選挙についてあらためて考えてみた | 宇野こうやの活動日誌

宇野こうやの活動日誌

新潟市議会議員として地域おこしに取り組んでおります。
日頃の活動を書いています。
結婚をした娘もいながら、まだ中学生の末っ子もいたりして。。。
かれこれ30年近く子育てしています。

たまに違う話題を。

選挙はお金がかかると言われます。確かにお金はかかります。告示日から投票日までの間だけでも相当かかりますが、当然のことながら事前の準備というのもあります。これは厳密に言えば選挙活動ではなく、後援会拡充活動と言います。違いは投票依頼ができるかできないか、その点が大きいのですが、グレーゾーンでもあります。ですから、ほとんどの候補者が選挙戦に入る前から活動を始めます。むしろ事前活動のほうが大切であるとも言われております。
 
支持者の集まりである後援会の人数を増やすこと。これが後援会拡充活動ですが、そのためには自分の訴えや考え方を伝える必要があります。そのためにリーフレットなどをつくって配布するわけですが、仮にこの印刷物を2万世帯に配布しようとします。単価は地域や業者によってバラツキはありますが、印刷代金で1枚単価40円なら80万円かかります。また、ポスティング業者に依頼をして1軒あたりの単価が10円としたら20万円です。自分の考えや訴えを知ってもらうためのリーフレットを配布しようとするだけで100万円という大金が必要となるわけで、普通の感覚で言えば考えられないと思います。
 
さて、この印刷物ですが、PCで自作して印刷のみを業者依頼すると値段はかなり下がります。私はこの方法でやっており、単価は2.5円程度です。2万枚で5万円くらい。配布についても業者に依頼していません。かかるのは自家用車のガソリン代程度です。私がこの点で助かったのが、リーフレット配布作業や折り作業のお手伝いをしてくださったボランティアの皆さまの存在でした。これは本当に助かりました。それも全員の方が手弁当で参加してくださいました。後援会の皆さまのお心遣いは選挙資金がない私にとって本当にありがたかったです。通常であればお弁当の一つくらいは出して当然なのですが。
 
選挙にお金がかかるのは確かなことなのですが、やり方によってはこのように最低限に抑えることができ、私のような人間でも選挙を戦うことはできます。

そして、落選経験のある私が身をもって感じたことでもありますが、どんなに御託を並べても選挙は勝たなければ意味がありません。勝つことで初めて仕事ができます。いかに善戦しても落選をしてしまっては何も仕事をすることができません。当選するためには投票用紙に自分の名前を書いてもらわなければならないわけで、そのためには自分の名前と顔を売る必要があります。

そのためにこんな活動をすることが多いです。
 
朝夕の辻立ち。
「こんな活動に意味があるのか?」という方も多くおられます。辻立ちで当選ができるほど甘くはありませんが、名前と顔を覚えてもらうきっかけにはなります。
 
リーフレットの配布。
興味のない人はすぐにゴミ箱に入れるでしょう。大半は資源ゴミと化していると思いますが、それでも何もしなくては名前と顔を覚えてもらうことはできません。訪問して手渡しをすることで少しでも印象に残ればいいと私は配っていました。もちろんこれを配布しただけで当選できるほど甘くはありません。
 
ポスター貼り。
私はお金がないため屋外ポスターを作ることができず、室内ポスターのみでした。「ポスターを貼ったところで意味があるのか?」とも思われがちですが、玄関内にポスターを貼ってもらえれば、来客の方に名前や顔を知ってもらうきっかけにはなります。あくまでもきっかけづくり程度ですけど。
 
後援会加入活動。
これはすごく大切な運動ですが、後援会に加入してもらっても投票してもらえないことがあるということはごく当たり前のことです。後援会名簿が3,000人あっても開票してみたら900票などということは普通にあることです。昔から『3掛け』などという言葉もあるほどです。名簿は多いに越したことはありませんが、実際の開票結果とは違うという認識を持つ必要はあります。

集会。
集まってもらって訴えを聞いてもらうのですが、人を集めるのは大変なことです。しかしながら何人を集めることができるか、自分の力を測るバロメーターにはなります。人を集めるのは労力がかかります。労力の見返りとして、それが集票に結びつくかと言えば、かなり微妙でもありますが。

SNSの活用。
最近はこれに力を入れている候補者が多くなってきました。浮動票をつかむとか無党派層にアプローチするとか言われていますが、私の体感ではそれはないと思っています。むしろ応援してくれている人に対して「こういう活動をしました」とか「今日はこの地域でこんな訴えをしました」という程度の報告ができればいいくらいで考えていた方がいいと思います。SNSで票が増えるほど選挙は甘くありません。
 
電話かけ。
選挙本番になると投票依頼の電話をかけますが、選挙事務所から電話がかかってくるわけですから鬱陶しいと思われるでしょう。しかし名前を忘れられてしまっていることもありますので、思い出してもらうためにも必要なことだと思います。
 
街宣車や街頭演説。
いわゆる選挙カーですが、やかましいだけで効果はないと思われがちです。かく言う私もそう思っていた時期がありました。でも、応援してくださっている方にとっては、自分の応援している候補の街宣車が来ると安心できるものです。そういった意味では、応援してくださる方の気持ちを鼓舞する効果は絶大と考えます。街頭演説もしかりで、聞いて下さる方は稀ですが、支持者にとっては安心できるものです。
 
声かけ。
これが選挙では一番重要だと私は考えています。「○○さんのことをよろしくお願いします」と、たったこれだけです。でもこれが一番効果があります。応援してくださる方がそれぞれ推薦人になってくれるわけですから、何よりも大切な選挙運動です。選挙活動の『いろはのい』は、お願いすることです。お願いしなければ誰も投票はしてくれません。
さて、この「声かけ」。つまりは投票依頼ということになるのですが、まずは候補者本人が自分に近い人にお願いをして、その人からまた他の人にお願いをしてもらう。これが基本ですが、本人がお願いできる人数などというのは限られてきます。でも、まずは候補者本人。本人がお願いをしないことには始まりません。それがきっかけとなり、本人の意気を受け取った周りの皆さんがさらにお願いをしてくれるようになるのです。
 
そこで大切になってくるのが、先に申し上げた一見無駄に思えるような活動です。

辻立ち、リーフレット配布、ポスター貼りなどなど。こういった無駄に思えるようなことでも、第三者から投票依頼があったときに効果が出てくることになります。
「交差点で立っているのを見かけた」、「前にリーフレットで見た」、「○○さんの家の玄関にポスターがあった」ということになると効果は抜群です。途方もなく無駄なことをやっているように思えることでも、何かをきっかけに一票につながっていく、これが選挙であると私は考えています。また、周囲の皆さまに自分のことを売り込んでもらうわけですから、そのためにも候補者自身が一生懸命取り組まなければならないことは言うまでもありません。本人が何もしないようでは周りは応援する気になりませんよね。
 
周りの皆さまを巻き込んでいく、周りの皆さまに迷惑をかけていく、選挙は本当に心苦しいものです。私はいつも申し訳のない気持ちになります。応援してくださる人に何のメリットもなさそうなことを、私のために一生懸命やっていただく。私は自分が発する感謝の言葉すら軽く思えてなりません。
 
目に見える形での恩返しはできないかもしれませんが、せめて与えられた任期は応援してくださった皆さまに恥をかかせないように、ひたむきに議会活動をしていかなければならないと思っています。それが唯一の恩返しと思っております。
 
ブログの更新も頻繁に行うようにしていますが、外向けに発信するというよりも自分自身が慢心しないように自戒を込めて書くようにしています。初当選から1年が経過しましたが、初心を忘れずにこれからも活動を続けていきます。
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今後ともご指導やご意見を賜りますようお願い申し上げます。