
内容は、大学が今取り組んでいるホームステイ型研修「地域に生きる医師」育成の取組みについての成果報告や沖縄で離島医療に取り組む医師による「離島医療とそれを支える人々を養成している現状」についての講演などでした。
今さら言うまでもなく、最近は田舎というか地方、特に過疎地域での「医師不足」についての問題がクローズアップされています。
また、診療科目の中でも特に人気が低く、成り手の少ない小児科や産科の医師数の不足から過重労働の問題も起こっています。
このため大学では、医師不足が深刻化する地方の医療を支える人材育成の方策を探るべく、地域に生き、地域の人々と暮らす医師を育成するため、文部科学省からの補助を受け、奥会津地域などの一般家庭に学生をホームステイさせての研修を中心としたホームステイ型医学教育研修プログラム事業をこれまで実施してきました。
ところで、折りしも昨日の読売新聞に『産科医不足の深刻化に伴い、昨年の4月以降に出産の取り扱いを休止した病院が、全国で少なくとも127か所にのぼり、出産を扱う病院がこの1年半で約1割減った。』という記事が掲載されていました。
休止は地域医療の中核を担う総合病院にも及んでいて、お産の「空白地帯」が広がっているほか、その近隣の病院に妊婦が集中し、勤務医の労働環境がさらに悪化する事態となっているそうです。
国の最新の資料によると、出産を扱う病院は1321病院だそうで、これを母数とした場合、休止した127病院は全体の9・6%に相当し、さらに増える傾向だとか。
福島県でも、6か所の病院がお産の扱いを休止していました。
しかし【この1年半でお産できる病院が1割減少した】って大変なことです・・・。
主な休止の理由については、
(1)医師不足に伴い、大学医局からの派遣医を引き揚げられた。
(2)労働条件の悪化を理由に、勤務医が開業医などに転身してしまい、その穴埋めができない。
(3)産科医不足対策の一環で、近隣の病院に産科医が集約化された。
などだそうです。
この理由について考えてみました・・・。
「大学医局からの派遣医を引き揚げられた」ですが、これは大学の医局の人員も、不足していることを示しています。
これは大学病院クラスの産婦人科でさえ、産科医不足が深刻になりつつあるということかなと感じます。
「労働条件の悪化を理由に、勤務医が開業医などに転身してしまい、その穴埋めができない」のは、やはり過重労働と訴訟リスクが大きな要因かと思います。
「産科医不足対策の一環で、近隣の病院に産科医が集約化された」ことは、はたしてこれが良いことなのかどうかは悩むところです。
産科医療は、設備のある病院にある程度、医師を集約するのがよいのか、それとも、産科「空白地帯」を作らないように、小さくてもよいから病院が分散しているほうがよいのか、実のところよく分かりません。
しかし、高リスクの妊婦さんのためにも、産科救急は必要ですし、高次医療の病院は、一定の間隔で必要だと思います。
併せて新生児科医(小児科医)も必要です。
ただ、そこに妊婦さんが集中すると、それらも機能しなくなりそうですし、医療機関の距離が遠ければ、なにより妊婦さんの負担になると思いますので、あまりよくない気もします。
理想としては、そのどちらともが、バランスよく存在することで役割を分担することだと思いますが・・・。
これ以上の産科減少を止める必要があると思いますが、それならば何をすればよいのか? というところで考えてしまいます。
地域住民の産科医療への理解も必要だと感じます。
都道府県によって、抱えている問題も微妙に違うのでしょうが、私はもうこれからは、都道府県単位ではなく、地形や交通事情を考慮して、妊婦さんが通いやすい場所に病院を設置すれば、多少の長距離もいいのではないかと思っています。
例えば福島県の県北地域と宮城県の仙南地域をひとつの医療圏として、お互いのアクセスの良い場所に周産期医療センターを設置するなどという感じです。
行政には狭い了見ではなく、垣根を越えて、ぜひ取り組んでほしいと思います。
https://local.blogmura.com/fukushima/ ←にほんブログ村 福島情報