伊坂幸太郎 『重力ピエロ』 | きまぐれWalker2

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伊坂幸太郎 『重力ピエロ』 新潮文庫 660円

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[ストーリー]
兄は泉水、二つ下の弟は春、優しい父、美しい母。家族には、過去
に辛い出来事があった。その記憶を抱えて兄弟が大人になった頃、
事件は始まる。連続放火と、火事を予見するような謎のグラフィティ
アートの出現。そして、そのグラフィティアートと遺伝子のルールの
奇妙なリンク。謎解きに乗り出した兄が遂に直面する“圧倒的な真
実”とは―。溢れくる未知の感動、小説の奇跡が今ここに。

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実は、初伊坂幸太郎でした。 読んでみて分かったのですが、この
作家は 『陽気なギャングが地球を回す』、『アヒルと鴨のコインロッ
カー』などその作品が続々と映画化されている人気作家なんです
ねぇ! この『重力ピエロ』も、加瀬亮主演で今年5月の公開予定。
この後も『フィッシュストーリー』、『ラッシュライフ』とこの勢いは当
分納まりそうもありません^^

このように映画化作品が多いのも、作家本人が元々映画にかなり
影響を受けていることからだと思われます。しばしば作品中で、尊
敬する映画監督のひとりであるジャン=リュック・ゴダールの作品
について登場人物が言及している部分があります。 また、 特にこ
の作品では、DNA(遺伝子)、家族、贖罪、などがテーマなだけに
単に謎解きに留まらない奥行きが感じられます。

巻末の解説で「伊坂幸太郎の文章は、一風変わったキャラクター、
洗練されたユーモア溢れるスタイリッシュな構成…などと評される
が、この作品に限っては、切なく哀しいけれど、人間愛に溢れた作
品」とコメントしていたことに、大きく頷く私でした♪