昨日のお話の続きです。


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では、私はどう考えたのか、というと、loopなので、同じようなところをぐるぐる回っているループ(リボン状のテープがまかれているようなイメージ)で捉えられるんじゃないか、つまりloopの形容詞形なので、言語のloopに忠実に。それで、このcontext(話の文脈からすると)首相は、基地の県外移設を出発点にそれが最低目標だと言っていたのに、今や、元に戻って(少し修正して)また元の辺野古案が最終政府案になっている、その迷走の果てにloop状に戻ってきている、と言う意味だと・・・そう解釈しましたふっ。現に、その直前にある修飾語句をみると、


the hapless and (in the opinion of some Obama administration officials) increasingly loopy Hatoyama.


とあるので、オバマ政府高官の見立てでは次第次第に=increasingly に、また元の出発点にもどりつつある鳩山首相、と読める、と思った次第です。おんぷ


だから、別にクルクルパーなんて全然いってないんじゃないな・・・・青空コラム全体のトーンは非常に辛辣なテイストですから、まあ、意味的には揶揄する意味もはいっていたと思いますが、元の出発点に逆戻りを暗に指摘しつつ、ちょっと拙劣過ぎて信頼性にかけていてもはや国際的には誰にも相手にされていないんじゃないか、という皮肉を、同時に掛けてloopyと表現したのだと思います。(あくまで、私の個人的見解ですが)高菜


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ところが、これを国会で山本議員は、「愚か」ととらえてワシントンポストの記事を手で取り上げながら国会の委員会で政府を追及しました。叫び


愚か、ということばが独り歩き始め、先の辛坊キャスターのクルクルバー発言につながり、一国の首相をこきおろすのはどういうことか、という逆批判が今度は政府を代表して平野官房長官から示されましたメラメラ



え゛!Japan displeased by U.S. paper column calling Hatoyama 'loopy' と言う記事です。↓


Japan today

あせるその結果、今度は、ワシントンポスト紙が、これを受けて、別に愚かとかいう意味ではありませんよloopyとは、現実離れの意味です、 コラムニスト本人が説明した記事 がのりました。その記事がこれです。↓ま、このコラムでもいつもの調子で辛口論評をしているのですね。


タイトルは、ここでもIn the loop とあります。out of the loopというのは反対に蚊帳の外ということになりますよね。つまり、コラムのタイトル、in the loop というのはよく情報を共有し合っている、という感じです。


ここでまたこの文の和訳が「現実離れ」になっていますが、ちょっと違います。引用されているサウスカロライナ州知事の浮気問題での発言などを見ると、むしろ、よく事態が呑み込めてない人、コンテクストを共有していない人、と言う意味ですよね。in the loop との関連ではそう読めますし。むかっ


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この一連の騒ぎを見ていると、どうも、英語の日本語訳が誤訳を生み、その誤訳を元に、さらにそれが英語に戻され、さらに元の意味よりも遠ざかっていく、という哀しい現実があります。やはり、文脈ぬきで訳する、という営為は、止めた方がいいのかもしれません。!!

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