全国学力調査 文科省に期待すること | 続・教育のとびら

続・教育のとびら

教育・成長・人の発達・組織論などのブログです
(旧 gooブログ『教育のとびら』を継承)

主宰 福島 毅(どんぐり)

文部科学省の全国学力調査の結果が公表されました。
道府県別の正答率比較が出ていました。学力の地域差が昨年と変わらないことなどが話題となっていました。マスコミ報道では、秋田・青森・福井・富山などが高く、沖縄、高知、大阪などが低いといった結果がクローズアップされていました。

さて、都道府県別の結果としてデータを集計し、結果を競わせるように見えるその意図とは何なのでしょう? 都道府県によって教員指導力に格差があり、低い結果の都道府県は鋭意努力せよというメッセージなのでしょうか? もしそれが意図するところであるとしたら、昨年の結果から上位・下位の都道府県があまり入れ替わっていないということは、少なくても短期的な学力向上への取り組みがなされておらず、文科省の意図は各都道府県に伝搬していないことになります。

私は、この改善は競争原理ではなく、うまくいっている都道府県は何がうまくいっているかという共通項をきちんと文科省が調査し、実態の情報開示をすることではないかと考えます。もちろん、成績下位の自治体がそれぞれ上位の自治体を訪問したり調べるといったことはできるかもしれませんが、それは効率が悪いですね。 全国を調査できる中央の政府だからこそやってほしいと思う案件です。

今、教育界で必要なのは、うまくいっていないところを叩くことではなく、優れた手本・見本というものを共通認識できるような仕組みをつくっていき、それを真似てモデル化するということだと思います。例えば、秋田が優秀な原因はおそらく教員養成段階で、すぐれた教員をつくろうという大学側の意識や教育が大事であるという県民意識かもしれません。そうした実態と知りたいと思います。

結果に一喜一憂するのではなく、うまくいっているところに謙虚な姿勢で学ぶということが大切であるし、その実態調査は、文部科学省に期待したいと思います。