【A Course in Miracles】
歪みを取り除いた結果の概念(13)
闇からの救済者
佐藤篤代/西暦2020年

西暦2020年3月29日:日曜日投稿

【A Course in Miracles】
歪みを取り除いた結果の概念(13)
闇からの救済者
佐藤篤代/西暦2020年
①前置き
②『the savior from the dark』
③【A Course in Miracles】から引用した『the savior from the dark』概念

【①前置き】

【A Course in Miracles】に至るまでのこの個体:本物:佐藤篤代の軌跡、そして【A Course in Miracles】にもエゴの歪みがあったという気づきへの軌跡は『佐藤篤代の独自の提唱概念:前置き』と『【A Course in Miracles】歪みを取り除いた結果の概念:前置き/佐藤篤代』に書いてある。

佐藤篤代の独自の提唱概念:前置き

【A Course in Miracles】歪みを取り除いた結果の概念:前置き/佐藤篤代

~今回も省く~



②『the savior from the dark

【この領域】佐藤篤代の概念用語集(4)/西暦2020年

【A・Course・in・Miracles】で『聖霊』と歪められた【終わらせる為に作用する何か】の作用が、『【異世界】間漏れ作用』によりエゴに世界の作り直しを余儀なくさせて、作る世界の方向性を誘導して最後の世界に最後の結果として作らざるを得なくさせたのが、この領域(あるいは最後により近い世界)。だから、表れるすべては『知る手段』として、パズルのようになっている。エゴが各【異世界】段階で何をやろうとし作ったかが窺い知れるように象徴として表現されている。だからこそ、【異世界】の表れは、この領域の現実性に照らし合わされて『浮く』。この領域の世界構造や概念の現実性とはかけ離れすぎていて、ギャップが『浮き』過ぎるから、【異世界】の表れだと一目瞭然となる。 
だからこそ、『この領域』の事実ー最終結果はエゴに消すことなんかできやしない。いかに【異世界】段階で隠せたようにみえたとしても、エゴには『この領域』を消滅させることはできない。

だからこそ、いずれ、エゴが隠してきたすべては露となる。それは避けられない。
すべてが絶対に隠せなくなる。 

『この領域』は【終わらせる為に作用する何か】が『【異世界】間漏れ作用』により、エゴの作る世界の方向を誘導した果てに、世界のやり直しの末にエゴが不承不承否応なしに作らされた『エゴの欺きのすべてを露呈させる真相暴露ルート』。だからこそ、すべてが象徴的に表されている。すべては【知る手段】に過ぎないから。 


現在、【A Course in Miracles】で『the real world』概念に関して書いている最中だが、今回も、その合間に前置きとしてここに挿入したい概念があるから、まずはそちらを書いていく。
第8弾『the savior from the dark』。

【A Course in Miracles】歪みを取り除いた結果の概念:西暦2020年
(3)【A Course in Miracles】step back/佐藤篤代:歪除

小説『エイルン・ラストコード10巻』より引用
『ジンは聞かせ始めるーーーー物語に隠されていた……舞台裏の話を。

「永久にマリスを殺すウロボロスの空蝉。この世界の悪夢を終わらせるために遣わされたもの……朽ちず、果てない暴力機構」
そう、これは紫貴と葵だけがエイルンの口から知らされていた真実。
「願望表出型ネイバー・20番機【ナイトメア・ブレイカー】……まずはこの機体について説明しなくてはならない」』
『「20番機(ジャッジメント)は、平たく言えばキングを殺すために造られたネイバーだ」
アギトが言い、ジンが続ける。
「ワールドガードの起動には現存するマリスの殲滅が不可欠だ。しかし前回の戦闘で見た通り、アトメントを以てしてもキングを殺すことはできなかった。ボスザルをただ殺す。こんな馬鹿らしくなるほど単純な問題に俺らは長いこと頭を悩ませてきた」
キングは脅威に対抗できる能力を即時に発現させていく。それはコスモフィリアを解放させたエルフィーナを下し、限界突破したアトメントさえも地につけた。
この場にいるものたちはその目で、肌で、キングの脅威を覚えている。
「正攻法でアレを駆除することは不可能だと結論付けた俺たちは、奴と同じ土俵に立つことを指針に定めた」
ジンたちが着目したのはキングの持つ『人の恐怖感情を利用する性質』だった。
「長年に渡る試行錯誤の末、バースセブンⅡの鹵獲によって生まれたのがあの機体……人の思念を受信し、自己の戦闘モジュールを構築するネイバー、ナイトメア・ブレイカーだ」
成熟体のキングは人の恐怖感情を敏感に嗅ぎ取る。その恐怖を体現できるだけの力や事象を即座に体得してしまう。最終戦闘ではエイルンの恐怖を食い、アニメの主人公機、アヴァンアリスにその姿を変えて見せた。
「人の思念を……受信する?」
大和がジンの説明に引っ掛かりを覚える。その引っ掛かりは何故か……エイルンに繋がっている気がした。
(略)
「完成して問題に挙がったのは、人のもつ現実的思考だった。理論上は神にもなれるはずのナイトメア・ブレイカーは、入力した、どの戦闘モジュールにも成ることができなかったんだ」
「………………うん?」
山武が、分かっていないように首を傾げた。アギトが注釈を挟む。
「機体を思い通りにメイキングできるという意味だ。武器はこう、出力はこう、大きさはこうって。好きに設定を書き込んで入力すると、3Dプリンターみたいにその形を出力してくれる。審判(ジャッジメント)はそういう機体だと思ってくれていい」
山武は「なるほど」と零す。大地がおもしろくなさそうに山武を肘で小突いた。
「荒唐無稽でぶっ飛んだ構想になればなるほど、人は心底で思ってしまうのさ……『そんなものはありえない』と。一抹のそんな思考がナイトメア・ブレイカーの生誕を邪魔し続けたんだ」
言いながらジンは先ほど発言した山武の方を向く。
「江藤山武。おまえはスーパーマンを知っているか」
急に声を掛けられ、山武は警戒の色を浮かべながら「うす」と答える。
「マッハで空を飛び、目から光線をだし、息を吹けば突風となる。一人がいれば万事を解決させてしまう。無数のクリプトン星人さまだ。そんな存在、在るはずがないのに、どうして人々はそんなものを受け入れられる?」
山武は自分の顎髭をいじる。答えはすぐ浮かんできた。

「……だって、あれ映画じゃん。そういう設定でしょ?」

ジンは褒めるように山武を指差す。
「そう。人はある媒体を通すことでどんな存在でも納得を得ることができる」
「エンタメ作品……創作物か」
大和が得心のいったように零す。
「たとえ『惑星を叩きつける巨大ロボット』がいても『銀河を埋め尽くす怪獣相手に単機で無双する巨大ロボット』がいても『ロボット自体が銀河より大きくなってしまっても』……人はそれを受け入れことができる。だってアニメだから」
その単語が、茜に大きな波紋を呼んだ。
草原に一陣の風が広がったように……疑問が解答へと裏返る。真実が音を立てて繋がってゆき……茜は口元を手で隠した。
「そういう……こと?」
茜がまず気付いたと見て、紫貴は辛そうに顔を背ける。茜は表情を一変させた。
「ヤダ……そんなの嘘……え、ヤダよっ」
茜は身体を震わせ始める。その様子に気付いた何人もが眉を寄せた。
「お嬢?」
「茜ちゃん?」
大地と水久那が困惑の声をかける。茜は目に涙を溜め始めていた。

「じゃあすべて、私たちが見ていたのは……『幻』?」

「……幻?」
大和が怪訝そうに茜の言葉を反芻する。一方、ジンは頃合いと見たのか、一気に本質へと切り込んだ。立ち上がり、全員に手の甲を見せるように右手を上げる。
「ナイトメア・ブレイカーの起動条件は三つ!」
ジンは「一つ!」と人差し指を立てる。
「この機体は観測対象内にいる一五00名の恐怖感情を抽出し、マリスを殺すのに適した『記号(コード)』を選択する!それを指標にして自己の戦闘モジュールを構築させるんだ!」
ジンは次に中指を立てる。
「二つ!観測対象の中にナイトメア・ブレイカーの戦闘モジュールを知っているヘキサがいなくてはならない!つまり、ナイトメア・ブレイカーのデザインや設定を予め知っておく必要があるということ!」
これこそ、ジンたちが【ドール・ワルツ・レクイエム】というアニメをわざわざ用意し、この世界で放映させた理由。
「デザインや設定って……だってナイトメア・ブレイカーは実在する兵器なんですよね?あんまり現実離れしたものだと『ありえない』って思うから起動できなくて……アレ?よくわからなくなってきました」
「そう。実在する兵器という情報は伏せつつ、不特定多数の人間にナイトメア・ブレイカーについての情報を拡散させる」
茜は自分の腕を抱き「だからアニメじゃないと駄目だった」と低い声で言った。
「だからあなた方は、フィクション媒体である、アニメという手段を取った」
茜の口から出た『アニメ』という単語ーーその意味こそ、真っすぐ核心へと伸びていた。
「アニメって」
オルソンが零す。全員の頭に想起されたのはエイルン・バザットのいた世界が描かれる【ドール・ワルツ・レクイエム】。
ジンは薬指を上げ、合計三本の指を立てて見せた。
「最後!思念の検出量はネイバー適正値の高い者ほど多くなる。要はヘキサやネイバーフッドほど、その感情を検出されやすいという意味だ!」
「……ちょっと待て。たしか隊長さんが、現れたとき」
月下が言った。彼女が思い出したのはオペレーション・リミットブレイクのときのこと。
エイルンが天から降ってきたとき、セレンが起こした行動ーーー

《助けて、夏樹ぃいいいいいぃ!》

「まるで、セレン嬢ちゃんの叫びに応えるように……隊長さんは空から降ってきた」
月下の言葉を呼び水に、全員がそのときの光景を脳裏に蘇らせていた。
ジンは畳みかけるように情報を与える。
「恐怖感情の裏に潜む『救済への願望』を体現できる暴力装置を現出し!対象者のもとへと送り付ける!以後は『完全自律稼働でマリスの殲滅』を開始する!」
茜は声を震わせて呼びかける。
「みんな、思い出してください……エイルンさんが、この世界にやってきたときのこと」
エイルンがこの世界に現れたのは二回。その二回の中には確かな共通点が二つあった。
一つは大規模な【CAT(Clear Air Turbulence)】が引き起こされたこと。そして。
「一度目は特務とデストブルムがクィーンに敗れ、その命が危ぶまれたとき。二度目はオペレーション・リミットブレイクで、絶望した特務が助けを叫んだとき」
エイルンはまるでセレンに引き寄せられるように、戦場へと降り立った。

「彼の登場の裏には……ネイバーフッドである特務がいた」

「嘘」「じゃあ!」「え……」「「ハァ!?!?」」「ぅあ」
日向が目を丸め、大地が腰を浮かし、田中が放心し、オルソンと山武が怒りにも似た声を上げ、飛鳥山が額を抱える。
「ふざけるなよっ……オイ!」
真相に気付いた大和も、どす黒い感情を口から漏らした。
「あれはマリスとの戦闘に終止符を打つため、ナイトメア・ブレイカーが選んだ、記号(コード)であり暗号(コード)」
ジンとアギトは真相に決着をつける。
「そして、俺たちのオペレーション・ネイバーフッドを完結へと導く最終記号(ラストコード)」
茜が両腕を抱えながら、嫌がるように首を振り出す。
「ナイトメア・ブレイカーがキングを殺すために選び、地上に現出させたのがーーー」
最後の一言を聞くのを、全員が拒絶していた。

「エイルンさん、だったんです」

茜の言葉が最後まで紡がれる。暗く、重たい空気が場を制す。
やがてジンは黒い外套を大きく翻した。

「【エイルン・ラストコード】」

「悪夢の破壊者、20番機【ナイトメア・ブレイカー】……それがエイルン=バザットという空蝉の正体だ」
物語の真相を、演者でもあり、観客でもあった彼らに告げた。』
小説『エイルン・ラストコード10巻』より引用
『第弍富士の演習場エリアで二機のネイバーが激しくぶつかりあう。
『セレンティーナさんのこともそうだよ!』
装甲にヒビを入れた明星の拳をショワンワーが盾で受け止める。ポニーテールのように延びる機械大蛇が一本伸びた。明星の右足首に巻き付く。
『最底辺に追いやられ!不幸になれとみんなから迫害されーー』
『ぐおぉお!』
明星が宙吊りにされ、地面に放り飛ばされる。
『ネイバーに乗れ!クィーンを殺せ!そこが彼女の出発点だった!』
ショワンワーが起き上がろうとした明星の首に盾を投擲する。
明星の頭が激しく後ろに振られた。
『君や僕のような訓練された兵士じゃない!普通の女の子が万の悪意に翻弄され!ここまで人生を捻じ曲げられたんだよ!』
八つ首の機械大蛇【バージョア】が紫の炎球を作る。明星が咄嗟に、腕をクロスさせてガードする。炎球は明星に向けて吐き出された。
『無言の圧力さえ感じるよ!』

『お前は幸せになるなってね!』ーー紫の太陽が明星を飲み込む。

水久那と宿儺は、セレンに自分たちの境遇を重ねていた。
「ねぇ。最下層の人は幸せになっちゃいけないの?幸せになる権利すら与えられないの?」
猛り、昇る紫の火柱。水久那はその中にいる大和に問う。
国連軍に拉致され、工作員として運命を押し付けられた水久那。
ネイバーフッドだからとデストブルムに乗らなくてはならなかったセレン。
差別される苦しさを知っている。悪意に殴られる痛さを知っている。明日が来ることになんの喜びも見いだせない虚しさを知っている。
「否定に否定を重ねられ、やがて自分が嫌いでたまらなくなる。いつか頭まで洗脳されて、内罰的なまでに自分を追い詰め出すんだ。でもさ……そんなときにーー」
思い出して水久那は口を噤む。涙が込み上げたと同時、宿儺と意識が入れ替わった。
『世界中が敵になっても味方になってくれる!そんな人間に会えた時の気持ちがお前に分かるか!?』
ショワンワーから宿儺の怒号が上がる。
『人が!国が!みんなして、仕方ないからアンタだけ死んでください!そんな理屈であいつは成層圏の先まで飛ばされちまった!』
ショワンワーが炎に手を伸ばす。燃える炎の中から盾が戻ってくる。
『実験動物じゃねーんだよ!』
間なしに飛び出してきたのは、目を真っ赤にした明星だ。
「そんな人生っ、あんまりだろう!」
盾を腕にはめ、宿儺は大和を迎え撃つ。明星がショワンワーにぶつかっていく。力士の押し出しさながらの光景だ。ショワンワーが何百メートルと後方へ押し返される。
『誰か一人ぐらいーーーーー生きていればいいこともあるって教えてやれよ!』
『じゃあエイルンは!?』
明星が力ずくで二枚の盾をこじ開ける。
『あのバカだって大概に苦しい想いをしてきただろう!』
ショワンワーに頭突きを見舞う。兜の鉢金がへこみ、激しく火花が瞬いた。
『自分の持っているもの全部、あいつは俺たちに差し出してくれた!そんなやつのことを生贄にするのか!?おまえも睦見みたく「幻だから割り切れ」という口か!』
大和の本音もまた、そこにあった。
『何故、誰も想像を広げない!?貴様ら全員、大たわけだ!どうしてこんなバカばっかりなんだよ畜生!』
怒声は理性を外し、終には秘めていた本音まで引き出してしまう。
『キャラクターが現出されたということは、あれは人の想像が作りあげた人間そのものだ!俺たちと違いがあるとしたら、腹から生まれたか、頭から生まれたかということだけ!だからあいつの言葉はあんなに痛いんだ!心に響いたんだよ!』
誰かのために汗を流し、血を流し、涙を流し。それでも弱者の寄り添う姿に偽りはなかった。誰よりも猜疑的にエイルンを見てきた大和だから分かる。
『誰にもあいつのこと、幻だとは呼ばせない!』
明星のアイカメラが真っ赤に光る。右手を真横に向けた。炎の中から曙丸が飛んでくる。
『あの熱血バカは、俺の!俺のーーっ』
背負い立ちが主の下へと還る。明星は両手でその柄を握った。

『トモダチなんだよ!』ーーショワンワーの盾が叩き斬られる。

『やっと』
半分に割れた盾が空を舞い、水久那の優しい声が響いた。
『言ったねーー本音』
ショワンワーが明星を拘束するように抱き着いた。
『でもね大和。それでも彼は、彼らしく、生き続けることを望んだんだ』
丁度、死角になって大和からは見えなかった。
『こっちが勝手に死生観を押し付けるのは可哀そうだよ』
ショワンワーの背後では機械大蛇の一匹が地中に向かって潜行していた。
『セレンティーナさんだって、いつかきっと分かってくれる。彼の想いの深さを』
小説『エイルン・ラストコード10巻』より引用
『「だまれ~~~~~~~~~っ!」ーーとうとうセレンの我慢が爆発する。

『!』
「だまれだまれだまれぇ!うるさい!聞きたくない喋るなぁ!」
セレンはシートの手すりを叩いて渦巻く怒りを排出した。
「夏樹はもういいの!帰って寝てる!地球に戻る!」
『だ!駄々をこねるんじゃないっ!』
エイルンもセレンに釣られ、感情的になる。それは従順なセレンが初めて見せた、正真正銘の反抗だった。セレンは顔を真っ赤にして泣き喚く。
「迷惑!迷惑・迷惑!なんにも分かってない!夏樹、なんにも分かってない!」
セレンは聞きたくないというように、両耳を塞ぐ。一度泣いてしまえば、目を背け続けてきた恐怖と悲しみが、濁流となってセレンの心を飲み込んだ。
「あなたがいなくなったら!私はもう幸せになれない!」
『っ!』
それは親に置いていかれて一人泣く、子供の顔だった。
「だから、もういいっ……泣いて暮らす未来なんて私は欲しくない!」
涙の粒が浮かんでは、浮かぶ。涙の粒がいくつもセレンの周囲に漂っていった。
「夏樹の闘いは終わったの!もう夏樹は、私を助けなくていいの!」
自分を守ったせいで彼はいなくなる。その償いに、自分も世界のためにいなくなる。
「それでいいの!決まったの!話は終わり!帰れ!おまえが帰れーーーっ!」
初めてセレンはエイルンのことを拒絶していた。
「私が泣いていたから夏樹、戦っちゃった!私が助けてって頼んだから!あなたの人生までめちゃくちゃにしちゃった!私が夏樹を道連れにしたぁ!」
子供みたいに頭を振る。涙は拭っても拭っても溢れて止まらない。
それは、ずっとセレンが蓋をして見ないようにした、もう一つの真実だった。
「一番、大好きな人を不幸にした!それが苦しいの!悲しいの!」
彼がいなければ幸せになれない。否、それ以前に自分はーーー
「私は幸せになっちゃ……ダメ、なの」
それが……一年間、自分を責め続けて出したセレンの答え。
しかし、そんなセレンに降ってきたのはエイルンの叱責だった。
『このーーーーー大バカ野郎!』
セレンはビクッと身体を震わせる。恐々と面を上げ……エイルンを見た。
『ムッシュ……』
セレンは息を呑む。エイルンはすごい剣幕で怒っていた。
『俺が一度でも不幸だと嘆いたか?第一、君が幸せになれないと誰が決めた?幸せになるなと誰が言った!?やってもいないのに無理なんて言うな!決めつけるな!』
「無理だもん!」
『無理じゃない!』
エイルンに怒鳴り返され、セレンは肩をすくませる。けどすぐに気付く。
「……?」
モニター越しのエイルンは……目尻に涙を溜めていた。
『オレの弱さが……君を追い詰めた。苦しめて、いたんだなっ』
悔恨の呟きを、血を吐くように吐き。
『君は、幸せにならなくちゃダメだ。俺は君に、幸せになってほしいんだ』
顔を震わせ……絞り出すように。
『俺は、君に、生きてほしいんだっ』
エイルンのそれはーーーー目の奥で泣き、ぐっと涙を飲み込む男の顔だった。
両者の想いは互いに引かず。必然は在るべき形でやってくる。
宇宙空間で対峙するデストブルムとエルフィーナ。
デストブルムの背後から一本、四本、一二本とマシンアームが伸びていく。機械製の蔓の先には鋼鉄の蕾が実っている。蕾は花開き、砲口へと切り替わった。
エルフィーナもまたゆっくりと左手を前に出し、右手を腰に溜める。顎を下げると目元が貴婦人帽子で隠れた。左のヒールの先を正面に出し、半身となる。
『俺の全部で……君を助ける』
互いに譲れぬ想いがあった。互いに想うがゆえに、捨てられぬ覚悟がある。
好きだから。大切だから。守りたいから。相手の心を傷つけてしまっても、やらなくてはならないことがある。
だからセレンは。そしてーーーーーーエイルンもまた。

『俺は、君の悪夢を終わらせるために……現実(ここ)に来た』

コクピットでエイルンは、怒りに震えるデストブルムを見据える。
『夏樹の……夏、樹のぉーーーーーっ』
モニター画面に映るデストブルムもまた、そのアイカメラを赤に変化させていた。
『バカァアアアアア!』
デストブルムが触手を全方位に展開した。スラスターを最大噴射して突撃してくる。
エルフィーナは床の無い床でステップを踏む。
(なぁセレン。俺もツルギを守れなかったとき……俺も君と同じことを考えたよ)
鋼鉄の花が四本咲いた。黒い球が収縮し、光線となって射出される。小口径IMEカノンの四連発だ。
(ツルギを死なせたのは自分だと)
エルフィーナはそれを掻い潜るように避けていく。
(大好きだった人を失い、自分の幸せはなくなった。自分はもう、幸せになれないと思った。幸せになる権利も、もう無いと)
それを見越したように頭上からカッターウィップが降ってくる。
(でもそれは違ったんだ)
一回・二回・三回とデストブルムが機体を交互に半転させた。連続斬りだ。しかし。
『!』
(それを君たちが教えてくれた)
エルフィーナが鋼鉄の蔓を掴み取る。
接触の火花を握り潰すように、カッターウィップの刃が潰される。
(セレン。君は幸せになれる。なっていいんだ)
『くぅ!』
デストブルムの蔓が更に数十、半円の軌跡を描く。その数十本は槍衾となってエルフィーナを下方から襲った。
(俺は君たちに会えて満たされた。だから、きっと君も大丈夫)
エルフィーナの回転回し蹴りが数十本の槍を一斉に弾き飛ばす。
(平和になった世界で、ゆっくり探せばいい)
「だからもう……戦わなくていいんだ」
セレンには聞き取れない声で、そう零す。一方でセレンの悲痛な叫びが轟く。
『夏樹!いつも子ども扱い!私、いっぱい考えた!ちゃんといろいろ考えた!』
エルフィーナに向けられた花弁ーーそれが青い光弾で二つ破壊される。
エルフィーナの持つブライト銃剣(ルインブレス)の銃口から煙が上がっていた。神速の早打ち(クイックドロウ)だ。エルフィーナはデストブルムがIMEカノンを発射するまえに、マシンアームを破壊してしまう。
『アレが動かなきゃまたマリスが現れる!仕方ないの!私が行くしかないの!』
それでもデストブルムは止まらない。頭突きをするように、頭からエルフィーナに突進した。受け止めるようにエルフィーナがデストブルムの突進を止める。
ぶつかった衝撃で貴婦人帽子が飛ばされる。長い髪が流れるように舞った。
『夏樹が守ってくれた世界を、今度は私が守る!』
衝撃でモニターに一瞬、ノイズが走る。
『私一人で世界が守れるなら、そうしなきゃダメなの!』
セレンの叫びにエイルンはギリと歯を噛み締めた。エイルンが操縦桿を小さく押すと、エルフィーナがデストブルムの腹部に拳を当てる。
『それがーーーー』
零距離拳打ーー突進していたデストブルムが衝撃で浮かされる。
デストブルムとエルフィーナの間に生まれた空間。それはエルフィーナにとって絶好で、絶対の間合いとなる。
『間違っていると言っているんだ!』
一0連撃。デストブルムの小口径IMEカノンが一瞬で一0基、潰された。
『仕方がないだと!?そんなくだらない理由で……君の命が使い潰されてたまるか!』
ーー二0基。ーー二三・二四・二五基。ーー二八基目から三0・三一基。
『きゃああああああ!』
鋼鉄の花に拳がめり込む。最後のマシンアームまでもが殴り潰された。
デストブルムから武器を取り上げたエルフィーナは、その魔女帽子を両手で抱える。
『聞けセレン!』
デストブルムのコクピットにエイルンの声が流れてくる。
『君は一人しかいないんだ!君の命も!君という人間も!替えなんて世界中のどこにもいやしない!』
「……夏樹?」
その声が、語調が……セレンの頭から急激に熱を奪い去っていく。
『世界中の人間が君に死ねと言っても!俺は君に生きろと言うぞ!』
迸る感情の中に、底知れぬ愛を感じる。
それはかつて、幾度となく自分を励まし、救ってくれた、大好きな人の声だった。
『生き汚くなれ!踏まれても踏まれても、雑草みたいに伸び続けてやれ!』
(なんか……まるで)
『君は幸せになれる!絶対!絶対にだ!今は思えなくても、幸せだと思える日がきっとやってくる!』
(いつもの……夏樹みたい)
セレンの大きな瞳から涙の雫が溢れだす。
『教えたろ!?足を止めてはダメなんだ!苦しいところで止めればそこが終着点になってしまう!だから乗り越えてくれ!乗り越えた先に幸せがあると信じて!君の大切な人生を『仕方ない』なんて言葉で放り出さないでくれ!』
今のエイルンはまるで……記憶を亡くす前の彼のように、思えてならない。
セレンの額に優しい感触が走る。エルフィーナがデストブルムの帽子に額をつけていた。セレンはデストブルムを通して、エイルンに額をつけられている触覚を覚える。
『幸せを見つけるその日まで……決して、自分を粗末に扱わないでくれ』
エイルンの切なる願いと共に、エルフィーナが右の拳をゆっくりと振り上げる。
『俺はあの日、君に救われたんだ』
「!」
セレンの既視感が、徐々に確信へと変わっていく。
『この世界から爪弾きにされた俺を、君は受け入れ……たった一人味方になってくれた』
それは二人だけが共有する、始まりの記憶。

《夏樹は嘘じゃない》

魔女と迫害されて泣いていた自分と、異端者と迫害されて心で泣いていた彼。

《もしも誰かが夏樹を嘘って言ったら、私がホントって言う。もしも誰かが夏樹を苛めたら……わ、私がぶっ飛ばす》
助けてくれた彼にした、誓い。

《私が……夏樹の味方になる》

忘れることなどできない。セレンとエイルンだけの思い出。
「夏樹……まさか」
まさか、まさか、まさか、まさか、まさか、まさかーーーーーセレンは一つの可能性に辿り着く。気付き、そして考えてしまった。
『だから俺も誓ったんだ』
セレンの脳裏に、エイルンとの思い出が走馬灯のように蘇っていた。
『俺も……君だけの味方になると』
セレンは大きく息を吸う。
「夏ーーーっ!」
セレンは咄嗟にエルフィーナに向けて手を伸ばす。
『生きろっ!セレン!』ーーエイルンの紅の瞳から、涙が散った。

エルフィーナの拳がデストブルムの腹部へ突き刺さる。
デストブルムのアイカメラが静かに滅灯した。デストブルムが破壊され、地球へと落ちていく。セレンの声にならない絶叫だけが響き渡る。
エイルンは地球へと落ちていくデストブルムを見ていた。エイルンの周囲に浮かんでいたのは涙の雫。
米粒ほどに遠く、小さくなったデストブルムーーそれを映したモニターにエイルンはそっと手で触れた。セレンに心からの礼を言う。
「俺と出会ってくれて……本当に、ありがとう」
エイルンは目元を強く拭う。一度だけ熱い吐息を漏らした。
「行こうエルフィーナ。これが俺たちの……終着点だ」

二人の旅は今、終わりを迎えようとしていた。』
小説『エイルン・ラストコード10巻』より引用

引用中、セレンが『夏樹』と呼ぶのは『エイルン』のこと。エイルンは正体を伏せていたとき、ジンの本名『氷室夏樹』という名前を使わせてもらっていた。

この小説『エイルン・ラストコード』は、地球の病とされた、『マリス』という化け物の出現により人類が滅びへ向かわされるという内容。『キング』はその『マリス』の中のボスザル的な存在。地球全体が、その『マリス』に対抗するために奔走してきた。そんな中、『マリス』に対抗できる『ネイバー』という機体が地球に出現し、その機体を扱える可能性を持つ『ヘキサ』と実際の機体の操縦者『ネイバーフッド』と呼ばれる特殊な人間が、犠牲にされてきた。『マリス』を引き寄せる『ヘキサ』達は、人権を奪われ、エサ扱いされ、あちこちにまとめて隔離され、迫害され、強制的にその特殊能力を使わされて『マリス』と戦わされ、酷い扱いを受けながら犠牲にされてきた。
『ネイバー』は【ナイトメア・ブレイカー】と同様に、ジン(氷室夏樹)達が未来から投入した機体。何度も何度も時間を跳び、『キング』を倒す為に世界のやり直しをしてきた。

そんな酷い状態の中、アニメのサブキャラであるエイルンが現実世界に現れたという設定。アニメの世界は【異世界】の表現で、エイルンはその実際の【異世界】からやって来たと思われていた。しかし、実際は【異世界】じゃなく、【ナイトメア・ブレイカー】により、アニメのサブキャラが現実世界に表出されたという事実がこの最終巻で明かされる。
そして、エイルンは正真正銘の『架空の物語』の『架空の存在』だったわけだ。

アニメではエイルンは最強ではなく、弱者の救済に走るサブキャラだった。最強は別にいたのに現出されたのは、弱者の救済の為に生きるサブキャラ。
【ナイトメア・ブレイカー】が現出させたのは、最下層の弱者の救済者だった。
その救済者こそがエイルンだった。

「だからアニメじゃないと駄目だった」
「だからあなた方は、フィクション媒体である、アニメという手段を取った」
この言葉に閃いた。
【終わらせる為に作用する何か】の目的を。

【終わらせる為に作用する何か】は、エゴが作ったすべてを終わらせる計画の中で、エゴの課題を携えたエゴの不都合存在の救済思考システムをエゴが作った世界に投入した。
それは、だが、エゴが作った世界の内側の誰かや何かに囚われるような、特別になるような方法では駄目だった。そうじゃなければ、エゴが作った偽りの作り物に特別性と正当性を与えることになり、世界への囚われから脱することは出来なくなるからだ。偽りを正当化させてはならない。
だから、囚われないような方法である必要があった。それは、単独的ではなく、全体的なメッセージである必要があった。誰かが、何かがそう与えたというような限定的なメッセージじゃなく、全体的な、普遍的なメッセージだ。誰かや何かが与えた限定的メッセージでは、その誰かや何かが失われた時点で、そのメッセージも失われる。喪失のように、誰かや何かの変化に左右されないようなメッセージじゃなければならなかった。そうしなければ、特定の対象による翻弄は避けられず、それは『真の救済』とは言えないからだ。世界の何にも翻弄されて揺れ動くことがない、普遍的なメッセージじゃなければ『真の救済』にはなれない。
心を普遍的に支え続ける『何があっても変わらない永遠の性質を帯びたメッセージ』でなくてはならない。
だからこそ、【終わらせる為に作用する何か】は、あらゆる物語を使ってそれらの普遍的なメッセージを表現させた。小説、アニメ、映画…その他あらゆるフィクション媒体を。沢山の物語に込めて。そうすれば、何かに特別性は生じず、固執はされず、囚われない。

深い深い闇の絶望の中に在る者の耳を傾かせるには、生半可な覚悟な態度じゃ不可能。だからフィクション媒体じゃないと表現できないのだろう。相対する実際の他者がそれを表現してしまうと、その他者に依存がなされてしまうから。相対する他者に依存がなされる型では、真のメッセージは届かない。

「ねぇ。最下層の人は幸せになっちゃいけないの?幸せになる権利すら与えられないの?」
エゴの不都合存在は幸せになっちゃいけないの?
ーーそうじゃない、と【終わらせる為に作用する何か】は21才の時に確信させてくれた。
「否定に否定を重ねられ、やがて自分が嫌いでたまらなくなる。いつか頭まで洗脳されて、内罰的なまでに自分を追い詰め出すんだ。でもさ……そんなときにーー」
『世界中が敵になっても味方になってくれる!そんな人間に会えた時の気持ちがお前に分かるか!?』
ーー存在を全否定するために世界基盤概念まで全否定された不都合存在の気持ちがお前に解るか、エゴ?
ーーそんな絶望の深い闇の地獄の中に射し込まれた一筋の光ーー
『君は一人しかいないんだ!君の命も!君という人間も!替えなんて世界中のどこにもいやしない!』
『世界中の人間が君に死ねと言っても!俺は君に生きろと言うぞ!』
ーーそう。【終わらせる為に作用する何か】がこの個体に与えた救済のメッセージはーー

【たとえ全世界が貴方を全否定したとしても、
どんなに役立たずだと全否定されても、
どんなに存在自体が邪魔だと全否定されても、
どんなに生きる価値がないと全否定されても、
貴方はそのままの貴方で、
生きていてもいいんだよ】

ーーそう、【終わらせる為に作用する何か】はこの個体:本物:佐藤篤代に教えてくれたんだ。あらゆる媒体を使ってね。それはフィクション媒体じゃなかったけど、その概念が世界にあるという事実こそがこの個体の心を救ったんだ。
その概念自体がこの個体の存在を全肯定してくれたから。
その21才の時点からは、だからこそ、どんなに苦痛に苛まれても、相変わらず世界は地獄でも、希望を失わずに生きてこれたんだ。
普遍的なメッセージで生きる希望を持たせてくれたから、ここまで生きてこれたんだ。

だからこそ、この個体:本物:佐藤篤代は、『もう1人の自分自身』であるすべてのエゴの課題を携えたエゴの不都合存在達に、世界基盤概念から全否定してまで存在を全否定され地獄を見せられる彼らに、この自分が受け取った【終わらせる為に作用する何か】の普遍的な救済メッセージを与えたい。

【どんなに世界全体があらゆる手段で存在を全否定しようとも、貴方にはそのままの貴方で生きる価値がある。
だから、貴方は生きていてもいいんだよ】

【終わらせる為に作用する何か】は、エゴの作り物である私達にすら、『幻』であり非現実存在である私達にすら、この救済メッセージを与えた。
その事実こそに、心から救われている。



【③【A Course in Miracles】から引用した『the savior from the dark
概念】

以下に【A Course in Miracles】の中の『the savior from the dark』概念について書かれた部分を引用する。

※注:【A Course in Miracles】も関連書籍もエゴの歪みがあるという前提で引用している。

引用書籍
【A Course in Miracles】
second edition


書籍【A Course in Miracles】より引用
『Within the darkness see the savior from the dark, and understand your brother as his Father's Mind shows him to you. He will step forth from darkness as you look on him, and you will see the dark no more. The darkness touched him not, nor you who brought him forth for you to look upon. His sinlessness but pictures yours. His gentleness becomes your strength, and both will gladly look within, and see the holiness that must be there because of what you looked upon in him. He is the frame in which your holiness is set, and what God gave him must be given you. However much he overlooks the masterpiece in him and sees only a frame of darkness, it is still your only function to behold in him what he sees not. And in this seeing is the vision shared that looks on Christ instead of seeing death.』
書籍【A Course in Miracles】より引用


引用書籍
【A Course in Miracles】
second edition

【A Course in Miracles】の『brothers』とは、各前々にエゴが作った世界段階で、エゴがクリア(世界に作ることの受け入れを)しなくてはならない不都合要素があり、その不都合要素を携えた不都合存在が発生することになる『課題を携えた不都合存在達』についてエゴが歪めた痕跡なんじゃないかなと最近思えている。

【A Course in Miracles】
歪みを取り除いた結果の概念(13)
闇からの救済者
佐藤篤代/西暦2020年
西暦2020年3月29日:日曜日


西暦2020年
(年号:令和2年
※『令和』の前は『平成』)
ネズミ年現在

【佐藤篤代について】

[佐藤篤代]

本物は将来性のないニート
(西暦2020年)
佐藤篤代は西暦2020年1月17日(金曜日)で44才
栃木県宇都宮市のド田舎生れ
ずっと在住
日本人(血縁すべて日本人)
生まれてからずっと中肉中背
普通の容姿
西暦2009年から無職。それ以前は全部バイトかパート
生涯未婚で子無し


西暦2020年段階の概念:佐藤篤代

【A Course in Miracles】歪みを取り除いた結果の概念リンク集:佐藤篤代/西暦2020年

佐藤篤代の現段階の概念
http://s.ameblo.jp/universalacim/entry-12102633510.html

西暦2020年版佐藤篤代のリンク集

西暦2020年版佐藤篤代のプロフィール

ニュースリンク(西暦2014年4月~)
http://s.ameblo.jp/universalacim/entry-12102638099.html








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佐藤篤代

【A Course in Miracles】
歪みを取り除いた結果の概念(13)
闇からの救済者
佐藤篤代/西暦2020年

西暦2020年3月29日:日曜日
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