和田 竜 『小太郎の左腕』 (小学館) 1,620円
[作品紹介]
時は1556年、戦国の大名がいまだ未成熟の時代。 勢力図
を拡大し続ける戸沢家・林半右衛門、児玉家・花房喜兵衛、
の両雄にとって、開戦はもはや避けられない状態にあった。
そんな中、 左構えの鉄砲で絶人の才を発揮する11歳の少
年・雑賀小太郎の存在が「最終兵器」として急浮上する-。
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なかった和田竜作品ですが、この『小太郎の左腕』は結構
面白かったですやはり、主役が何でも出来ちゃう万能達
人というより、どこか “ヌケている” 人物の方が魅力があり
ますよね
また、クライマックスの “水攻め” を際立たせるために、冒
終始した『忍びの国』。 しかし 本作では、冒頭からのノンス
トップ・サスペンスが繰り広げられます。 しかも、配役は“阿
呆”と蔑まれる小太郎。それを巡る林半右衛門、花房喜兵
衛の強いこと、潔いこと、格好いいこと
こういう脇の“飛車角”がしっかりしていれば、なおさら主役
が引き立ちます それに 小太郎の出身である【雑賀衆】
というのが初耳でした。 伊賀や、甲賀のような忍者かな
と思いましたが…どうも違うようです。答えは、鉄砲を駆使
した傭兵集団。 こういう輩がいっぱいいるのが、戦国時代
なんですかねぇ~