文化とは何か、というのはよく聞かれる質問です。ちょっと難しいかもしれませんが、少しアカデミックにとらえてみましょう。(*⌒∇⌒*)
「文化」というのは、ヒトの行動様式のことで(思考様式も含む)自分が無意識のうちに自動的にノーマルだとおもい、同じ社会の他人もそれに違和感を感じないで当然の行動(思考)と思うことがらであって、前の世代から引き継がれていて、他の人も共有する、行動(思考)のパターンあるいはコンピュータに例えて言うと、社会的に組み込まれたオペレーシングシステムである、ということができます。少し長すぎますか?
学者によって、文化とはいかようにも定義されていて、たとえば、平野健一郎氏の著書国際文化論(東京大学出版会)によれば、「文化とは、後天的・歴史的に形成された、生きるための工夫であり、集団の全員または特定のメンバーにより共有されるものである」とされています。![]()
ここでのポイントは、後天的・歴史的に形成されてきたことと集団メンバー全員で共有していることです。しかしこの定義に従うと、イタリア文化だとか、アメリカの文化だとか対象化して言う場合は、わかりやすいのですが、実は日本人がイタリアに行って、日本製品をイタリアで売る時に、ユーザーであるイタリア人の美意識だとか当然こうなるはずという無意識の操作の流れなど、その人たちにどのように歩み寄るか、適合させるか、ということがとても大切なのです。
欧米芸術の文脈にのっとって日本文化を翻訳する能力が必要ということをいっているのは村上隆氏「芸術起業論」でして、芸術とはいえ、マーケットの中で生きていくと決めたら、とらざるを得ない戦略なわけですね。このような考え方は、身も蓋もないので反対論があるかもしれませんが、海外に販路を見つける以上、海外のルールとか文脈などを、理解したり、外したり、守ったり、裏をかいたりしていく必要性をあるのです。だから、彼が言っていることは別に極論でもなければ、芸術への冒涜でもないと思います。
こういう文脈の読み込みについてメーカーや商社はフォローできておらず、外国市場での要求について知っているようで、知らないのです。製品開発のための文化理解がとても大切なのですが、これが無意識の深層文化なるがゆえに、実はかなり難しい。この点はシッカリと押さえていきたいと思います。