例のメキシコ湾オイルリグ損傷原油流出事故について、CNNニュースをたぐってみましょう。責任追及の仕方
について、ひとつの類型が見えてきます。
裁判というよりも公聴会という一種のつるしあげ(弁護士がいない)劇場での責任追及(トヨタリコール事件と同じ)
というプロセスをたどること(これは日本には、ないですね。国会の予算委員会での証人喚問と同じでしょうか。)つまり政治ショーということ、それの行く末はオバマ大統領批判へとつながることになります。
一度、政治ショーの舞台になると、米国対英国となり、パンナム機爆破事件にまでつながってしまうことが興味深いですね。その結果、
『会見でオバマ大統領は、米英が文化、価値観、利益を共有する「特別な関係」にあることを強調した。』
なんてことにまでつながってしまう。どうして、オイルリグの掘削失敗が米英の文化・価値観の共有だから、問題ない、ということになるんでしょうかね。全く文化問題とは関係ないと思いますが。
そういう異文化論の裏返しの同文化論の文脈で語られるコンテクストが存在するということですね。
実際、このCEOには重過失がある(ちょっと注意すればわかっただろうという意味)と責任追及されています。そして謝罪しているということはその責任を公的に(裁判ではないけれど)認めています。
だから会社としてBPは巨額の賠償責任を負うようですね。いくらになるのか、青天井ですね(漁民被害や環境被害の金銭価値を入れると膨大になる)。一応200億ドルのようですが、しかたないので、BPは会社として資産売却しとりあえず70億ドルキャッシュを手に入れたようですね。
でもこのCEOは懲戒処分や解雇、正確には解任と損害賠償責任は負うんでしょうかね。退職金1180万ポンドつまり1億3000万円はもらうようですね。これは、会社からの損害賠償責任と相殺されるので、結局、この退職金は差し押さえられ、本人には1銭も渡らないと思いますが。
これは日本だとどうなっていたでしょうか。
社長は泣いて詫びて・・・それで終わり?まあまあいいじゃないか、これ以上責めてみてもしょうがない・・・![]()
その底には、社長には責任などない、実際決めて動かしていたのは役員(会)でしょう、執行役でしょう、耳に入っていないのに、これ以上泣いてもらっても困る・・・・
内閣総理大臣も社長と似ていますね。総理大臣の専権事項がかなりあって、だから「リーダーシップ」を出して物事を決めるのが当然で、それができない総理が情けない、みたいに言われていますが、実は、憲法でも内閣法でも、基本、内閣という合議体で決めることになっているのが日本の政治体制でして・・・下の者がが決めて、それを裁可する、というスタンスなんですよね。実は。総理大臣は単独では決められず、閣議を招集して話し合いで決める、という仕組みです。和の世界ですから、ワンマンは嫌われ、話し合いで決める、のですから、もしBPが日本の会社なら、話し合いで決めているのだからCEO一人を責めてどうする?ということにるでしょうね。それがいやなので、裁判に訴えて、違う権威にすがって解決を「していただく」(自分では解決しない。)ということになりがちですよね。
ところが、ここでは、このCEOのもとに、この特定のリグの問題を指摘する電子メールがなかったことが非難されているのです。多数あるリグの一個一個について危険の報告をCEO個人がうけなくてはいけないのに、そうしなかったのがいけない、と言っているのです。集団での責任ではなく、あくまでCEO個人の責任です。リーダーは責任のすべてをこのように受けなくてはいけない、それが当然だ・・・それは和の世界とは正反対。
実は内部統制など、アメリカの制度を取り入れていますが、このように企業や組織の文化が違うところでは、その働きもちがってくるのだと、私は思います。
★
『米大統領と英首相が会談、パンナム機爆破犯の釈放を批判』 (きのうの続きです。)
ワシントン(CNN) オバマ米大統領は20日、就任後初めて訪米したキャメロン英首相とホワイトハウスで非公開の会談を行った。両首脳は会談後の記者会見で、英スコットランド当局が昨年8月、米パンナム機爆破事件のリビア人受刑者を釈放した判断を批判した。
キャメロン首相は、パンナム機事件で服役していたアブデルバセト・アルメグラヒ元受刑者を「英国史上最悪の大量殺人者」と非難し、釈放をめぐる米議会の調査に英政府として協力することを約束した。ただ、リビアでの石油利権を守るために国際石油資本(メジャー)の英BPが圧力をかけたとの説については否定的な見方を示し、スコットランド当局が「誤った判断」を下しただけだと述べた。
オバマ大統領は、米国民の多くが釈放に「驚きと失望、怒り」を感じたとしたうえで、当局が判断に至った経緯をすべて知る必要があると語った。
1988年に起きた同事件では、スコットランド・ロッカビー上空でパンナム機が爆破され、270人が死亡した。アルメグラヒ元受刑者は終身刑を言い渡されたが、末期の前立腺がんで余命3カ月との診断を理由に釈放、送還された。元受刑者は釈放後1年近くたった今も生存しており、当時の診断を疑問視する声も上がっている。
会見でオバマ大統領は、米英が文化、価値観、利益を共有する「特別な関係」にあることを強調した。会談ではアフガニスタンでの軍事作戦や対イラン制裁、財政再建、メキシコ湾原油流出事故でのBPの責任追及なども議題に上り、両首脳はそれぞれの分野で協力姿勢を確認した。
★
『原油流出事故 リグ所有会社の作業員が公聴会を欠席 』
(CNN) 4月にメキシコ湾で爆発、沈没したリグ(石油掘削施設)「ディープウオーター・ホライズン」の事故原因究明に当たっている沿岸警備隊と内務省の合同調査団は、21日の公聴会について、証言をする予定の作業員4人が出席を拒否したため日程を変更すると発表した。
4人は、リグを所有するトランスオーシャンの作業員で、いずれも事故当時、防噴装置の上で作業を行っていた。事故発生後、この防噴装置が作動せず、原油の噴出を防ぐことができなかった。
調査団によると、4人はテキサス州ヒューストンから来ることになっていたが、交通の手配に問題が生じたことを理由に出席を拒否したという。4人は8月にヒューストンで行われる次回の公聴会で証言する予定。
リグは4月20日に爆発、2日後に沈没し、11人が死亡した。事故原因をめぐっては、トランスオーシャン、油井を所有する石油大手BP、リグの設置を請け負ったハリバートンが、互いに責任をなすりつけ合っている。
19日に始まった3巡目の公聴会では、関係者らが連日激しい議論を繰り広げている。リグ責任者らの弁護人は、調査団がこの責任者らを「利害関係者」に指定したことに反発。トランスオーシャンの弁護人は、調査団がリグのチーフ・エンジニアを脅そうとしていると批判した。
一方、20日には、あるBP関係者が、爆発前から防噴装置から油圧作動油が漏出するなどの問題があり、上司に報告したが、その後もリグの稼働が続けられたと証言している。
合同調査団は来年1月の期限までに結果をまとめ、違反行為が見つかった場合、連邦検事に報告することになっている。
★
『米下院議員、公聴会でBPのCEOを激しく非難-CEOは謝罪』
【ワシントン】4月に米メキシコ湾沖で発生した石油掘削リグの爆発をめぐり17日に開かれた米議会公聴会で、米議員らは英石油大手BPのトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)を激しく非難した。一方、ヘイワードCEOは原油流出によるメキシコ湾岸住民と環境への影響について「深く謝罪する」と語った。同CEOが公聴会で証言するのは今回が初めて。
Associated Press
米議会公聴会に出席した英BPのヘイワードCEO(17日)
下院エネルギー・商業委員会のヘンリー・ワクスマン委員長(民主、カリフォルニア州)はBPのヘイワードCEOに対し、米議会の調査団が「BPが取っていた膨大なリスクに、あなたが注意を払った証拠がないことを発見した」と指摘した。
この日の公聴会冒頭でのワクスマン委員長の発言で、原油流出による損害賠償資金としてBPが200億ドルを拠出することで前日合意したにもかかわらず、民主党議員の怒りを静めるためにはほとんど役立っていないことが示唆された。ワクスマン委員長はBPのこの資金拠出決定については評価したものの、他には何も好意的な発言はしなかった。
ワクスマン委員長は「当該油井の危険性について、あなたがごくわずかな注意さえ払っていたことを示す電子メールや文書は一つも見当たらない」と指摘。さらに、「あなたは同社のCEOなので、誰か他の向きに監督責任を委任していた可能性についても検討した。しかし、他の同社幹部が受け取った電子メールを調査しても、同油井での掘削活動に関する報告を受けていた証拠を見つけることはできなかった」と主張した。
ヘイワードCEOは同委員会に対し、今回の状況は悲劇だと語った上で、今回の原油流出による地域住民や環境への影響について、「深く謝罪する」と詫びた。4月20日に発生したリグ爆発の原因はまだ判明していないが、BPは当該油井の安全を確保するために「できることをすべて実施しており、適切な対応を行う」と言明した。
ヘイワードCEOはまた、崩壊した油井からメキシコ湾に流出している原油の封じ込めに向けたBPの直近の努力により、日量約2万バレルの原油封じ込めに成功していると表明した。同CEOはさらに、6月末までには同社は日量4万-5万バレルの原油封じ込めを目指し装置を設置すると説明した上で、「清掃に必要な費用をすべて当社が負担する」と続けた。
これに対し、ワクスマン委員長は「BPの言動は全く矛盾している。あなたの役割は安全性をBPの最優先事項とすることだ。しかし、あなたの指揮のもと、BPは最も極端なリスクを取ってきた」と激しく非難した。下院エネルギー・商業委員会はBPの「ディープウォーター・ホライゾン」リグの爆発について調査を実施している。
同委員会の雰囲気は、3万ページにわたる文書の調査など同委員会の調査によりBPへの批判が一段と高まっていることを示唆している。議会調査員の一人が指摘した電子メールでは、リグ関連サービスを提供する米ハリバートンからの「セントライザー」をほとんど使用していないとする警告をBP幹部が無視していたことが示された。
BPの掘削技術者からの電子メールによると、「誰も気にしない。もう起きてしまったことだ。それだけだ。大丈夫だろうし、われわれはしっかりしたセメント作業を行う」と記されていた。
マイケル・バーゲス下院議員(共和、テキサス州)はヘイワードCEOが「安全性が最優先事項だと述べていたが、実際、安全性は犠牲にされており、優先事項ではなかった」と指摘した。
さらに、マーシャ・ブラックバーン議員(共和、テネシー州)は「BPは過去の過ちから学んでいないようにみえる」と言及し、「BPは自然や機器の不具合、他の下請け業者を責めることはできない。BPの行動がメキシコ湾に依存する地域や企業の生活をリスクにさらした」と非難した。
★
『メキシコ湾爆発リグの作業員 ミス報告に対する措置恐れていた 』
メキシコ湾爆発リグの作業員 ミス報告に対する措置恐れていた(CNN) メキシコ湾原油流出事故をめぐり、沈没したリグ(石油掘削施設)「ディープウオーター・ホライズン」で働いていた従業員の多くが、リグの安全性にかかわる人為的ミスを報告することに関し、報告したことによる措置を恐れていたことが、爆発の約1カ月前に行われた調査の機密報告書で明らかになった。
CNNが入手した報告書の要旨には、「特に物を落としたことを報告することに関し、措置に対する明確な恐れがあった」と記されている。
また「危険な状況を引き起こし得る行為(何かをし忘れる、機器を破損する、高所から物を落とすなど)があった場合、それに対する措置の恐れを感じることなく報告できると答えた人は、調査対象者の46.3%のみだった」との記載もある。
報告書に詳しい人物によると、一部の作業員が、安全システムをごまかすために偽装データを入力していたことも明らかになったという。
この調査は、リグを所有するトランスオーシャンが、コンサルティング会社のロイドレジスターグループに委託したもので、3月12~16日に、リグ作業員の約半数に当たる40人を対象に実施された。リグは4月20日に爆発、2日後に沈没した。報告書が完成したのはその後の5月11日だ。
報告書は、「ディープウオーター・ホライズンは、安全管理の多くの基本的側面において、比較的健全である」と結論付けており、リグの安全文化の各項目では5点満点中、2.9~3.5点をつけている。
一方、22日付ニューヨークタイムズ紙によると、別のコンサルティング会社は、同リグの129種類の機器や装置のうち少なくとも26種類が「悪い」か「低質な」状態にあると指摘していたという。
★
『BPのヘイワードCEOに辞任説、会社側は否定』
7月26日11時6分配信 CNN.co.jp
ロンドン(CNN) メキシコ湾の原油流出事故をめぐり、国際石油資本(メジャー)、英BPのヘイワード最高経営責任者(CEO)が辞任するとの見通しが報道されたことに対して、同社報道担当者は25日、CNNとのインタビューでこれを否定した。
同担当者は、ヘイワード氏がCEOとして、同社経営陣の「全面的な支持」を得ていると述べた。
25日付の英メディアや米経済紙ウォールストリート・ジャーナルは、ヘイワード氏の辞任説を一斉に伝えていた。辞任発表については英BBCが「24時間以内」、英各紙は同社半期決算の発表予定日である27日までに行われるとの見通しを報じたが、いずれも情報源は示していない。
報道を受け、原油流出に対する米政府対策本部のアレン本部長は、BPの社内事情や個人的な決断については何も知らないとコメント。流出現場に近い米ルイジアナ州ニューオーリンズのランドリュー市長は、ヘイワード氏が事故への初期対応で批判を浴びたことを認めたうえで、「重要なのはトップの人事ではなく、BPが復興に取り組む姿勢だ」と強調した。
ヘイワード氏はBP勤続28年の経歴を持ち、2007年からCEO。今回の事故をめぐっては、「ふつうの生活に戻りたい」「(流出規模は)広大に海に比べて微々たるもの」などと発言して非難を浴びていた。6月に出席した米下院公聴会では民主、共和両党から厳しい追及を受けた。現場の対応責任者を6月から引き継いでいるボブ・ダドリー取締役が、後任のCEO候補として取りざたされている。
★
『英BPのCEO、辞任すれば退職金は1180万ポンドに=報道』
7月26日13時3分配信 ロイター
拡大写真
7月25日、英BPのヘイワードCEOが辞任した場合、少なくとも1180万ポンドを受け取ることになると英タイムズ紙が報じた。ワシントンで6月撮影(2010年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ロンドン 25日 ロイター] 25日付の英タイムズ紙は、BP<BP.L>のトニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)が辞任した場合、少なくとも1180万ポンド(1803万ドル)を受け取ることになると伝えた。
同紙によると、ヘイワードCEOは、ストックオプション54万6000株と長期インセンティブ・プランに基づいて付与される予定の最大200万株のBP株は放棄するとみられる。これらは時価で合計800万ポンドに上ると推定される。
BPのスポークスマンは、ヘイワード氏の辞任報道を「うわさ」としたうえで、同氏はCEOの地位にとどまっており、取締役会の全面的な支持を得ていると述べた。
関係筋の話によると、BPはメキシコ湾の原油流出事故の対応をめぐる責任を取ってヘイワードが辞任すべきとの決定を下しており、今後36時間以内にも退任を発表する可能性がある。
関係筋によると、BP取締役会は26日にロンドンでヘイワード氏の退任とロバート・ダドリー氏のCEO就任について協議する予定。現在、ダドリー氏はメキシコ湾で原油回収作業の指揮にあたっている
★
『英BPのCEOに辞任報道、処理コスト調達へ進む資産売却』
7月21日14時59分配信 ロイター
拡大写真
7月21日、英BPのヘイワードCEO(写真)に辞任報道が出ているが、広報担当者は否定。6月に米議会で撮影(2010年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ロンドン/ヒューストン 21日 ロイター] メキシコ湾の石油流出事故が会社存続問題にまで発展している英石油大手のBP<BP.N><BP.N>だが、トニー・ヘイワード最高経営責任者(CEO)が8月下旬にも辞任すると報じられた。
英BPのヘイワードCEO、8月下旬か9月にも辞任=報道
これに対し同社広報担当者はロイターに対し、ヘイワード氏は取締役会の全面的な支持を得ており、CEO職にとどまると述べた。
英タイムズ紙は関係筋の話として、CEOが8月下旬か9月にも辞任する見通しが高まっていると報じていた。ヘイワード氏の辞任を受けて、同業のエクソンモービル<XOM.N>やロイヤル・ダッチ・シェル<RDSa.L>からの買収防止策を強化する方針。後任のCEOには、メキシコ湾の原油流出事故で原油の回収作業を指揮している同社のロバート・ダドリー氏が最有力視されているという。
流出事故の処理関連コストをまかなうため200億ドルの調達が必要なBPは100億ドルの資産売却する方針で、20日には米アパッチ<APA.N>に70億ドル規模の資産を売却することで合意したと発表した。アパッチは米テキサス州、カナダ西部およびエジプトの石油・ガス資産を取得する。合意の一環として7月30日に現金50億ドルを支払う。
このほか、ベトナムとパキスタンの資産17億ドル売却も明らかにした。
訪米中のキャメロン英首相は20日、オバマ米大統領と会談し、メキシコ湾で大規模な原油流出事故で起こしたBP<BP.N><BP.N>に対する米国の怒りに理解を示しながらも、BPが強力な企業として存続することが英米双方にとって利益になる、と訴えた。
