担当:なみ

Q&A

Q1 仕事場の同僚や部活の仲間は知合いですか、友達ですか。
A1 人間関係は大きく分けて二つに分類されるようです。一つは、仕事上のつながりなど、フォーマルな関係と呼ばれるもので、苦手でも付き合わなければいけないという事態が起こりやすい関係です。もう一つが、インフォーマルな関係と呼ばれ、プライベートでの友人や家族との付き合いなどはこちらに分類されます。この二つの人間関係から考えると、仕事場の同僚や部活の仲間はフォーマルな関係に分類されますが、個人的にその人物に関心があり、友人関係を築きたいと思えば、フォーマルな関係に分類されるのではないかと思います。

Q2 外見から発生する先入観は、相手をどのレベルの他者かと判断するのに、どのような影響があるのか。
A2 他者を認知する際、最初に行われる判断は「何者がそこにいるのか」という単純な判断です。これは注意と呼ばれ、どのレベルの他者の認知であっても、最初に行われ、瞬時になされているため、無意識で行っています。このレベル0の判断をクリアし、関心が向けられた相手は、上のレベルの他者に分類されていくのだと思います。ですので、相手をどのレベルの他者かと判断することは、実際にはなく、その人と認知される他者の関係を客観的に見た際、「あなたとその人は~レベルの他者です」という外からの分類にすぎないのではないかと思います。ステレオタイプ(先入観)的な判断は、相互作用の存在しないごく浅い人間関係で起こるようです。なので、レベル0や1の他者の際に用いられる判断と言えると思います。

Q3 2-2-2-b友人の友人は一概に「相互作用する気がない」とは言い切れないと思う。シュナイダーの分類は性格だと思うか。
A3 私もそう思います。友人の友人でも相互作用する気のある他者である場合、私を好きだと言ってくれる人(レベル4)に分類されると思います。シュナイダーのレベル分けは人間関係を大まかに分類したものであって、実際に友人の友人がレベル1に分類されるかは、人それぞれの判断になるのではないでしょうか。友人の友人をレベル1とするか、レベル4とするかの判断の要件や、その境目が何なのか、今後調べていきたいと考えています。

Q4 人スキーマとステレオタイプの違いは何か
A4 ステレオタイプは特定の集団・カテゴリーに関する固定的で否定的判断と結び付けられて用いられることが多いです。それに対して、スキーマというのは認知している対象の集団性はあまり意識されておらず、カテゴリーとしてまとめられる人々の特徴について、肯定的でも否定的でも区別せずに用いられるようです。しかし、現状として、ステレオタイプ、スキーマ、カテゴリーの三つの認知要素は入り乱れて使われており区別は曖昧のようです。

Q5 2-2-3.a-3の結果依存性≒相互依存性とは何か。
A5 私たちが特定の人と親しくなったり、逆に疎遠になったりする際、相手と自分との二者の間では具体的行動や感情表出など幅広い反応が取り交わされ、相互の反応が影響を及ぼし合います。これを「相互作用性」と呼び、友人、仲間、同僚など相互に関わっている人たちすべてを含む概念です。それをフィスクらが(対人認知の連続体モデルの研究者)「結果依存性」という概念に置き換えました。フィスクらは、結果依存とは認知者が何らかの形で被認知者の行為に影響を受ける状態と説いています。言い換えると、相手に何らかの形でコントロールされているとき、コントロールされている側が結果依存状態にあると言えます。ほとんど同じ概念ですが、結果依存の方が従位関係を含む概念なのではないかと考えています。

Q6 ピースミール処理とは何か。
A6 他者がどのような内面的特徴を持つかは目で見ることができないため、その人の行動や発言から内面的な属性を推測します。これを属性推論と呼び、その中でも個人の個別の情報を一つひとつ吟味し、処理していくことをピースミール処理と呼びます。一方、属性推論の中でも、あるカテゴリーや集団に関する情報に基づき、判断することをカテゴリー依存型処理と呼び、ステレオタイプはカテゴリー依存型処理の一種のようです。

Q7 嫌っている人も何かしらの関心を持つのではないか。
A7 その通りだと思います。実際、大抵の人は好きな人の特徴より、嫌いな人の特徴を多くあげられるようです。これは警戒仮設と呼ばれ、人は、自分に危険や損害を与えそうな人を素早く見つけ出し、身の安全を守ろうとする心理が働くというものです。よって、嫌いな人から自分を守るために、相手を注意深く観察してしまう傾向があり、嫌っている人にも関心が払われていると言えます。

Q8 「美しい人はいい人」や身長のステレオタイプは男女によって違いがあるのか。
A8 身長のステレオタイプは男女によって違いがあると言えます。レジュメにもあるように、身長の高い男性は「落ち着いている」「努力家である」「大人っぽい」などの印象を与えます。それに対して女性は、身長が低い方が社会的に望ましい特性に結び付けられ、低身長の方が「積極的」「優越感を持っている」「外向的である」などのポジティブな印象を持たれるようです。また、「美しい人はいい人」については、美しいという言葉自体あまり男性に対して用いないため、先行研究が見つかりませんでしたが、「美しい男性=美しさに力を入れている男性」と捉えると、女性的な男性というようなイメージを持たれ、やはり、それぞれのステレオタイプごとに男女差はあるのではないかと考えています。