書くことと記憶のメカニズム | 続・教育のとびら

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教育・成長・人の発達・組織論などのブログです
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主宰 福島 毅(どんぐり)

人の話を聴くときに、メモをとりながら聴くと頭に残りやすいということがあります。
実際に、後でそのメモを見て思い出すということをしなくても、思い出せるということも多いと思います。これはなぜなのでしょうか。

「ただ、ぼんやりと聞く、見る」と「相手の目や表情を見つつメモを取りながら聴く」状態を比較してみると、
1.相手の目を見ることで、言語外の情報、細かなニュアンスが伝わる。
2.メモを取るという”脳からの出力”をすることで、脳への入力の確実性が増える。

”メモを取る”あるいは”ノートを取る”という行為は、入力→情報処理→出力というプロセスを脳が行うわけなので、より記憶に残りやすい定着方法と言えるでしょう。

さらに、「なぜ、どうして」という情報もメモしながら相手の話を聴けば、自分の過去に蓄積された知のストックと参照するという高度なことも行うので、関連づけが行われ、より脳に確実に記憶されるのではないでしょうか?(これは私見ですが)

ただ書物を読むのと、自分でまとめながら読むのでは、後者の方がより記憶に定着していくということがあると思います。入力から出力までの一連の動作というのは、脳に一つの記憶の回路というものを形成していく上で重要な役割があるのかもしれません。