スイスにローザンヌあり、で、そこにIMDというビジネススクールがあります。


そこで、毎年、世界競争力調査なるものが発表されています。もうご存じですよね。


The IMD World Competitiveness Yearbook (WCY)


ところで、日本は競争力第何位か、受講生に聴いてみると、たいてい(10人中8人以上)は、「日本は最近遅れてきたけどでもまだ低くても10位以内」と答えるんですね。


中には稀によく覚えている人がいて、確か27位だったかな・・なんて、いう人もいます。


で、本当は27位なんですよ・・・もちろんその競争力の定義次第なんですが・・・その定義は、実は、こうなっていまして・・・・と、話をつないでいきますと・・・・


本音では、みなさん、そんなことはあるまい、嘘でしょう、という顔つきになるんですね。


そのうち、第一位がシンガポール、日本の上に、マレーシアがいる、韓国も、なんとかなりのアジア諸国が競争力で日本の上になっていることが判明してくると、みなさんの言葉つきが変わってきます。


なんで、そんなことをいうのか、不愉快だ、日本がそんな下位にいるなんて・・・・話についていけない・・・・意味がわからない・・・・


冷静に、「衝撃的だ」という受講生もいますが、あからさまに厭な顔をして「日本人のあらさがしばかりしているヘンな人」みたいな・・・凄いのになると、「それはおかしい!そんなはずはない。そんなデータは間違っている!」という人も出てきます。反論というよりも、反発ですね。


現実を(定義を理解して)直視する、ということを日本人はしないんでしょうね。


現実をみたくなければ、見ない、つまり目をつぶる、現実は存在しなくなる、という気質が日本人にはあるのですね。


太平洋戦争を始めるときに、競争力ならぬ戦争耐久能力を識者に検討させて、その報告書には、とても日本には耐久能力がない、ということを数式で示したときに、報告を聴いた政府高官は、「立派な報告書である。しかし、結論は日本の国策と一致しない。したがって、この報告書は焼却するように。という結論だったそうです。最近、このことが日経新聞に載っていました。


このときと、全く日本人の心根の態度は、変わっていない。


都合の悪い現実には目をつぶる


これは日本文化のひとつなのかもしれません。


でも、グローバル人材育成の立場からは、そのattitudeを変えてもらいたい、と説に願うのですが、あからさまな現実受け入れを嫌がる気持ちは、まだ50%以上の日本人には存在しているような。。。直観がします。