先日「皮膚の消毒は本当に必要か?」という問題を考えて、たまなわクリニックの佐野先生から、そんなの不要だよ!ということを聞いた話、ではどうすればいいかというと大量の水で洗浄すればそれで十分で、下手に消毒薬という「毒薬」をぬる必要なんかないんだ・・・という警告を聞いたことはお話しましたよね。


リステリンというのはマウスウオッシュつまり口腔消毒薬なんですけど、ご存じでした?歯石予防にもなるということで、歯磨き後にリステリンでうがいをする、ということが歯科医から勧められています 。でも同じ相談を受けた歯科医でも30秒も口の中でリステリンをぶくぶくやるだけで、口の中が火傷したかんじがしたと告白しています。あまり効果がないのでは、と遠慮がちに診断されてましたが。
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実はこのリステリンは、1827年生まれの英国の外科医「リスター」の発見、というより学術発表に由来しています。このリスター医師の発見というのが、当時外科手術後に傷が膿を持つのが普通だったらしいのですが、それが手術前に石炭さんの溶液に浸した布で覆っておくと膿まないですむ、ということを発表したわけです。


でも本当は今では石炭酸には殺菌力はゼロであることがわかっています。つまり実は最近が滅菌したのは石炭酸のおかげでななく、その時に用いた大量の湯による洗浄効果だったというわけです。その当時、それがわかる時代ではなかったんですね。その後、水銀(つまり赤チンのことです)、ヨード(ヨーチンのことです)などが殺菌効果ありということで広く消毒薬が使われ始めたのですが、りスターはある重要な事実を誤認していました。細菌に有毒なものは人体の細胞にも当然有毒だということを。、


でもりスターはその業績で英国貴族に列せられ85歳まで生きたということです。「勘違い」でも貴族になれる、ということなんですね。
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では本当に細菌だけに作用して人体に影響の少ない殺菌剤があるのです。それは何でしょうか。それが抗生物質です。ペニシリンなどですね。それで感染症が大幅に激減、欧米では今までの消毒の概念が全く誤っていたことに気づき、洗浄の大切さが見直されたのです。


問題は、この事実が日本ではどの程度知られているかということです。


この事実は直ちに欧米の医学書には掲載されて所謂欧米列強の植民地諸国の医学界では、その宗主国の医学教科書で勉強せざるを得ないので、それらの植民地諸国の医学常識が一変したわけです。でも日本は宗主国などいない植民地化を免れた国です(タイとエチオピアと日本ぐらいのようですね。)


植民地にならなかった日本は素晴らしい独立を確保したけれど、多くの悲惨な死体から取り出された真実の情報に対して日本人は無関心だったようです。日本人の妊産婦でフィリピンで赤ちゃんを産んだ人が出産がすんだらすぐに入浴させられたそうです。それどころか、帝王切開の後翌日には抜糸前でも入浴したとのこと。脳外科や整形外科でも同様。


今や日本人の殺菌の常識は、世界からみると異文化そのものになってしまっているのですね。なにしろ日本の医学教育の現場でも先輩から皮膚潰瘍には消毒を、と習っているそうですから。


このことを聞いた後、それは違うでしょう、ウソいっちゃ困る、ちょっときついがリステリンは効果あるし、赤チンは水銀なんかじゃない、そんな有毒なものから作られているはずがないという人もいるでしょう。自分の中の異文化対応パラメーターが赤になっています。


そうかな、でも赤チンは手放せない、リステリンは嫌い、消毒薬は必要,、長年の習慣だから、水で洗うだけでは不十分と思う人は、黄色。


そして、そうか消毒薬は毒薬か、そうだそうだリステリンの酷さは薬とは思えない、それなら怪我しても大量の水での洗浄だけにこれからはするぞ!消毒薬不要という人は青色。


さて、日本人は、どの色に染まる対応をとるでしょうか。自分と周囲の異文化対応が問われる場面なんですね。こういう事実論を基礎していても、なお、異文化コミュニケーションが出てくるところが、非常に面白いところです。
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