トヨタでは二期連続赤字の後の大機構改革で、マトリクス型組織に変えたのだけれど、1人の役員(副社長たち)が北米販売と製造とか、人事と国内販売とか2足のわらじをはいて、並行責任を負うようになった、というのは有名な話です。
今回のリコールについては、誰のどういう責任になっているんでしょうか。
役員がそれぞれ二個の帽子をかぶると、どうしてもpower struggleが起きるんですね。上手く行った時はいいですが、まずく行ったときに責任のなすりあい。大きなグローバル組織をコンパクトに執行する時にはマトリクス組織は有効です。それでグローバル経営で図体が地球規模に大きくなったトヨタもマトリクス組織を採用したんですが、どうもそれが機能していないように感じられます。
トヨタでは、リコールのときは社長を引っ張り出さないという社内ルールだったそうですね。∑(-x-;)
では、今回のリコールは、北米販売担当役員の担当でしょうか?それとも製造担当役員でしょうか?それともヨーロッパ販売担当役員でしょうか(ヨーロッパでは早くから認識されていたらしんで。)
マトリクス組織の弱点はここにあります。![]()
それにもし、マトリクスにするなら、地球規模のグローバル組織に合わせて、役員も全員日本人というのではなく、半数は外国人にするべきでしょうね。そうでないと、日本人同士の責任なすりあい、空気で決定する雰囲気決済、事なかれの和ともって尊しとする「和」の考えが支配して、結局こうなるんですよね。グローバル化するなら人事もグローバル化して異文化コミュニケーションを厳しくやっていく企業風土を作らないといけないのではないでしょうか。そうしない限り、トヨタに今回起きたことはまた繰り返すと思います。![]()
これもまたファイナンシャルタイムズの記事ですが、
『会社の方針として、リコールについて話す際には社長を引っ張り出さないというのがトヨタの考えだ。
前出のデゼンホール氏は、レンツ社長がメディアに登場したことに「感心した」と言うが、顧客は「会社の幹部たちが自分たちの不安に対処するために時間を惜しまず働くのを見たがっている」とつけ加える。
デゼンホール氏は次のように話す。「日本とドイツの自動車メーカーには、病人に対して気持ちのこもった接し方を求める米国市場のニーズを馬鹿げたもの、重要でないものと見なす傾向がある。彼らは結局、そのパーティーにかなり遅れてやって来る羽目になる」
うーん
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