学生とカメののんびり小説投稿。 -13ページ目

学生とカメののんびり小説投稿。

将来兼業作家を志すとある学生のブログです。
短編と連作短編集を主に投稿していきます。長編にも挑戦するかもしれません。そして、釣りの話が混ざることがあります。
スローペースな投稿になりますが、良ければよんでください!

僕の真っ直ぐ前に向けた視線に、二人が応えてくれたのは、三分ほど経った後だった。


冷房の音に掻き消されそうになる声で、慎三さんがゆっくりと話し始めた。


......まず、最初に知っておいてほしいことがある。娘は私たちの子じゃないんだよ」


息を吐くように自然に流されたその言葉は、すんなりと胸に入ってきた。消化できるかどうかは別として。


「あの子はね、私の姉の子なんだ。私の姉は病弱でね。あの子を産んで間も無く、亡くなってしまったんだ。このことはあの子は知らない。言ってないからね」


「どうして、言わないんですか?」

そう僕が聞くと、慎三さんは顔を俯けた。蛍子さんが慎三さんの背を押すように手を置いた。二人の間で、声ではない言葉が紡がれていた。


また風が一つ通り過ぎるくらいの時間が過ぎ、そして慎三さんは再び口を開いた。


「結論から言うとね、私が悪いのさ。母を亡くしたあの子を育てるのは、もちろん父親だった。でもその父親が良くなかった。姉と交際してる時も、何度も不倫するような人だったんだよ。満足な食事も与えず、暴力は当たり前。私は、実を言うとそれを知っていた。でも、知っていても手を差し伸べられなかったんだ。自分でも嫌になるような弱い人間さ」


慎三さんがか細い笑みを見せる。目の奥は悲しみに蝕まれているように真っ黒だった。


「あの子が七歳になるとき。父親はどこかへふっと消えてしまった。そのときになって、ようやく私はあの子のために行動を起こせたんだ。と言っても、子供がいない自分の家庭に引き取って育てるだけだがね。社会的に普通の生活をさせてやる以外に、あの子のために、してあげられたことと言ったら、してあげられたことと言ったら......


そこまで口に出すと、慎三さんは天を仰いで、そのまま下を向き、動かなくなってしまった。机には水たまりができて、脈打つように段々と一定のリズム広がっていた。


彼に代わって、蛍子さんが話を繋ぐ。



続く






作者のコメント


さて、先日話していたショートストーリーですが、やはり公開したい想いが強く、この話の後釜としていっそのこと小説化してやろうと奮起しています。


もちろん、この作品を疎かにしてしまうのは作品や読んでくださっている皆さんにとても失礼なことであることは重々承知していますので、そのようなことがないようにしっかりとまずはこちらを完結します。


とはいえ、ほとんど終わりまで書けてしまっているのも事実。


細かな確認をいくつかして、物語を想うこともしばしば。


やはり自分で読み直してみると、書いてる時にはなかった発見が多いです。


例えば、私の作品は基本的に言葉の使い方があまり上手くありません。


語彙力の問題もあるのですが、同じ言葉を多用しているのが大きいかと。


辞書をもう一度愛読書とした方が良さそうです。


自己評価ではありますが、まだ私は「ストーリーキラー」を卒業できていないようです。



物語は実はもう半分以上過ぎています。


まだ終わってもないのに言うことではないのかもしれませんが、この物語で大切なのはどう終わるかではありません。


それを知ったうえで、これからの物語を読んで欲しいです。


では、失礼しました。