せっかくの休日なのに、昼から少量の雨に見舞われている今日。
しかし、この程度の雨ならば、普段と同じまではいかなくても、ある程度の人が出かけているだろう。
きっとレストランやお食事処は雨宿りも兼ねた人たちで溢れかえっているはずだ。
それと私の店の混雑具合は反比例しているようで、この時間帯はまるで客足がない。
軽い食事なら提供しているのだが、どうも売れ行きが良くない。
どれも決してあまり悪くはないと思う。
しかしそれは同時にあまり良くもないということで、結局は少し料理が上手い主婦くらいの味なのだ。
わざわざ喫茶店にその程度のものを食べに来る物好きはいない。
中古品店で買った古びた時計が、午後六時の訪れを重低音で知らせる。
もっとも、私には開店から五年の歳月が経ったことを知らせているように聞こえるのだが。
夢と気合いに満ちていた二十代を駆け抜けて、気づけば既に三十五歳。
三十の時に、念願叶って自分の喫茶店を出したはいいものの、大きな軌道にも乗らず、かといって経営に苦しむわけでもなく、微妙な営業を毎日続けている。
始めたての頃は、別に生活できるくらいならそれでいいと思っていたのに、今は何故か妙な欠乏感に日々襲われている。
別にネットで星をつけてもらいたいわけでも、雑誌で紹介して欲しいわけでもない。
しかし、その欠乏感は日に日に大きくなるばかりで、最近は胸にポッカリと穴が開いてしまったような気すらする。
実を言うとその原因に、うすうす気づいているのだが、気づいたところでどうしようもないものなので、ただ目を必死に逸し続け、忘れようとすることしか未だにできていない。
全ては彼女が悪いのだ。
そう、彼女が。
私はこの店を開いてしばらく経ったある日、一人の女性がここへ訪れた。
後書き
のんびりとまたシリーズ的なものを書いていきます。
更新ペースはそれこそカメになると思います、、、
ご了承ください。
色々なことがわかるようになり、少し大人になった気分です。
将来の目標も明確に定まりました。
これからも頑張っていきます。