海堂 尊 『マドンナ・ヴェルデ』 新潮社 1,575円
[ストーリー]
「ママは余計なこと考えないで、 無事に赤ちゃんを産んでく
れればいいの!」平凡な主婦みどりは、一人娘で産科医の
曾根崎理恵から 驚くべき話を告げられる。 子宮を失う理恵
のため、代理母として子どもを宿してほしいというのだ。 50
代、33年ぶりの妊娠…。 お腹にいるのは実の孫。 奇妙な
状況を受け入れたみどりの胸にやがて疑念が生まれる…。
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これは、“クール・ウィッチ”こと曾根崎理恵が、人工授精に
よって双子を授かった話『ジーン・ワルツ』を理恵の母親
であり、代理出産を行った山咲みどり側から見た“もう一つ
の『ジーン・ワルツ』”ですなぁ~ しかも、その双子が
何故、 父親・母親に分かれて引き取られていったのか 双
子の父親(=精子提供者)の秘密など、『ジーン』では謎に
包まれていた部分が、氷解されます
そして今回は、 まさに“理性”と“母性”の対決 の様相を呈し
てきますね…。 理恵によって、全て周到に準備された「計
画人工授精+代理母出産」に、“母性の人”みどりは対抗
できるのか ここら辺が 読みどころとなります この状況
を、 マリアクリニック院長の三枝茉莉亜と、 妊婦・青井
ユミが助けるんだけど、ラストはこれで良かったのかな…