鎌苅 宗像神社
(かまかり むなかた)
《参道の清々しさは特筆もの》
宗像十三社は、参拝済みが6社。風格ある神社、趣ある神社、美しい神社など様々な特徴がありました。そんな中、当社の特徴は、参道の清々しさです。
◇鎮座地:千葉県印西市鎌苅1668-1
◇最寄駅1:京成本線・臼井駅~大成交通バス
→消防署前バス停~595m
・最寄駅2:京成本線・佐倉駅~なの花交通バス
・最寄駅3:京成本線・酒々井駅~ちばレインボーバス
→2・3ともに印旛支所バス停~1.1km
・最寄駅4:北総線・日本医大駅~1.9km
◇御祭神:市杵嶋姫命、多岐都姫命、多岐里姫命
◇御朱印:なし
【参道】
◆水盤・遺構
手水舎はありません。こちらの水盤のみ。水の出所もありません。
◆石鳥居
印旛の宗像神社は両部鳥居が基本のようです。
◆清々しい参道
手垢がついた表現ですが、「鳥居をくぐると空気が変わる」とは、まさにこのことです。
◆社叢~左サイド
盛り土されています。というか、参道部分を開削したのかもしれません。
◆社叢~右サイド
◆拝殿を遠望
社叢の密度がバランス良く、木漏れ日が絶妙な美しさになります。
◎祓われている感
参道の清々しさは、歩いていて「祓われている感覚」を強く覚えました。
そうなると、宗像三女神の中から、多岐都姫命をピックアップして、書いてみたくなります。
というのも、
多岐都姫命=瀬織津姫 (祓戸大神)
との説があるからです。
◆大祓詞~瀬織津姫
「高山の末 短山の末より さくなだりに 落ち たぎつ 速川の瀬に坐す 瀬織津比売と云ふ神 大海原に持ち出なむ」by大祓詞
とあるように、瀬織津姫は滝と縁が深い女神で滝や急流がある場所に祀られることが多い。
タギツヒメとセオリツヒメは、イメージが近い神のため、本来同じ神であり、どちらか一方が名前を変えたのではないか、との説もあります。
「大祓詞」は、記紀より成立が古いと言われています。
記紀編纂の最終段階で、セオリツヒメからタギツヒメへと名前を変えた。
だから、セオリツヒメは記紀に登場しない。
変更にあたって、大祓詞にある「たぎつ」から命名した。
と推測できます。
◆なぜ名前を変えたのか
「セオリツ姫」が「ソウルの姫」という意味になるからです。
日本書紀を作る理由は、日本のアイデンティティ確立と誇示のため。そうした書にもかかわらず、重要な女神の名が「ソウルの姫」では、話にならないから。と、そう解釈されています。
◆本殿
◆宗像三女神の構造
①市杵島姫(=宗像)
→元々は、沖ノ島の聖なる神は、イチキシマヒメだけだった。
②多岐里姫(=出雲)
→市杵島姫を祀る宗像海神族を出雲族に管理させるために、タギリヒメを派遣した。
③多岐都姫(=ヤマト)
→ヤマト政権が①②をまとめて監視するために、タギツヒメ(=瀬織津姫)を派遣した。
こうして、記紀では「宗像三女神」として、ワンセット扱いにした。
【境内社】
境内社は、石祠5社。神名が彫られた石碑が1つです。
◆参道左手
3社鎮座します。すべて祭神不明です。
◆参道右手
2社鎮座し、石碑が1つ。
◆不明社
◆稲荷神社
◆石碑
皇大神宮、出雲大社、金刀比羅神社
◆鳥居を遠望(帰り道)
【御朱印】
ありません。
【参拝ルート】
2021年 6月 1日
印旛沼の宗像神社を巡る
START=09:56着 北総線・印旛日本医大駅~1.9km~①鎌苅宗像神社 ~1.1km~ちばレインボーバス・印旛支所バス停 11:44発→(京成酒々井駅西口 行)→平賀連絡所バス停 11:53着~630m~②平賀宗像神社~1.5km~③山田宗像神社~950m~山田橋~230m~なの花交通・山田西口バス停 13:54発→(京成佐倉駅 行)→京成佐倉駅バス停 14:06着~徒歩~京成佐倉駅 14:12発→(特急・上野 行)→=GOAL
【編集後記】
◆多岐都姫命
この女神を単独で祀る神社は少なく、全国で69社にすぎません。
筆者自宅から遠くない場所に「高津比咩神社」があります。高津姫は、多岐都姫の別名と言われています。名を冠した神社であっても単独祭祀ではなく、複数の神々との合祀です。(了)
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