温暖化に関する世界同時開催ダイアログ@東京 | 続・教育のとびら

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主宰 福島 毅(どんぐり)

本日19時から、表参道にある”こどもの城”を会場として、「温暖化に関する世界同時開催ダイアログ@東京」という催しがあり、参加してきました。

これは、現在コペンハーゲンで行われている第15回気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)にあわせ、アメリカのケンブリッジに拠点を置く非営利組織「SoL(組織学習協会)」が世界に呼びかけているダイアログ(対話)です。日本で活動する学習コミュニティの「SoLジャパン組織開発コミュニティ」が世話役です。今回は世話人の小田理一郎さん、ファシリテーターの近藤直樹さんが中心となって進行しました。

まずは、今回のダイアローグを行う背景や地球温暖化問題の全体像のプレゼンが小田さんから40分ほど。その後、近藤さんがワールドカフェ方式で問いを発していきます。地球温暖化やワールドカフェの説明は省略させていただきます。必要な方は検索エンジンにておねがいします。

さて、ダイアローグ(対話)は各テーブル4人くらいずつ分かれて。最初の問いかけは、「温暖化に関して、思い浮かぶ”問い”は何でしょうか?」というものでした。これは、いきなり深いです。つまり、温暖化に関してどのような問いをこのテーブルに発すれば、問題を共有してテーブルについている仲間の対話がが深まるか、促進されるかという問いだからです。まさに、パワーゲームの様相を呈しているCOP15とはまったく違ったアプローチであることを感じます。

私は「どんな、地球をのぞんでいますか?」 という問いが浮かびました。それは、主に次世代を担う子供に向けての問いかもしれません。大人に対してだとしたら、童心にかえってみて、考えてほしい問いだったのです。 なぜ、このような問いが思い浮かんだのでしょうか?

複雑な条件の絡み合った国際紛争の解決を考えて見ますと、これを大人の論理で論理的に解決しようとするととても難しくなります。あちら立てればこちらたたずの複雑なトレードオフ、どんな解を持ってきたとしても参加者の誰かには不満が残る。でも、しがらみのない子供たちを集めて国際紛争の解決方法を問うたなら、「みんなで仲良くごはん食べたり、手をつないでおどったり、遊んだりはしゃいだりしたいなあ」というのではないかなと思い浮かんだのです。過去のしがらみを捨て未来志向に・・・・ つまり紛争解決が行われた理想状態に思いをはせて向く方向を合わせる。そしてそれに向かって知恵を出す。
温暖化も同様です。複雑なトレードオフをすべて満足する結果はありえない。何かのアクションをおこすことは同時に不利益をこうむるひとは必ずいる。そういった状況だからこそ、無垢な心を持つ子供たちに問うてみたいと思ったわけです。

このダイアローグの中で同じテーブルの人から、「先住民に聞いても、きっといいアイデアをだしてくれるのではないか」という提案がありました。まったく同感です。

この最初のテーマによるセッションが20分あり、一人のホストを残して他のメンバーは別のテーブルに移動します。2つ目の問いは、「この温暖化問題に潜む問題とは何なのでしょうか?」というものでした。これは科学的な原因を追究した問いということではなく、この地球温暖化問題がなかなか解決できないその本質は何かといったことです。

私のテーブルでは、「想像力や行動力、利害のない知性といった要素」が少ないことが問題なのではないかという対話がありました。各国が被るデメリットを最小にしようと国際会議にのぞむことは予想されますが、それだけでは温暖化は解決しないわけです。地球温暖化は、まさに人類が直面するはじめての地球規模で人類が考えなくてはならない問題なのだと私は思います。

この問題を人類が乗り越えられたら大きなブレークスルーはあるのではないか・・・ もし乗り越えられないとしても、人類がそれにチャレンジしたという証・プロセスが重要なのではないか・・・
そんなことを最後の1分間の沈黙の中で感じていました。・・・セッション終了の時間が来ました。

最後に皆がこのセッションでシェアしたいことをアンケートに書き込みます。
このアンケートは、翻訳され、SoLの本部に送られて世界中でシェアされていくということです。今日、このセッションに自分が参加し、地球規模での問題にコミットできてよかったと思えました。