ダイビングレコード祭 in 御殿場RINCOLO 

2023.10.14

 

 
 
 

御殿場RINCOLO 




松本耕平

タマキング

kumajiro 

 

EASY DIVERS

kurosawadaisuke 

麻生祥一郎

ケンタコスゲ

Rose

 


ダイビングレコード。

kurosawadaisukeさん主宰レーベルです。

昨年から、プロデュース作品もリリースを開始して、松本耕平さんの「BROTHERS FLAG」、タマキングさんの「TEPPEN」、kumajiroさんの「シンガーソングライター」の3枚がこれまでにリリースされています。


そのダイビングレコードのレーベルメイトが一同に介しての今回の「ダイビングレコード祭」。

ライブのあとはお客さんも演者もともに楽しむバーベキュー、という秋の遠足みたいな企画。リンコロだからこそできるイベントでした。

マスターのたかさんがご不在だったのは残念でしたが、土橋悠宇さん、PAのOfficeにゃろっぷさんはじめたくさんの方の助太刀もあり、無事にライブもバーベキューも開催されました。

大介さんが、またやるよー!と言ってくれたので、次はきっとたかさんも一緒に!


にしても。

波乱含みの始まりでした。

土曜日は東名下りが強めの渋滞になり、演者の到着が遅れ、リハがギリギリ(というか、あとでにゃろっぷさんの記録を読んだら全員はリハできてなかった模様…)。

開場も押し、大介さんがごめんねーって言ったあと、でも俺のせいじゃないよね?って八の字眉毛になってて、そう、大介さんのせいじゃないんです。でも謝ってしまう気持ちもわかる。

観客にももちろん巻き込まれた方がいて、ギリギリの人、遅れてしまった人、多数。

なんとなくバタついた、ソワソワした感じの中で始まりました。


それもしかし、ライブが始まるまでのこと。

あっという間に音楽に引き込まれて、気づけば2時間経っていた。

濃密でした。

露払いのkumajiroさんから確かな歌声と客席との共感の強いステージで引き込み、あんちゃんの圧巻とも言える熱量に私達は翻弄され、耕平くんの突き刺すような緊張感に耳を引き締める。そして、EASY DIVERSの洗練された音で一気に場が華やぐ。


Roseさんが何かのときに…あんちゃんのときかな、「圧が…」と笑ってたんですが、ほんとに4組とも、描線が濃い。歌の輪郭が濃い。筆圧の高い劇画みたい。


大介さんが結局、そういう歌い手が好きなのかなーと思うなどしました。ほんと面白いレーベルです。この先も面白い作品に出逢わせてくれますね、きっと。

ダイビングレコード・フェスができるくらい、どんどんレーベルメイトが増えていくと楽しそうです。

 


kumajiro 

 

シンガーソングライター

ウマが合う

くそったれ!

笑う月

ZAKO2

ストレートネック

 
 
 

トップバッターはダイビングレコードの末っ子・kumajiroさん。3人のうちでは最年長だけど、リリースは3番目なので、三男坊ですって。


リンコロは初めて。

緊張する…と歌い出したのですが、客席のみんなが全然、kumajiroさんのステージは初じゃなかったので、最初からめっちゃ盛り上がりました。

「ZAKO2(←坐骨神経痛の歌)」のZAKO2ダンス、「ストレートネック」のコールアンドレスポンス。kumajiroさんも安堵があったのか、ノリノリの客席に何度もニッコリしてました。


日々のボヤキをユーモアでくるんだ歌を、確かな技量と確かな素養で支えて聴かせてくれました。はじめての曲をはじめてに感じさせない、ツボを突いた曲構成なんですよね。古き良き時代から来ました!な。声も色気があって。

すごく安心感のあるステージです。聴いてると音と声が身体に満ちる感じがある。


「くそったれ!」のときに、あんちゃんの「クソッくらえ」の真似をして、後ろからギャーー!っと言われてましたね(笑)

「くそったれ!」のブルース、「笑う月」のシリアスは、明るいステージの中に含まれたピリッとした辛さが際立って、くっきり耳に残りました。


全曲、大介さんプロデュースの「シンガーソングライター」からなのが、まじめさを感じさせました(ほかの二人はあんまりそこに忖度がないセトリでした)。

 
 
 

 
タマキング
 
最後の挑戦状
オンユアマーク
クソっくらえ
エネルギー満タン
綺麗な涙
ゴング
魔法のうた
 
 
2番手はダイビングレコード次男坊・あんちゃんことタマキング。「縦社会だから、ここでは耕平にも敬語を使います」などとおどけてました。
セトリは見てのとおり、ダイビングレコードから出たアルバム「TEPPEN」からの曲がない、という忖度のなさ。自由だ(笑)

実は、直前の水曜日にモルタルレコードで聞間拓さんとのツーマンを見ていて、その3日後にこのリンコロでのステージでした。
モルタルで見ておいてよかったなーと思いました。自分の中での響き方が全然、違ってました。ずっと、縁がやってこなかったんですが、ここに来てバシッとつながった感じがしています。
 

どこにいても、どんなときも、やることはひとつ、歌うこと伝えること、という強い芯が(どんな歌い手にもあるけれども)あんちゃんは特に強い、と思う。

ほとんど照明は変わらなかった、と思います。影の黒とあんちゃん自身の放つ赤と。

 
 

飛び跳ねすぎて、リンコロの天井に穴空けそうでしたが、なんとか穴は空けず。しかし、狭いステージであちこちぶつけそうにはなってました…つか、ぶつかってたましたね。Roseさんの鍵盤に足を当てたらしく、すりすりとさすってお詫びする場面も。



「あんちゃーーん」「あんちゃーーん!」
「あんちゃんは、ひとり一回までーー!」
「じゅんぺー!」
「じゅんぺーは本名ーー!」
「おっちゃーん!」←大介さんです
「おっちゃんじゃなーい!実年齢はおっちゃんだけどもーー!」(笑)

リンコロ東京ドーム、大揺れでした。




「最後の挑戦状」「オンユアマーク」で熱く切り出して、その圧しかない声で場を一気にあんちゃんワールドに変えてしまう。

本家「曲のタイトルです、ご安心ください!」な「クソっくらえ」からの、「エネルギー満タン」からの、動き回りすぎてハラハラするチューニングからの、日本のあんちゃんやらせてもらってます!」の名乗りまで。
いわば「タマキングの定式」ももちろんたっぷりで、大笑いを誘ってました。

「エネルギー満タン」では、途中、ボスことkurosawadaisukeさんの「GO GO サマー」のサビの振り付けを盛り込んできて、場を大いに沸かせてました。あとで大介さん、「今日、どしたーすげーなー」と感心してましたね(笑)

でも、同じくらいたっぷりと、たかさん不在への想いとか、「TEPPEN」レコーディングの想いとか、歌に乗り切れない思いも言葉にしながら、真摯に歌っていました。


新しい歌だという「綺麗な涙」はその真摯さが形になったような、美しいバラード。グッと来る。
短編小説を朗読するかのような、言葉に音がついていききれていない、語りの強い「ゴング」から最後は私達観客の心とも強く重なる「魔法のうた」。最後まであんちゃんの世界観でぶんぶんと空気をかきまわす。
変かもしれないんだけど、あんちゃんのステージって、ロウリュみたいなんだよな…熱くてしんどいのにどこか気持ちいい。

笑いも凄いんだけど、あのくらい笑わせないと真摯すぎちゃうんだろーな、と思いもします。

 
 
 
松本耕平

 

 
 
化けて出てこいよ
bLather

風来坊

最果てにて

金魚
生きてるだけでえらい
 
 

最も若いのに先輩弟子なので長男坊の松本耕平くん、3番手に。「BROTHERS FLAG」の曲を中心に。


言葉の鋭さ。

あんちゃんも詩人なんだけど、耕平くんはより文学的詩人だと思う。さりとて、なんて、歌詞で使うの、なかなか勇気いると思う。

ダミ声で放つ繊細な言葉、空気を切り裂くようなハモニカ、アンバランス。



「化けて出てこいよ」のそのまま芝居にでもなりそうな歌詞。つんのめり気味に早口で歌う様子から、強い哀惜を感じる。続いてのバラード「bLather」と並んで、こちらの胸を強く掻き毟るような時間でした。


川崎で聴いて印象深かった「最果てにて」がまた聴けて嬉しかった。凄い曲だと思います。


最後の「生きてるだけでえらい」の連呼が、彼より遥かに長く生きて硬くなりがちな私の心の殻にヒビを入れました。
 
 

 
EASY  DIVERS

kurosawadaisuke   G.Vo.

麻生祥一郎 Dr.

ケンタコスゲ Ba.

Rose Key.

 

 
 
 
最高列車
俺たちのビーフ
EasyDIVER
ハコカラ
 
FLAGS(松本耕平)
MusicTrain(kumajiro)
変われ!(タマキング)

ストーリー
シャナナ

enc.
EasyDIVER

 
 
 
 

ラストは「ボス」こと、kurosawadaisukeさん率いるEASY DIVERS。

3度目!にして、新ネタばしばしでした。


前の3人のそれぞれの心情吐露のほうが強く残るサウンドとは少し異なり、歌詞の中に含まれた哀しみや苦しさの色合を音に昇華させた、洗練されたアレンジ。大人の音でした。


ロゼさんのオルガンの丸い音、すばらしかったな…。「ハコカラ」のあちょーさんのシンバルの音がすごく耳に残ったし、ケンタさんのベースのここってときにバシッと決めてあとは余計なことしない、的な削ぎ落とされたクールさがカッコよかった。大介さんは楽しそうなことこのうえなかったです、ニッコニコ。


 
当たり前なんですが、お客さんのほとんどがダイビングレコード大好き勢なので、頭の「最高列車」からもうノリノリです。
後ろで立って踊る勢も多数(俺もー!)。
リンコロの音、にゃろっぷさんのPA、リズム隊がすごくよく響く分厚い音で、ほんと気持ちよかったです。ノシノシしてた。

 
「俺たちのビーフ」はもう、Roseさんのオルガンなしじゃ物足りないかも…!! レゲエアレンジ、めちゃくちゃ気持ちいいです。

  
「俺たちのビーフ」の歌詞に、バーベキューネタを折り込みまくってた大介さんです(笑)

 
「EasyDIVER」のベースライン、すごーーいうねりまくっててかっこいいーー!(語彙力なし)



あちょーさんのドラムは大好きなのでどこがどうとかもう言えない。めっちゃボディに来る。最高です!

 
「ハコカラ」はリハでやって、せっかくだから、と今回やってくれることになったみたいで、大介さんは緊張する、どうだろう?って言ってたんですが、Roseさんのオルガンが強い哀愁を加えていて、とても染みるアレンジでした。
あちょーさんのシンバルがまたその哀愁を強めててねえ…。
大介さんのギターソロも美しかった。

 
 

中盤にベースに「セロリーマン」こと神馬さん、ギターにマロンさんを迎えてのダイビングレコードメンバーズにそれぞれ一曲ずつ歌ってもらう企画がめちゃくちゃ楽しかった。


まずは、耕平くんの「FLAGS」。
バンドで歌うのは珍しいのかな…ちょっと気恥ずかしそうに立ってましたが…いやあれか、ボス達のEDギャグに引いてたのかな…(笑)
耕平くんは、ボスの話の盛りに厳しい。細かくダメ出ししまくってました(笑)
 
 
マロンさんがメインギター。間奏のギターソロ、めちゃくちゃかっちょえかった。


ザリザリした声がリンコロのハードな空間に合ってて素敵だった。
あちょーさんのアグレッシヴなドラムに曲のテンションがどんどんどんどん高くなって、そこに、耕平くんの「旗!」の声。めっちゃアガりました。爆音、楽しいー!

 

続いては末っ子、kumajiroさん。
この方、一番、ボスに弱い(笑)
オペラやれって無茶振りされて(絶対、喉のコンディション、オペラと弾き語りとで違うと思うんだよなあ)、ええ!?となりつつもオー・ソレ・ミオを一節。
(後ろで次男坊、ギャー!ってうるさかった・笑)

どうかいつまでもボスの無茶振りに弱い人でいてください(笑)


 
曲は「MUSIC TRAIN」。
大介さんが、ちょこちょこ合いの手入れてたけど(笑)みんなで、わーっと手を振りながら楽しかった。サビ前からサビにかけて、ゴスペルみたいで、音の広がりが強くて気持ちよかったなあ。
Roseさんのオルガンがとても素敵でした。

 
ラストはあんちゃん。
さすがの元バンドフロント、ハンドマイクの慣れ具合。華がありました。
くまさんじゃないのに、オペラやれって大介さんに言われて「千の風になって」。

「私のお墓の前で滑らないでくださいーーー」

それが滑ってる気がする、あんちゃん…(笑)でもパッとやれちゃうとこはさすがでした。

客席からのあんちゃんコールに紛れて、横から「ロゼ!」って言われて、ほんとあんちゃん困ってた。大介さんの無茶振りって斜め上から来ますよね…皆さん大変ですね…(笑)

 
曲は「変われ!」。
あんちゃんから、ベースはケンタさんに戻って。
 
 
 
再び、バンドだけに戻って「ストーリー」。
もともとかっこいい曲ですが、このバンドにかかったらカッコいい✕∞です。
間奏のあちょーさんのドラムソロからの大介さんのギターソロの流れ、痺れた!
そしてラストはもうみんな踊れー!の「シャナナ」の怒涛! 熱狂!!

アンコールの前にお腹すいたでしょ?って聴かれたけど、アドレナリン出てたから実はそうでもなかったのでありました。
 
 
 


 アンコールの「EasyDIVER」では、レーベルメイトの3人がダンスに登場。
なんだかんだどうにかするあんちゃんに、嫌そうについていく耕平くんに、離れてたのもあって途方に暮れてたくまさんに、ずっと笑わされてそこまでの記憶がほぼ飛びました(笑)

あぁ楽しかったーー!
ダイビングレコード、最強ーー!!

 




 

終演後はバーベキューへ。4時間くらい焼いたり食べたりまったりしたりでしたね。
バーベキューも楽しかったーけどまあ、レポするようなことでもないかな…興味のある方はこちらからどぞ。

 

あまりに楽しすぎて、1週間以上経ってもまだ思い出すとニコニコしちゃいますが(笑)大介さんがまたやるよー!と言ってくれてるので、今回来られなかった方もぜひ次回は賑々しくご参集くださいませー!