「ひとつの失敗で今までの信頼関係が一気になくなる」
これは非常につらいのですが、後で気がつくんですよね。私の読ませていただいているブログでも最近http://ameblo.jp/pinoko62/entry-10499514933.html ありました。
何が原因でどういう状況なのかはわかりません。でもこれは私にもあります。ずっと昔のことなのですが、自分では大切に思っている友人にかけた何げない冗談の一言が、命取り
。
最近こういう話を聞きました。
私はベネチアが好きです。特に夜のベネチアの運河沿いを歩いていて、暗い水にひきこまれそうな感覚、昼の運河の水のサファイア色。
この話もベネチアが舞台です。
ベネチアには、「バーカロ」という地元の人専用のワインを飲ませる小さな店があります。ワインといっしょにつまみも出す庶民のもてなしサービスの場所です。そこである店に行ってみるわけですが、そのオーナー(ジャンニといいます)が創業1462年。550年の歴史があるのですが、ジャンニは経験10年の39歳。
「オーナーになって10年、ようやくこの商売で大切なことがわかった。ワインに詳しいことでもないし、つまみの種類をふやすことでもない。お客が何を望んでいるかを知るよう努力することだ」
常連客を大切にすることがまず大事だと思っていたジャンニは、カウンターに立って、気さくに声をかけ、客との距離を短くし、「友達づきあい」をすれば、客は満足する信じて疑わなかったのです。
ある日、親しくしていた客の1人のゴンドリエ(ご存じですか?ゴンドラの漕ぎ手のことです)の背中に、イタズラで、「俺はほら吹き」と書いた紙をはりつけたのです。背中の張り紙に気がついたゴンドリエは、内容を読んで血相を変えて、以後2度と店には顔を見せませんでした。ジャンニにとっては、いつも冗談を言い合う客をからかっただけなのですが、客のゴンドリエは店の主人から侮られたと受け取ったのです。
ジャンニは今でも反省しています。「からかったり悪ふざけすることが、客と親しくなることだとおもっていたんだ。しかしあの出来事から私は学んだ。いくら仲良くても客とは距離をおかなくてはいけない。それが客をもてなすことにつながる。もてなしとは自分の気持ちを相手に押し付けることではないんだ。」
うーん。
これは「効く話」です。
私も似た経験をしました。
異文化コミュニケーションのポイントを突いている話です。
ちなみに、これは野地さんの「ヨーロッパ食堂紀行」という本のなかのお話です。
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