さて、ヴァティカン市国もこれが最後。やはり最後
にシスティーナ礼拝堂をご紹介しない訳にはいき
ません。
システィーナ礼拝堂は、ローマ教皇の公邸である
ヴァティカン宮殿にある 礼拝堂。サン・ピエトロ大
聖堂北隣に位置する その建物とともに、ミケラン
ジェロ、ボッティチェッリら ルネサンスを代表する
が術家が描いた名画は世界的に有名です。
特に、ローマ教皇ユリウス2世の注文で ミケラン
ジェロが 1508-12年にかけて描いた天井画と、ク
レメンス7世が注文し、パウルス3世が 完成を命
じた『最後の審判』(1535-42年)は ミケランジェロ
の絵画芸術の頂点とされています。
天井画のデザインの中心を構成するのが 『創世
記』に基く9つの場面。最初の3つが「天地創造」、
次の3つは「アダムとエヴァ」、最後の3つが「ノア
の箱舟」です。
そして 祭壇の壁面には、『最後の審判』のフレス
コ画。中央には再臨したイエス・キリスト、左側に
は 天国へと昇天していく人々が、右側には 地獄
へと堕ちていく人々が描写されています。
右下の水面に浮かんだ舟上で、亡者に向かって
櫂を振りかざしているのは冥府の渡し守 カロン。
この舟に乗せられた者は、地獄へと送られます。
ミケランジェロは、この地獄風景を描くのにダンテ
の『神曲』地獄篇のイメージを借りたそうです。
さて、ヴァティカン美術館、サン・ピエトロ大聖堂、
システィーナ礼拝堂と観てきました。最後はサン・
ピエトロ広場です。広場は、大聖堂の正面にあり
ます。ベルニーニの設計により、1656-67年に建
設されました。
ベルニーニは広場を、幅240メートルもある巨大
な楕円形として、完成させます。広場を取り囲ん
でいるのは4列に並べられた合計372本の石柱。
柱の上には140体もの聖人像が広場に集まった
人々を見守るように立ち並んでいます。
さらに、世界中から集まるカトリック信者たちの
ことを思い、長い巡礼の終着点としてこの場所
を、信者たちを 包み込むような デザインにしま
した。 サン・ピエトロは“母のように 両腕を広げ
受け入れる”のです。
これでヴァティカンは終了です。次は、いよいよ
ラストの地“永遠の都”ローマです。