22日の金曜ロードショーで「たそがれ清兵衛」を見ました。これで見るのは2度目ですが、やっぱり良いですねー!
藤沢周平の短編時代小説3作をもとに、山田洋次監督が映画化。「男はつらいよ」シリーズなどを手掛けてきた山田監督が初めて撮った本格時代劇です。幕末に生きた下級武士とその家族の姿が徹底したリアリズムの中に叙情溢れるタッチで描かれています。
それにしても、真田広之と宮沢りえの名演技は心に染み入りました。立ち回りシーンも良いのですが、何気ない食事のシーンなどが、丹念に描かれていてとてもいい出来です。真田広之の出演作品では「ラストサムライ」も良かったですが、やはり時代劇は日本映画の方がしっくりときますね!
真田・宮沢だけではなく、子役の2人は可愛らしいし、敵役(善右衛門)を演じる田中泯(舞踊家だそうです)も迫真の演技、大杉漣、丹波哲郎など豪華俳優陣もちょこっと出演していて、それぞれ良い味を出しています。その他にも音楽:冨田勲、主題歌:井上陽水などの奇才が結集されています。
2002年度の日本アカデミー賞13部門(助演女優以外はほとんど!)に輝き、「トワイライトサムライ」の題名で本家アメリカのアカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされましたが、惜しくも最優秀賞の受賞は逃しました。
いつの日か日本映画がアカデミー賞最優秀作品賞を取る日が来るでしょうか?まずは日本語による「硫黄島からの手紙」に期待しましょう。
「たそがれ清兵衛」(2002年)
監督 山田洋次
脚本 山田洋次、朝間義隆
原作 藤沢周平『たそがれ清兵衛』『竹光始末』『祝い人助八』
音楽 冨田 勲
出演 真田広之(井口清兵衛)
宮沢りえ(飯沼朋江)
小林稔侍(久坂長兵衛)
大杉 漣(甲田豊太郎)
吹越 満(飯沼倫之丞)
田中 泯(余五善右衛門)
丹波哲郎(井口藤左衛門)