下総國・一之宮

『香取神宮の歩き方』

 

Vol.3 《要石道を行く》

 今回は境内案内図に記載がない 『日神社&月神社』 もご紹介します。

二之鳥居から表参道に入ってほどなく、左手に進入路を示す石標が見えます。

 

 

 

◆二之鳥居

 通称、赤鳥居。「アスファルト道&土産物店」→赤鳥居→「砂利道&社叢」。と、鳥居を境にして路面の質&周辺環境が変化します。まさに、《俗と聖の分断》を赤鳥居が果たします。

 

 

◆表参道

 香取神宮は、亀甲山の山林に造営されています。表参道は、清々しさに溢れます。自然環境と一体化した美しさ。表参道は、香取神宮の魅力のひとつかと思います。

 

 

◆「要石道」への入路

 表参道に入ってほどなく、「要石道」への入路があります。要石は、拝殿で参拝したあと、奥宮&要石という形で寄る方が多いかもしれません。本記事では、拝殿に向かわず、「要石道」に入ります。

 

 

◆石標

 「要石道」は、護国神社→押手神社→要石へとつながります。今回は、さらにその先に鎮座する境内末社にも向かいます。案内図に記載がない日神社月神社という小さな社です。

 

 

◆護国神社 石鳥居

 まず現れるのが、護国神社の一之鳥居です。道を登りつつ、左手に目をやると木々の間に赤鳥居を遠望できます。

 

 

◆登り道

 この道を登りきると、右手に石段が現れます。写真は、10月のものですが、緑がふんだんにあって、気分良く登って行けます。新緑の時期などは、さぞ美しいことでしょう。

 

 

◆石段

 この石段を上ると、護国神社・二之鳥居です。

 

 

◆護国神社 木製鳥居

 表参道の砂利道、要石道の山道、そしてラストの石段。多様な「登り」をリレーして、ここまでたどり着きました。

 

 

◆護国神社

御祭神:明治以降の国難に殉じた、香取郡出身の御霊

 この種の社殿や石碑の周囲は、涼しさが漂うのですが、こちらはそうでもなかったかも。

 

 

◆屋根

 千木の切り口は女性神、鰹木の本数は男性神、と不統一な様式です。これは、性別に関係なく、国難に殉じた人々を祀っている。という意志表明なんだろうと思います。

 

 

◆要石へ

 《左=要石》のサインが見えます。この土塁は「円墳」のような形状なので、2本の道はこの先で合流します。分岐中央に石祠がありますが、不明社です。

 

 

◆要石

 残念ながら、あまり聖性を感じ取れず、磐座という感じがしません。

 

 

◆押手社

御祭神:倉稲魂命

 要石と向き合っています。空洞化した古木と社殿周辺は、良い気が流れていました。

 

 

◆総門方面へ

 要石から、石段を降りて振り返りました。

この石段を下り、向かって右に進むと、旧参道を経て「雨乞塚」&「奥宮」方面。筆者は、向かって左の道を使って、総門方面へ向かいます。

 

 

◆日神社・月神社へ

 要石道を出口=総門方面に向かいます。左手は雑木林、右手は杉林。

 

 

◆月神社への石段

 雑草と苔に覆われています。斜面に角石を並べて階段状にしていました。

 

 

◆月神社(境外末社)

御祭神:月豫見命

 『香取神宮 小史』(昭和 8年・社務所)のp.46に 《月神社=I氏邸内にあり》と、書かれています。by国会図書館デジタルコレクション

 

筆者は、I氏の許可を得た上で、参拝しました。邸内社とはいえ、れっきとした境外末社として数えられています。

 

 

◆分飯司家

 ちなみに、I氏は、かつて香取神宮・本殿の一番奥の扉の鍵を預かる仕事=分飯司家(ぶんがいじ家)のご子孫のようです。

 

 

月神を祀った神社を出て、「要石道」に戻ります。

 

 

◆社叢

 右手の杉林に分け入ると、神池へ流れ落ちる滝の水源があるので、行ってみます。

 

 

◆滝の水源

 香取神宮が鎮座する亀甲山は、あちこちで湧き水を見ることができます。

 

 

◆『要石道』の出口

 「要石道」の出口風景です。と同時に、楼門や総門などから要石へ向かう入口でもあります。突き当りの石垣を右に進むと総門石段の下に出ます。

 

 

◆日神社へ向かう

 突き当りは、石垣。左に行くと「旧参道」、右は「三之鳥居」です。

日神社は、旧参道の梅林の近くを右に入ります。

 

 

◆日神社(境外末社)

御祭神:天照大御神

 

 

 

 

◆「神池への小径」へ

 この名称は、筆者が勝手に命名しています。

要石道を出て突き当りを右に進み、表参道を下ります。小径は、表参道の支道です。

 

 

◆再び、表参道

 総門から参道を下ってきました。

参道は、鹿島神宮(=杉並木&土の道)とは趣が異なる、自然林&砂利の道です。ちなみに、鹿島の参道は一直線ですが、香取は蛇行しています。

 

 

◆神池への小径

 参道左手の水路を横断して、社叢に入って行きます。

 

 

◆さしずめ「神池道」

 社叢に包まれ、雰囲気たっぷりです。この美しい道を見てしまったら、行くしかないです。

 

 

◆森と水の精気

 石段の向こう側が神池です。社叢を歩いてフィトンチッド(=森の精気)を浴びたので、次は神池の滝からマイナス・イオンを吸収します。

 

 

◆神池

 神域内にいくつかある井や池の中で、こちらは、唯一の庭園回遊式となる池です。

 

 

◆滝

 先に見た水源を出発した水は、流れ落ちて神池に注ぎます。さらに、水は神池から表参道の水路を経て、赤鳥居まで流れて行きます。

 

 

以上、今回は「要石道」と「神池道(=筆者による仮称)」を辿ってみました。

 

 

 

【御朱印】

 墨書は、権禰宜・S氏によるものです。筆者は、10月と今回(=12月)の2度にわたって、祭神などについて、お話を拝聴する機会に恵まれました。Sさま、ありがとうございました。

 

 

 

【参拝ルート】2019年12月 1日

 香取神宮《要石道を歩く》

START=①二之鳥居(=赤鳥居)~表参道~②「要石道」石標~要石道~③護国神社~④要石~⑤押手神社~⑥日神社&月神社~⑦神池水源~⑧再び・表参道~⑨「神池道」(=筆者による仮称)~⑩神池&滝=GOAL

 

 

 

【編集後記】

◆香取神宮の歩き方

当シリーズのバック・ナンバーがあります。

よろしければご覧ください。 m(_)m

 

Vol.1~御神井道を歩く

 

Vol.2~旧参道を歩く

 

以上、《歩き方》シリーズ第3回を終えます。ありがとうございました。(了)