富士通の前社長さんが辞職したのだけれど、それが病気療養を理由にしていたのが、実はそうではなく(診断書もないらしい)この前社長さんが「反社会勢力」とつきあいがあったため、よろしくない、ということでの辞任強制だったということが判明し、前社長が辞任を取り消すという文書を発送するに至り、紛糾したという事件です爆弾


それで、前の発表が上場会社としての開示基準に反すると批判された事件なんですね。どこがいけないのかというと・・・はてなマーク


「不実」の辞任理由(病気だといった)ことを社長辞任理由として公表したのはいけない、ということで「富士通」が謝罪した、という『事件』です。


『Fujitsu』は、「不実」なの?問題になったというわけです。(ところで、この山口敏昭弁護士さんのブログ は非常にためになります。)


スッキリ解決!英語&文化のコミュニケーション・セミナー 間塚会長兼社長宛に送られた「辞任取消通知書」。富士通の発表とは異なる野副前社長の辞任理由と経緯が書いてあった(ダイヤモンドオンラインから引用)

ところが、この問題は、よくわからないことが多くいんで、実態はどうなっていたんだろう、と思っていました。一番内情を書いているのが、ダイヤモンドの記事 です。


これによると、取締役会が9時から開催予定のところ、8時過ぎに社長が「別室の会議室」に呼ばれ、その場で、反社会的勢力との関係を糾弾されて、やむをえず辞職することにした、との事実があるそうです。具体的には、その日、野副社長が取締役会に出席しようとしたら、本社32階来賓会議室に呼び出されたそうです。そこには、間塚会長、かつて社長および会長を務めた秋草直之取締役相談役に加え、社外取締役、非常勤監査役、法務本部長、そして山本卓眞元名誉会長の合計6人が集まっていたというわけです。


その後、取締役会が開かれたけれど、社長は他の部屋にいて、反社会的勢力との関係を理由に尋問を受けています・・・・という説明が役員にあって、みなさん唖然として、聴いていたそうです。


つまり、代表取締役(あるいは取締役も)辞めてくれ、という話が、当の取締役会で議論されたのなら、コーポレート・ガバナンスが効いている、ということになるけれど、「別室の会議室」で、そういうことが決まったというのは、あの、「何故だ?」事件の三越の社長解任劇よりももっと密室劇であって、全然ガバナンスが効いていないどころか、取締役会が機能していない(無視されている)という会社法上の大問題となるところです。


取締役会で、きちんと「反社会的勢力とのつきあい」の実体を明らかにしたうえで、取締役・監査役が議論して、疑われた社長からも反論ないし説明を聞き、その上で、判断するべきだったのではないか、と思います(議事録にも残ります)。そうでなければ、取締役や監査役は、正式判断の埒外に置かれてしまったことになるからです。


スッキリ解決!英語&文化のコミュニケーション・セミナー この図は、ダイヤモンドオンラインからですが、興味深いのは、この社外取締役に、かの有名な「野中郁次郎」一橋大学名誉教授や北川正恭さんが入っていらっしゃることです。当事者なので、何か発信されていれば、と思ったのですが、見つかりませんでした。

この詳細は、他のブログ に書いてあるので、そちらに譲りますが、企業の組織文化の中でのディープカルチュアとしては、何が見えるでしょうかはてなマーク


正式の会議の中での議論を忌避し、それ以外のunofficialな場で、物事と決めようというのは、一般的に「根回し」の手続文化として日本企業に根付いています。これは、このようなネガティブな時だけでなく、ポジティブな決定をするときでもいえることですね。


しかし、根回しの文化だけで説明できるものでしょうか汗


私には、会社組織には、正式の組織編制図には書いてない別の人間関係図があって、その人の了解がないと(本来は、別の部課であって、その人の了解など不要なんだけれど)コトが前に進まない、という「複雑系組織」が存在しているということ、そういう組織文化があるのではないか、と思います。


思い当たりませんか?「聞いてないぞ!」と言われても言う必要のない人でもそう言われると相談しなかったことがいけなかったみたいに思い込まされる、というか。あるいは、「幹事長」に聞かないと総理大臣でも物事がきまらないとか夜空


では、たとえば、アメリカでは、このようにCEOに辞任を迫るときに、どんな形をとるのでしょうか。興味がわきますあか


それは、また、次回に。

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