あらすじ
雨の日だけに発生する猟奇殺人事件。死体を見せることにこだわる犯人・カエル男は、自分をアーティストと呼び、犯行現場には必ず謎のメモを残す。連続する事件の関連性に気付いた刑事・沢村と部下の西野が、捜査を進めると、驚愕の次のターゲットが浮かび上がる。カエル男の罠にはまり、逆に追い詰められていく沢村。謎の“私刑”執行アーティスト・カエル男は一体誰なのか?その本当の目的とは?そして、沢村が絶望の密室(ミュージアム)で見たものとは…!?(Amazonより)
一言感想
小栗って小栗
小栗さんって演技下手だと思うことはないんだけど、なんだか同じキャラに見えてくることが多い気がするなあ~うーん。と思いながら鑑賞。
けっこう面白かったです。邦画ホラー(スリラー?)で面白いなって思ったの久しぶりかも。
主人公の小栗は仕事人間の刑事。妻に愛想をつかされて息子を連れて家出されて消沈しているところに猟奇殺人。
被害者は生きたまま犬に食われていた。
現場に残ったメモには「ドッグフードの刑」
立て続けに、
「母の痛みを知りましょうの刑」
ニートの男が出生時の体重分、生きたまま肉を切り取られて殺害。
「均等の愛の刑」
愛人がいた男性が縦に真っ二つにされて、妻と愛人それぞれに送り届けられる。
というネジの飛んでいる殺人がおこります。現場は毎度雨でカッパを来た人物が目撃されるものの手がかりがなかなか出てこない…
しかしなんの接点もないと思われた被害者たちですが、全員が過去におこった「少女樹脂詰め殺人事件」の裁判で裁判員をしていたことがわかります。
ちなみに「少女樹脂詰め殺人事件」とは、誘拐された少女が透明の樹脂の中にかためられて自宅に送り届けられたというこれまた猟奇殺人事件。
犯人は被害者たちが裁判員を務めた裁判で死刑判決を受け、執行をまたずに自殺しています。
ここから小栗たち警察は残りの裁判員だった人たちを保護しに行くのですが、間に合わず。
「針千本飲ますの刑」
占い師に釘を大量に口に挿入して殺害。
「ずっと美しくの刑」
美容整形で若さをキープしてた女性を全裸で氷漬けにして殺害。
と、犯人の高速殺人になすすべなし。しかも被害者たちはあの事件の裁判員!とわかったんですけど家出している小栗の奥さんも裁判員だったんです。
「奥さんどこ!?」
「わからん…出ってって…」
職場に妻が家出をしたことを打ち明ける…つら……もちろん小栗の携帯に奥さんは出ません。
奥さんが失踪直前に連絡を取っていた、奥さんの友人宅へ向かう警察。
出てきた友人の彼氏は、友人はまだ近所の勤務先だと教えてくれます。
小栗は被害者と近すぎるということで捜査から外れるよう言われますが、シカト。友人の勤務先に警察より早く到着して友人に妻の所在を尋ねます。
しかし奥さんから仕事人間で家庭に構わなかった小栗の話を聞いていたであろう友人は、小栗に冷たい態度。
いや、さっさと奥さんが殺人鬼に狙われてるから居場所知ってたら教えてって言え……
ここで奥さんは主人公の知らぬ間に妊娠し、しかも流産していたことが発覚。何で知らないの!?サイテー!!とばかりな友人ですが、言われないと気が付かないことはあるような…
ここで警察も来て、奥さんが危ないのだとようやく理解した友人。自宅にいます…と告白。
しかし彼氏は曲者だなー騙された。という刑事に友人が、
「私…彼氏なんていません」
そう。友人宅で警察に応対した男性は犯人だったんです。え?顔見たんでは?って思うんですが、ここで警察が出会った男の服装とか髪型とか顔面が話題として一切出てこないんですよね。謎。
まあカツラだったんだけど、顔は…うーん。
犯人は小栗の妻と息子を衣装ケースに入れてお持ち帰り。子供はともかく成人女性の入る衣装ケースって相当デカくない?とか思いつつ…
小栗たちは友人宅につきますがすでにもぬけの殻。残されたメモには「お仕事見学の刑」
犯人の車をかろうじて見つけて追跡しますが、車横転小栗負傷。
犯人は逃げてしまいます。
捜査から外れなさいと言われる小栗ですが、家族の危機、待ってなどいられないとばかりに部下の西野に捜査資料など融通してもらって喫茶店でお話。
と、思ったら窓の外に普通に立ってる犯人。
パーカーのようなカッパに、顔にカエルのゴムの被り物をした変人です。普通に人が歩いてるところ移動してるし目立つんだが。目撃者たんまりですぐ捕まるだろ。というヤボなツッコミは置いといて…
小栗は犯人を追いかけますが、車道に不用意に出たため車に接触。西野が1人で追いかけ、小栗もそれを追いますがビルの屋上で腕を縛られて今にも突き落とされそうな西野と犯人を発見。
結構時間短かったと思うけど、ここまでなる?犯人つよ。
ここでの会話でなんでか犯人は小栗に執着しており、さらには少女樹脂詰め殺人の真犯人だったことが判明。裁判員たちが死刑にしたのは無実の男だったんです…
で、犯人は殺人を芸術作品の様に扱う変態なので、せっかくの傑作がどこの馬の骨ともしらない相手の成果(?)になったことに激怒。裁判員たちを殺すことにした。というのが今回の一連の事件。
西野を助けたい小栗ですが、雲が晴れて太陽が出てきた瞬間犯人は西野を支えていた手をあっさり離してしまいます。西野死亡。けっこう重要そうなキャラだと思ったので退場にびっくり。
妻と子を誘拐されたのだからと理解を示してくれる人もいる一方、小栗が西野を呼び出さなければ西野は死ななかっただろうという見方もあり、白い目で見られる小栗。小栗自身も慕ってくれていた後輩の死にショックを受けています。
警察に連れてかれる小栗ですが、逃亡に成功。現金50万を拳銃にかえて犯人を追います。
で、小栗の頭脳がさえわたるんですが、西野を殺すときに太陽が出て犯人が首を痒そうにしていたことを思い出します。犯行があるのはいつも雨の日、夜。
犯人は日光アレルギーなのではないか?という仮説にいきつきます。天才か?
そういった疾患のある患者の治療を行っていそうな病院を回りますが、空振りばかり。
しかし最後に尋ねた病院がビンゴ。重症の日光アレルギーの患者の詳細を教えろと女医に迫りますが「無理」と。当たり前だね。
ていうか何の捜査?警察手帳は?令状は?と聞かれて
「これが令状だあ!」
と女医に拳銃を突きつける。対する真顔のままの女医。つよい……
まあなんとか女医から患者の情報を聞けたらしい小栗は患者…ていうかビンゴで犯人なんですけど、犯人の家に向かいます。
犯人は幼い時に両親が細切れにされて殺された殺人の被害者。小栗は犯人の異常性に両親も犯人が殺したと確信します。まあそうなんだけど、この時の犯人が明らかに小学生くらいなんですよね。大人二人を細切れにするってすごい重労働だな…
犯人は重度の日光アレルギーで顔面が爛れててハゲてるんですけど(ハゲがアレルギー由来なのかは不明)…
カエルのかぶりものは日光遮断とかそういう面もあったんですね。ただ小栗の妻の友人宅で警察と対峙したときはカエルではなく人間の顔のかぶりものをしていた…のかな?それっぽいもの映ってるし。でもやぼだけど遠目でもなく真正面に居る人間の顔面がつくりものか見分け付かない事ある?ヤボつっこみだけど……
犯人のご両親は資産家だったので、大きな家に一人住んでいる。小栗は犯人宅に忍び込みます。家の中には被害者の写真がいっぱい。証拠だらけだな……
この犯人、顔面ボロボロなんで全くわからなかったんですが妻夫木聡さんらしいです。イケメンの無駄遣い。
猟奇的犯行はすごいのだけど、「これは芸術なんだ。ヒャーハハ!!」みたいなノリで…
すげー頭悪そう。
これまでも猟奇殺人犯しては逃れてきた感出してるんですけど、そんな高尚な頭脳が備わってるように見えないんですよね。キャラ軽いっていうか狂いっぷりが浅いっていうか。もうちょっと喋らないキャラとかでもよかったな…まあ漫画原作なのでね。キャラは原作基準なんでしょうが。
小栗はこれまでの負傷もあってか、犯人にのされて捕まります。犯人強いなー引きこもりつつ鍛えてたんだろうな……
地下室に閉じ込められた小栗。扉にはキー入力の鍵。バイオか。
室内には服装完全再現の妻と息子のマネキン。息子マネキンの手には「遊んで」と書かれたパズルの箱。
とりあえず出るには犯人の遊びに付き合うしかないと悟った小栗。パズルを組み立てますが、それが息子が描いていた家族三人のイラストだということに気が付きます。
これはこの前出かけた時と息子が描いていた時、「どこかでかけたっけ?」と首を傾げた小栗。その場面は3人でコンビニに行った時の光景でした。
息子の誕生日も忘れ、夜に帰宅した小栗。奥さんからどうせ忘れてただろうから、プレゼントニコ用意している、あとで渡してあげてと言われる小栗。
出ていく奥さんに「父親としては最低」と言われる小栗。
自分がどれだけ家族をないがしろにしていたか自覚して、小栗は悲嘆にくれます。
小栗が仕事人間だったのには理由があって、自分の父も刑事で仕事人間で母が死に目にも仕事で立ち会ってくれなかった。小栗は父を心底軽蔑してそれから一切会話をしませんでした。
が、父死亡。父は通り魔から母子をかばって刺されて死亡。通り魔が逃げないように自分と通り魔を手錠で繋いで、血まみれで倒れたままタバコ吸いつつ死にました。つよ。
小栗はここで父と話さなかったことを悔やんで、刑事になれば父と繋がれるのでは話せるのではと考えていた…とうことらしい。
感想:よくわからん理論だ
妻が第二子を妊娠していたものの、流産したことも知らなかった自分に後悔一塩な小栗。
でもお腹膨らんでもないかぎり言われないと旦那が妊娠に気が付くことほぼないと思うけどな。
小栗自体仕事に打ち込んでたし、家族を軽視はしている感じがあったけど確実に愛してるんですよね。奥さん。話し合いも必要よ。
ここで小栗に犯人からコーラとハンバーガーの差し入れ。最初は食べなかった小栗ですが、なぜか途中で数日なにも食べてませーん!みたいなノリでがっつく。
上の階では犯人が汚いキッチンでひき肉をつくりつつハンバーガーを手作り。
この肉…奥さんと息子?
わー!やな展開!うわー!と思ってたら、小栗が解いたパズルから浮かんだ言葉は「EAT」
食べる……
そして扉をあけて進んだ先の冷蔵庫の中には妻子の生首が……
って展開なんだけど、生首は犯人のつくりもので実はこの時点では妻子は生きてます。
違うのかよ…!!とまんまと騙された事に驚愕。一つ言い訳すると鑑賞前に見たレビューで「胸糞だった」と書いてたから妻と子の肉食べさせられるくらいあるなって確信してしまったんです…ほんと…
ここまでボコボコボロボロの小栗ですが、思い出してください。
犯人の殺したい標的って、小栗の妻なんです。働く旦那を見限って出て行った愚かな妻って事で断罪されてます。
小栗がここまで犯人のお気に入りなのは、小栗が「殺人」を犯していたから。
物理的な話じゃなくて、家庭を顧みずにじわじわと妻と子の心を殺して、「殺人」をおこなった。それがすごい!みたいな話らしいです。
すごいか?
割と普通にあるご家庭だと思うけどなあ……
まあ置いといて。だから犯人がしたいのは、お気にの小栗を使って妻を殺すこと。
「お仕事見学の刑」
妻子を殺されて怒り狂った小栗に、自分と同じ格好をさせた妻を撃ち殺させる。という刑です。手が込みすぎ~
しかも銃をよけながら逃げる犯人すごすぎ。蘭ねーちゃんかお前は。
まあ小栗はカエルのお面をかぶった妻をあっさりと見破ります。
目の前に犯人(とそっくりなカエルがいて)、しかしそれがさっき死んだと思った妻だと気が付くのすごない?冷静やな…
で、小栗を追う警察ですが小栗の使ったPCの検索結果から日光アレルギーの患者を追ってることを突き止め、小栗が情報を強奪した女医の元へ。
しかし女医は「その人は来たけど、その後は知らん」と……
警察が違和感感じて犯人両親の殺人を調べたら、犯人には姉がいたことが判明。事件後は医者の養女に。
そう、小栗が会った女医は犯人の姉でした。
この要素必要だった?って感じしますけどね。姉の立ち位置がイマイチわからなくて。
あとたぶん?原作では小栗って地下に数日は閉じ込められるのかな?
映画ではパズルを解読する数時間しか閉じ込められてないように見えるので、わざわざ怪しいハンバーガー食べるのは違和感がありましたね。うん。
息子を人質に取られ、自分を殺せば息子は助かる。殺してと叫ぶ妻とカエルに板挟みの小栗。
カエルと相打ちになりましたが、息子救出に成功。いいタイミングで警察到着。
犯人は逃げますが、外はいつの間にやら朝。アレルギーで皮膚が焼けて悶絶しながら犯人はノックアウト。
そのあと犯人は病院で意識不明だったんですが、姉が訪ねてきて殺しちゃいます。なんでや。
そもそも弟のこと隠してたし、捜査妨害で捕まってなきゃ変だと思うんだけど。
小栗は息子の運動会に駆けつけて、妻と共に息子を応援。家庭を大事にする父になったもよう。
しかし小栗のビデオに映る息子が、犯人と同じように首を痒そうにしていて……
という
意味不明エンド
でした。
いや、最後に息子が日光アレルギー発症してたとしてそれがなんなの?なんでそんな終わりに…?どうやら原作とは終わり方が微妙に違うらしいのですが、絶対この終わり方いらなかったな。と思いました。
姉の存在必要でした?とか色々つっこみどころはあるんですけど、けっこう普通に楽しめる映画でした。
グロさも嫌な殺され方してる遺体は出てくるけど、パッと出てくるだけで殺害シーンはほぼないし、グロ苦手でも大丈夫な気がする…たぶん。