今回から「実務上の知識及び能力」です。
5.実務上の知識及び能力
それでは問題に入ります。
問24です。
問題文を見てみましょう。
問 24 点呼の実施に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。
設問文を見てみましょう。
1.A営業所においては、運行管理者は、昼間のみの勤務体制となっている。このため、運行管理者が不在となる時間帯の点呼が当該営業所における点呼の総回数の 7割を超えていることから、その時間帯における点呼については、事業者が選任した複数の運行管理者の補助者に実施させている。しかしながら、運行管理者は、点呼を実施した当該補助者に対し、当該点呼の実施内容の報告を求める等十分な指導及び監督を行っている。
条文を見てみましょう。
運行管理者と補助者の点呼実行の割合について、「貨物自動車運送事業輸送安全規則の解釈及び運用について」の第7条第1項第8号の記載によりますと、
「第18条第3項の規定により補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合であっても、当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければならない。」
『補助者の業務』・・・運行管理者の指示を受けて運行管理業務のうち、点呼について、総回数のうち3分の2を超えない範囲で実施することができることになっています。
よってこの設問文は不適です。
2.いわゆるGマークの認定を受けていないA営業所の運行管理者は、所属する運転者が遠隔地にある自社のB営業所から運行を開始する場合は、当該運転者が所属していないB営業所の運行管理者に点呼を実施させている。その際、当該B営業所に備えられたアルコール検知器(国土交通大臣が告示で定めたもの。)を使用した酒気帯びの有無の確認など所定の事項をB営業所の運行管理者が実施し、その結果を、A営業所の運行管理者に連絡している。このため、連絡を受けたA営業所の運行管理者は、当該運転者から直接の報告をさせることなく点呼を実施したこととしている。
条文を見てみましょう。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
(点呼等)
第七条 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。
対面による点呼と同等の効果を有するものの要件に当てはまらない。
よってこの設問文は不適です。
設問文を見てみましょう。
3.乗務前の点呼において運転者の健康状態を的確に確認することができるようにするため、健康診断の結果等から異常の所見がある運転者又は就業上の措置を講じた運転者が一目で分かるように、個人のプライバシーに配慮しながら点呼記録表の運転者の氏名の横にマークを付与するなどして、これを点呼において活用している。
乗務前の点呼において運転者の健康状態を的確に確認することができるようにするため、健康診断の結果等から異常の所見がある運転者又は就業上の措置を講じた運転者が一目で分かるように目印をつけることは適切な方法です。
よってこの設問文は適です。
設問文を見てみましょう。
4.以前に自社の運転者が自動車運転免許証の停止の処分を受けているにも拘わらず、業務中の事業用自動車を運転していた事案が発覚したことがあったため、運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記した。運行管理者は、その後の乗務前の点呼の際は、法令によるもののほか、運転者全員に対し、事前に提出させた各自の自動車運転免許証のコピーによる確認を行い、その再発防止を図っている。
条文を見てみましょう。
貨物自動車運送事業輸送安全規則
(点呼等)
第七条 貨物自動車運送事業者は、事業用自動車の乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、次に掲げる事項について報告を求め、事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な指示をしなければならない。ただし、輸送の安全の確保に関する取組が優良であると認められる営業所において、貨物自動車運送事業者が点呼を行う場合にあっては、当該貨物自動車運送事業者は、対面による点呼と同等の効果を有するものとして国土交通大臣が定めた機器による点呼を行うことができる。
一 疾病、疲労、飲酒その他の理由により安全な運転をすることができないおそれの有無
二 道路運送車両法 (昭和二十六年法律第百八十五号)第四十七条の二第一項 及び第二項 の規定による点検の実施又はその確認
よって
運行管理規程に乗務前の点呼における実施事項として、自動車運転免許証の提示及び確認について明記することは適切ではない。
この設問文は不適です。
次に少し長いですが点呼の実施と記録について記載します。
何度も読みなおして頭に叩き込んでください。
ここに記載したポイントが試験に出題されます。
点 呼 の 実 施 及 び 記 録
●乗務前点呼
管理者は、乗務を開始しようとする運転者に対し、対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)により点呼を行い、次の各号について報告を求め、運行の安全を確保するため必要な指示をしなければならないものとする
乗務開始前点呼記録事項
① 点呼執行者名
② 運転者名
③ 運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
④ 点呼日時
⑤ 点呼方法
イ.アルコール検知器の使用の有無
ロ.対面でない場合は具体的な方法
⑥ 酒気帯びの有無
⑦ 運転者の疾病、疲労、の状況
⑧ 日常点検の状況
⑨ 指示事項
⑩ その他必要な事項
●乗務終了後点呼
管理者は、乗務を終了した運転者に対し、次の各号により対面(運行上やむを得ない場合は電話その他の方法)で乗務後の点呼を行うものとする。
乗務終了後点呼記録事項
① 点呼執行者名
② 運転者名
③ 運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
④ 点呼日時
⑤ 点呼方法
イ.アルコール検知器の使用の有無
ロ.対面でない場合は具体的な方法
⑥ 自動車、道路及び運行の状況
⑦ 交替運転者に対する通告
⑧ 酒気帯びの有無
⑨ その他必要な事項
●乗務途中点呼(中間点呼)
管理者は、乗務前及び乗務後に点呼のいずれも対面で行うことができない乗務を行う運転者に対し、当該点呼のほかに、当該乗務の途中において少なくとも1回電話その他の方法により点呼を行い、次の事項について報告を求め、車両の安全を確保するために必要な指示をしなければならないものとする
乗務途中点呼(中間点呼)記録事項
① 点呼執行者名
② 運転者名
③ 運転者の乗務に係る事業用自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等
④ 点呼日時
⑤ 点呼方法
イ.アルコール検知器の使用の有無
ロ.対面でない場合は具体的な方法
⑥ 酒気帯びの有無
⑦ 運転者の疾病、疲労、の状況
⑧ 指示事項
⑨ その他必要な事項
次の*参考の1から4までのポイントは何度か出題されました。
*参考
1「運行上やむを得ない場合」とは、遠隔地で乗務が開始又は終了するため、乗務前点呼又は乗務後点呼を当該運転者が所属する営業所において対面で実施できない場合等をいい、車庫と営業所が離れている場合又は早朝・深夜等において点呼執行者が営業所に出勤していない場合等は「運行上やむを得ない場合」に該当しない。
2「その他の方法」とは、携帯電話、業務無線等により運転者と直接対話できるものでなければならず、電子メール、FAX等一方的な連絡方法は、該当しない。
3「酒気帯びの有無」は、道路交通法施行令第44条の3に規定する血液中のアルコール濃度0.3 又は呼気中のアルコール濃度0.15 以上であるか否 mg/ml mg/lかは問わないものである。
4運行管理補助者を選任し、点呼の一部を行わせる場合であっても、当該営業所において選任されている運行管理者が行う点呼は、点呼を行うべき総回数の少なくとも3分の1以上でなければならない。