“王の画家にして、画家の王” 『ルーベンス展 ― バロックの誕生』 | きまぐれWalker2

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それ以前はYahoo!ブログでやっておりました
気づけば17年、時間だけは長くやってますな

「パトラッシュ、ぼくは見たんだよ。いちばん見たかっ
たルーベンスの2枚の絵を。だからぼくは今すごく幸せ
なんだよ…」。名作アニメ、「フランダースの犬」のラ
ストシーン。
 
《キリストの降架》 1611-14年 アントワープ聖母大聖堂所蔵イメージ 1
 
主人公の少年ネロは、こうつぶやいて、愛犬パトラッシ
ュとともに永遠の眠りにつく。この絵が、バロック芸術
の巨匠ルーベンスの『キリストの降架』。アントワープ
聖母大聖堂にある縦4m21cm、横3m11cmの大作。
 
イメージ 2
 
“王の画家にして、画家の王” と称されるその巨匠ル
ーベンスの作品40点が終結した最大規模の『ルーベ
ンス展』が 今、上野の国立西洋美術館で開催されて
います。
 
《自画像》1623年以降/《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》1615-16年イメージ 10
 
17世紀 ヨーロッパを代表する バロックの巨匠、ペーテ
ル・パウル・ルーベンス(1577-1640)。イタリアで、
古代美術と同時代の美術を吸収し、 大工房を構えて壮麗
な絵画を量産しました。
 
《エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち》リヒテンシュタイン侯爵家コレクション
イメージ 3
 
その中より、ルーベンス作品 40点が 10ヵ国より集合。
過去最大規模のルーベンス展です。会場は、上野の国
立西洋美術館。 建物自体が、世界遺産に 登録されてい
る芸術作品です。
 
《聖アンデレの殉教》 1638-39年 カルロス・デ・アンベレス財団イメージ 8
 
オープニングは、自画像と自らの娘を描いた《クララ・
セレーナ・ルーベンスの肖像》からスタート!! そして、
ポスターや チラシになっている 今回のモチーフは《エ
リクトニオスを発見するケロプスの娘たち》。
 
《セネカの死》プラド美術館/《偽セネカ像のヘルメ柱》カピトリーノ美術館イメージ 9
 
時はカトリックとプロテスタントが 真っ向から対立して
いた17世紀。この時代、カトリックでは分かりやすい宗
教画が求められた結果、ダイナミックな バロック絵画が
成立しました。
 
《パエトンの墜落》 1604-05年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
イメージ 4
 
豊かな想像力で神話画を描いたルーベンス。 ヘラクレス
を男性ヌードの模範としました。《ヘスペリデスの園の
ヘラクレス》は著名な古代彫刻《ファルネーゼのヘラク
レス》を絵画化した作品です。
 
《「噂」に耳を傾けるデイアネイラ》《ヘスペリデスの園のヘラクレス》1638年
イメージ 5
 
男性美がヘラクレスなら、女性美はヴィーナス。女性
を描く際には、古代彫刻のヴィーナスを研究していま
す。《スザンナと長老たち》は旧約聖書のダニエル書
に入っている短編の一つです。
 
《スザンナと長老たち》 1606-07年 ボルゲーゼ美術館イメージ 6
 
軍神マルスが愛したのは、かまどの女神ウェスタの神
殿に使える巫女レア・シルヴィア。この時宿した双子
が後にローマの建国者になったと言われる神話を再現
したのが《マルスとレア・シルヴィア》。
 
《マルスとレア・シルヴィア》1616-17年リヒテンシュタイン侯爵家コレクション
イメージ 7
 
とにかく、総点数70点のうち、ペーテル・パウル・
ルーベンスの作品が40点!!と分厚い内容の展示とな
っています。期間は来年の1月20日までDASH!