記憶という知識構造に配置される
c-4情報処理にかかる時間が短縮できる
c-5自分が持つ知識を伝えることが可能に
c-6様々な事柄を素早く効率的に思考をするのを可能にする←創造性や豊かさの欠如
1-1-2チャンク化(chunking)と普遍性
aチャンク化とは
a-1「言葉の一塊」の概念のこと←人間が一度に記憶できるのは7±2情報チャンクである
a-2抽象化によって抽出された知識の大きな塊を操作
a-3いくつかの概念に変える
a-4新しい知識を生み出す
b普遍性(generalizability)とは
b-1ほぼすべての状況に適用する性質
c利点と欠点
c-1理論が普遍性を増せば増すほど適用範囲が拡大(+)
c-2自分の知識が普遍的だと他者に押し付けてしまう(-)
c-3特殊性を犠牲にする(-)


1-2パースペクティブとはどういうものか
1-2-1理論パースペクティブ
a関連する理論の集合よって形成されるもの
a-1現象を定義し、理論化し、研究する方法がいくつか類似していることから生まれるもの
b組織論において優位とされる理論パースペクティブは主に3つ
b-1モダン・パースペクティブ
b-2シンボリック・パースペクティブ
b-3ポストモダン・パースペクティブ
cこの順に組織論を発展させてきた
c-1モダン・パースペクティブはそれが受け入れられた社会に大きく貢献した
c-2それに対して、シンボリック・パースペクティブとポストモダン・パースペクティブが挑戦している
1-2-2「モダン・パースペクティブ」
aここでは、モダン=説明
a-1モダニストのパースペクティブ
a-2組織行動のなかで関心のある現象の、因果関係を明らかにするもの
a-3方法…定量的、ほとんど数学的根拠に依存
bデメリット
b-1正確性に欠けること
←研究対象が人間から成る組織なので結果の変動が大きい←物体やエネルギーの運動のように一定の結果が得られない
b-2因果関係を追及するための方法の開発に力を入れてしまう
←因果関係そのものよりも
1-2-3「シンボリック・パースペクティブ」
aここでは、シンボリック=理解
a-1シンボリック-解釈主義者のパースペクティブ
a-2自らを理解しようとしている人たちが作った状況に身を置き、その人たちが関心をもつ事象をどのように定義し、相互作用し、解釈しているかを研究するもの
b方法…定性的記述法、特に民族誌学的方法
b-1定性的…数字で表せない性質的な部分
b-2民族誌学…人類学の一分野。社会の人々がもつ環境条件から、経済形態・政治組織・社会組織など文化的特徴を、歴史的・地理的に説明し、当該の社会の人々の思考様式や行動パターンや生活形態を研究する
cメリット・デメリット
c-1主観的経験をより上手く伝えることができる
c-2研究者自身の主観的経験を、他の人の主観的経験とすり替える危険性がある
←研究者がある集団で研究した現象の解釈を、研究していない集団にも適用できるという考え方をもつため
1-2-4「ポストモダン・パースペクティブ」とは
aここではポストモダン=認識
a-1ポストモダニストのパースペクティブ
b方法…批判的、美学的に、モダニズムの概念と理論をとらえ再構築する方法
b-1モダニズム…パワー(権力)や支配
b-2ポストモダニズム…自由へのあらゆる制約に対して、反抗意識を強める感情と道徳的で倫理的意味での美学的認識
1-2-5規範的パースペクティブ
a規範的=物事がどうあるべきかというモデルをもとに現象を判断すること
a-1理論をその実践での応用を通して明らかにするもの
←つまり理論という客観的根拠に基づいた実践を重視する←理論の追求ではなく
b例ベストプラクテスとベンチマーキング
b-1最も成功している組織の方法や技術を模倣すれば、同じ成功を手に入れられる、という考え方
b-2デメリットは、ある組織の成功をそのまま別の組織に転用できると仮定している点で危ういこと
1-2-6パースペクティブの哲学(存在論と認識論)
a存在論と認識論
a-1哲学の一部門
a-2各パースペクティブのちがいを比較、説明できる
b存在論とは
b-1存在についての仮定と現実の定義を研究するもの
b-2何を現実とみなすか
c認識論とは、
c-1人はどのように知るのか、何を知識とみなすのか、を研究するもの
c-2どのように現実を知ることができるのか
dふたつは関連している
d-1認識論において明らかになった知識を用いて
d-2存在論上の仮定をたて
d-3何が現実であるかを明らかにする
e"客観主義 対 主観主義"としての存在論
e-1モダン・パースペクティブの立場
e-2客観主義(客観的存在論)
e-3考え方…客体は、客体についての知識が外部に存在するため、それらだけを観察することで知識を検証できる
e-4方法…客観的な現実世界の観察
e-5すべての人が事物に関して同じ観察をすることができる
←すべての人は客体に対して同じ関係性を有している点から
e-6主観主義を否定
←主観的理解は個人的偏見と変わらない
←存在についての確固たる知識を確立するには取り除かなければならない
e-7シンボリック・パースペクティブの立場
e-8主観主義(主観的存在論)
e-9考え方…外部の現実や客観的現実を知るとき、主観的な認識は切り離せない
e-10方法…観察上の偏りが非常に多い方法←私的な思考や感覚で明らかにする、自己を文脈の影響下に置くことで明らかにする
e-11客観主観を否定←人間の経験や営みには、主観的にしか取り組めないものが多い。客観的存在論では多くの現象を理解できない
f"実証主義 対 解釈主義"としての認識論
f-1モダン・パースペクティブの立場
f-2実証主義
f-3考え方…現象に関する真実は、科学的方法を用いて発見できる
f-4方法…数字データの収集・分析・比較によって検証
f-5シンボリック・パースペクティブの立場
f-6解釈主義
f-7考え方…現象に関する真実は、直接関与する個人の観点からのみ理解できる←同じ現実でも関与する人次第で、異なる理解と解釈が多く存在する可能性がある
f-8方法…芸術や人文科学の分野で開発された解釈的方法←インタビューによるデータ、研究協力者を研究者が主観的に観察することによるデータ
gポストモダン的(言語論的)転回
g-1ポストモダンの始まり
g-2言葉が事物を表すことを否定することから始まる
←話されていることが現実
g-3ドイツの哲学者マーティン・ハイデガーがプラトンを非難←言語論的転回「諺にあるように、世界は表現されるように作られる」
g-4マーティン・ハイデガー
←世界は言語に映し出されているよりむしろ言語によって作られているという主張、ポストモダニズムの出発点がもたらされた
g-5モダニストの間違いを暴き、修正することを試みた。モダニストは言語効果を無視していると主張
g-6ポストモダン・パースペクティブ
g-7言語の中に形成されかつ言語によって形成されることがなければ、自己の存在も現実も存在しえない
g-8事物はディスコース(言説)とテクストから存在
←ディスコース(言説)は文脈を提供
←文脈は言語をどのように使用・制限するか決める
←テクスト、ディスコース、言語が互いによって形成されるのと同じ
g-9人は何事もありのままに知ることはできない
g-10一部のポストモダニストの認識論上の仮定
g-11言語外の現実の存在否定は存在論上の立場を明確にする
hポストモダニズム
h-1第1の確信
←ディスコースは現実を形成する
←言語をどのように使用し、何を語るかに影響するため
h-2第2の確信
←話者、内容、発言は言語の中、又は言語を通して構成される
h-3最後の確信
←意味も現実も漂流し続けている。新しい発言があるたびに移動する
h-4反哲学的でなく、変化の中で漂流し続ける哲学
h-5権力とコミュニケーションが重要現象。ディスコースを制する者が事物の存在、消滅を自由にできるため
Ex)ジャーナリスト、有名人、医師
h-6権力によるコミュニケ―ションの歪曲。←何が現実をつくっているか無知なため生じる、言語による搾取と乱用を可能にしてしまう
h-7搾取から解放されるには
h-8ディスコースの言語から道筋を知る。言語が、人を言語で構成されているディスコースに描き込んでいるため
h-9ディスコースへの参加で権力獲得
←言語効果を意識しながら参加が望ましい
←自分の利害を訴える
Ex)組織や政府を批判する


1-3本書を利用するにあたっての概念枠組みとヒント

1-3-1組織とは何か
a組織論が扱う領域を分割した枠組み
a-1 6つのチャンクの図1.1を理論と勘違いしない
a-2他の理論や概念と関係を持っている
a-3重なりあっている部分は考え方が重複
b図1.1の利用方法
b-1ある問題を想定する際
Ex)競争戦略を考えなおす際に、洞察や行動指針を示唆する可能性を秘めている
←どの概念と理論が応用できるか、のみ考えてはいけない
←重要なのは、組織と問題を観察し続けること
b-2チェックリストとして役に立つ
Ex)パワーを忘れていないか、物的構造を見過ごしていないか
b-3自分の体験例にあてはめる
←図1.1の色々な部分を相互に関連付けられるようになるのに役立つ
←理論を構築できるようになる
←応用できるようになると
1-3-2要約
a本書は理論群といえる
a-1それら概念の関係性から関心現象に対し、認識、記述、説明を行う
←関心現象には組織化の活動やプロセスも含まれる
b本書を通して概念や理論を学び、なぜ作ったのかを学ぶ
b-1理論化の基礎を身につける
b-2組織理論が提示する知識・組織論を学ぶ
c組織論を学ぶこと
c-1情報処理が速く、効率的になる
c-2アイディアの認識、理解、説明、伝達することが可能になる
c-3概念や理論を活用するときに抽象化を具体化するときに役立つ
←抽象概念を使って論証した理論からでは不足
←抽象的な表現に重要な細かな事柄を書き戻せる能力が必要
←理論化の技能を磨けば身につく
c-4著者の場合、自身の見方やアイディア、可能性に対して頭を柔軟にしてくれたもの