巨星墜つ!「一枚のハガキ」(2010年) | きまぐれWalker2

きまぐれWalker2

2019年より Amebaブログにやってきました
それ以前はYahoo!ブログでやっておりました
気づけば17年、時間だけは長くやってますな

イメージ 1
 
日本映画界現役最高齢の新藤兼人監督が、 “映画人生最後の
作品”との思いを込めて撮り上げた感動の反戦映画。 32歳で招
集され、同じ部隊の兵士100人のうち、終戦を迎えたのはたった
6人のみという監督自身の過酷な戦争体験を基に、戦争の不条
理に翻弄される市井の人々の無念と再生への道のりを、ユーモ
アを交えつつ 力強い筆致で描き出していく。 主演は豊川悦司と
大竹しのぶ、共演に六平直政、大杉漣。
 
戦争末期に招集された100人の中年兵たち。誰がどの戦地に向
かうかは、上官がクジを引いて決めていた。しかし戦地への赴任
は、そのまま死を意味していた。 そんなクジ引きが行われた夜、
松山啓太は、仲間の兵士・森川定造から妻・友子が送って寄こし
“一枚のハガキ” を手渡される。 フィリピンへの赴任が決まり、
死を覚悟する定造。 検閲が厳しく返事を出せないことから宝塚
への赴任が決また啓太に、もし生き残ったら友子にハガキを読
んだと伝えてくれと依頼する。戦争が終わり、生き残った啓太は
定造から託されたハガキを手に、友子のもとを訪ねるが…。
 
イメージ 2
 
日本映画の巨匠にして最高齢監督の新藤兼人さんが5月29日
100歳で亡くなりました。その新藤監督が 99歳だった昨年8月
に公開され、 遺作となった「一枚のハガキ」を観ました。 正直、こ
れまで「午後の遺言状」「生きたい」など、作品は知っていました
が、新藤監督作を観るのは初めてです。冒頭にも書いた 彼本人
の強烈な戦争体験が故に、 終始一貫として、 反戦映画を撮り続
けた監督だったのですね。
 
特に、主人公の森川友子の人生は過酷です。 戦争で夫に先立
たれ、その嫁ぎ先の老夫婦を守るため夫の弟と再婚。また、その
弟も戦死して、義父は突然死、義母は自殺する…。 ここまででは
ないにしろ戦争によって悲劇をむかえた家族はたくさんいたので
しょう。それに対し、もう一人の主人公・松山啓太の人生はコミカ
ルに描かれています。 戦争中に、実父に妻を寝取られるのです
から…。
 
イメージ 3
 
周囲の人物描写もコミカルタッチがお得意な新藤監督。 大杉漣、
津川雅彦、川上麻衣子…などが脇を固めています。 ただ、 この
“新節” の醍醐味を理解する前にお亡くなりになたのは、
に残念としか言えません。 心より ご冥福をお祈り申し上げます。
 
 
「一枚のハガキ」(2010年)
監督 新藤兼人
製作 新藤次郎、渡辺利三、宮永大輔
原作 新藤兼人
脚本 新藤兼人
撮影 林 雅彦
出演 豊川悦司   (松山啓太)
    大竹しのぶ  (森川友子)
    六平直政  (森川定造)
    柄本 明   (森川勇吉)
    倍賞美津子 (森川チヨ)
    大地泰仁   (森川三平)
    川上麻衣子 (松山美江)
    津川雅彦   (松山利ヱ門)
    大杉 漣    (泉屋吉五郎)
 
イメージ 4