『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』など、精神科医・伊良部シリ
ーズなどで知られる、奥田英朗の吉川英治文学賞受賞作『オ
ドラマ化。 原作では犯人・島崎国男視点で描かれていた物語
を、刑事・落合昌夫視点の物語に脚本を書き変えている。
1964年夏、東京オリンピック開催を間近に控えた東京で、2件
の爆発事件が立て続けに発生した。 事件が起こったのは、東
京オリンピック警備の最高責任者である 須賀幕僚長の私邸、
そして中野にある警察学校。だが これらの事件は発生するや
いなや、なぜか箝口令が敷かれる。 極秘裏に捜査をそ進める
警視庁捜査一課の刑事・落合昌夫は、一人の東大大学院生・
島崎に注目し始める…。
2020年の東京オリンピック開催が決定した今年、今から49年
前の1964年のオリンピック当時の物語です。 日本はこの五輪
のために 東海道新幹線、 首都高速道路、 東京モノレール、国
立競技場…全てのものを準備しました。 その東京のために地
方の出稼ぎ労働者などが“使い捨て”されたというのが物語の
根底にあるのです。このインフラ整備のために、工事現場の加
重労働などで事故死したのは、300人とも言われています。
その地方と中央、貧富の格差が物語の根幹となっているので、
刑事の側を主人公に据えたのは失敗だったのかもしれません
ね…。原作にあったピリピリとするような緊張感と、切迫感がド
ラマでは薄れていたように感じました。 竹野内豐と松山ケンイ
チのダブル主演。その2人以外にも、小澤征悦、斎藤工、大杉
漣、 沢村一樹、 岸部一徳、 黒木メイサ、速水もこみち、桐谷健
太、笹野高史、柄本明など、超豪華キャストがもったいない
「オリンピックの身代金 ~1964年・夏~」(2013年11月30日・12月1日)
監督 藤田明二
脚本 東本陽七、藤田淳志
原作 奥田英朗 『オリンピックの身代金』 (角川書店)
音楽 沢田 完
出演 竹之内豐 (落合昌夫)
松山ケンイチ(島崎国男)
黒木メイサ (落合有美)
小澤征悦 (仁井 薫)
斎藤 工 (岩村 傑)
速水もこみち(須賀 忠)
桐谷健太 (藪谷 潔)
吹石一恵 (落合晴美)
笹野高史 (村田留吉)
柄本 明 (山田晋一)
大杉 漣 (田中正治)
沢村一樹 (玉利 実)
岸辺一徳 (須賀修一郎)