『ルーベンス展』で訪れた国立西洋美術館、こちら
は常設展示の方も魅力的です。それに、特別展示
の鑑賞券があれば…常設展は 無料で観られるん
ですって 意外と、皆さん知らないですよね
オーギュスト・ロダン 《地獄の門》 1930-33年頃
まず入り口には オーギュスト・ロダンの彫刻《地獄
の門》があります。ダンテの叙事詩『新曲』の中の
一場面。有名な《考える人》は、この門を構成する
パーツの一つです。門の上部に、俯いている男が
いるでしょう👆
設計者ル・コルビュジエの基本コンセプトは、ピロ
ティー(柱)、骨組みと壁の分離、自由な平面、自
由な立面、屋上庭園にあります。外部からの、明
かり注す展示室は、とても素敵ですね。
アンドレア・デル・サルト 《聖母子》 1516年頃
そして常設展示とは思えない豪華な絵画の数々。
まず、14~16世紀のルネサンス期宗教画のコー
ナー。アンドレア・デル・サルトの《聖母子》は、外
せない一品です。
ボニファーチョ・ヴェロネーゼ 《聖家族、トビアスと大天使、聖ドロテアと幼い洗礼者聖ヨハネ》
常設展示は、ちゃんと時系列の順番になっている
ので、始めは宗教画のコーナーが続きます。 こ
の作品は 詳しい制作年は不明ですが、16世紀半
ばといわれています。
おっ、だんだんとメインイベントに近づいてきました
ね。 国立西洋美術館が誇るフェルメールの作品
《聖プラクセディス》この展示は 所有者からの寄託
を受けてのものだそうです。 (この作品だけは、写真撮
影NGなので、下記の写真は模写版です)
ヨハネス・フェルメールに帰属 《聖プラクセディス》 1655年頃
時代は18世紀。絵画の作風も、バロック調からロ
ココ調に移行します。 ジャン=マルク・ナティエは、
ニコラ・ド・ラルジリエールの影響を受け、宮廷の
貴婦人を神話の中の人物の姿を借りて描く とい
うフォンテーヌブロー派の伝統を復活させました。
ジャン=マルク・ナティエ 《マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像》 1739年
19世紀は印象派の時代。ルーブル美術館所蔵の
ドラクロワ作品《アルジェの女たち》に刺激を受け、
ルノワールは この作品を描きました。当時 ルノワ
ールは、このロマン派の画家の作品を模写してお
り、鮮やかな色彩効果と劇的表現を学びました。
ピエール=オーギュスト・ルノワール 《アルジェリア風のパリの女たち(ハーレム)》 1872年
エドゥアール・マネの作品からは、《ブラン氏の肖像
》。それまでの理想化された主題や造形を追求する
アカデミズム絵画とは 一線を画した作風は、パリの
サロンでは当初、評判が悪かったそうです。
エドゥアール・マネ 《ブラン氏の肖像》 1879年
エドガー・ドガは、踊り子をモチーフにした作家で
す。この《舞台袖の3人の踊り子》は、2017年から
西洋美術館に展示されています。国立美術館が
所有する、ドガの初油彩画作品だそうですよ。
エドガー・ドガ 《舞台袖の3人の踊り子》 1880-85年
クロード・モネといえば、印象派の代名詞。西洋美
術館には、《睡蓮》《並木道》《舟遊び》《積みわら》
など、17もの作品が所蔵されています。今回は そ
の中から、《舟遊び》を掲載します
クロード・モネ 《舟遊び》 1887年
ラストは、20世紀絵画になります。 道化師を題材
とした作品《リュリュ》《道化師》はその代表作。黒
く骨太に描かれた輪郭線に、10代でステンドグラ
ス職人に弟子入りした影響が見られます。
ジョルジュ・ルオー 《リュリュ(道化の顔)》 1952年 / 《道化師》 1937-38年