写真のソースはサンケイニュース です。
スノボ日本代表の国母選手。ドレッドヘアと鼻ピアスで出発して、公式ユニホーム着用で移動時に、腰パンルックだったということで、「服装の乱れ」を理由に入村式拒否、さらに選手団からの排除(辞退)まで議論されたけど結局橋本聖子団長の身元引受のおかげでどうにか競技には参加できることになりましたね。まだ競技はこれからだけど、凄いマスコミの反応でありました。![]()
やりとりとしては、
国母 「あーそれについて(服装の乱れについて)指摘されたので入村式には出ませんでした」
記者 「指摘されたことはある程度納得されてるとか受け入れたということなんでしょうか?」
国母 「チッ、うっせーな」 ←(これはNHKでは聞こえない、が、動画配信を見て音量を大きくすると聞こえる)
監督 「反省してます」
国母 「えっ」
監督 「反省してます」
国母 「反省してまーす」
これが悪印象にドライブがかかった原因でしょうか。![]()
それで、国母事件について異文化コミュニケーションの観点から考えてみました。
まず、このような場合、まず第一に、服装に違和感を感じて嫌だと思ったかどうか、マスコミ側の対応に違和感を感じたか、という「表層的なこと」に対する反応と、その裏に(奥に)潜む本当の意味内容までさかのぼって推測しそれを仮説してみる態度の二つが必要だということです。そして第2に、表層での反応にしても深層での理解にしても、どちらも「拒絶」からは何も生まれない、ということです。
そこで、まず表層から推測される深層にさかのぼってみましょう。(この第2のアクションの問題は別の機会にお話しましょう。)
このような状況は、実は他にもよく見かけます。たとえば、昔でいえば高校の制服問題、今でいうなら会社の無言のルールなど、自分の趣味がそれと合わないときに、どのような行動をとるか、という問題です。これを「ハナコさん問題」といいうのですが、まあ、テクニカルタームなので、内容は置いておきましょう。
普通この問題に対しては、一言で言うと、個人主義Individualismと集団主義collecticism という見立てをします。o(^-^)o
個人主義の場合、構成員はその組織目的を意識してそれから自分の役割を強く意識した結果、他の構成員とうまくやろう、ということで、「結果的に」集団の枠組みができあがります。
それに対して、集団主義では、まず組織ありきで、他の構成員との関係性維持をする中で、目的達成がはかられればよいと考えます。
集団主義でいけば、この場合、勝つ、という目的よりも、メンバー全員の良好な関係性を維持してこそ幸せになれるという深層の価値判断ですので、横を見る、他人の振舞にあわせる、問題あればいわれなくてもフォローする、という行動類型になります。
個人主義でいけば、この場合、目的が勝つということですから横を見ることは原則ありません。横を見て他人の振舞をみても自分の勝利に関係ないからです。ここでは集団の目的(日本が勝ってメダルをたくさんとるということ)から与えられているその個人の目的(自分がハーフパイプで金メダルをとるということ)とを一致させ、自分が勝つことが集団もハッピーになる条件だという価値観があります。
これから判断すると、マスコミや文科省大臣は、「服装の乱れ」はあるまじき行為として、集団から排除するロジックを展開していますから、深層には集団主義がある、といえるでしょう。
それに対して、一部の人は、いちいち目くじらたてる必要なし、勝ては官軍なので、試合結果をまってみよう、といっています。それは選手個人の勝ちを価値として第一義とし、そのために選手団があるにすぎないから、仮の集団である選手団の制服がどうのというのは枝葉末節と考えているのですから、個人主義といえます。
背後の深層には、何をハッピーと思うかについての、実は対立があるのですね。
そして、大きく人々の反応がこの二つに分かれているということ。つまり、より重要なことは自分が無意識のうちに、この集団主義か個人主義か、それを共通にもっている人たちのどちらかの「社会集団」にすでに入っている、ということです。![]()
このようにある事件やイベント、人間に対して、ある共通の価値観、感じ方、気持ち、思いなどを無意識のうちに共有する場合、それを「文化」を共有する、と言います。難しい定義はさておき、ここでは、まず、このように考えておきます。![]()
そうすると、国母クンの所業に対する評価の仕方は、表層の意見である反応の強弱の背後に、無意識に思っている自分の深層意識、共通する深層文化(deep culture)、がそこにあることに気づきます。
ここに,、異文化コミュニケーションがスタートするわけです。
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