無意識下の常識を疑い始めると実は当たり前と思っていたことを疑うことからコトが始まるのです。それが自分たちの文化に対する異文化理解の作法であり、違う事柄の在り様に対する私たち自身の「態度」attitudeを考える最初のトバクチになります。o(^▽^)o
たとえば、皮膚の消毒は私たちの文化では当然のことです。日本の家庭の救急箱には切り傷擦り傷など怪我の時使われる常備薬として消毒薬がありますよね。学校の保健室の常備薬も同じですが、そこには赤チン、ヨーチン、エタノールなどのアルコール、泡の出るオキシフルがありますよね。
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でもこれら消毒薬は実は消毒薬としての「作用機序」つまり働きとしては、蛋白の変性作用にあります。それは実は細菌の蛋白だけに特異的に作用するのではなく、通常の皮膚にも作用します。つまり人間の細胞を瞬時に死滅させる作用も同時に発揮しますので、早く言うと、つまり毒薬です。人によってはカブれたり、傷口から吸収されて中毒症状を起こすこともあります。ヨーチンなんか傷口に浸みて浸みて凄く痛かった経験ありませんか?痛がる子供に我慢させて塗りまくるのは、はたして有効なのでしょうか。
今では潰瘍はいくら消毒しても細菌がなくなることはないとされています。(@_@)
ほとんどの場合培養される細菌はただ住んでいるだけで(colonization)で感染は起こしていないのです。だから皮膚潰瘍の治療では消毒は有害無益だということ、これは最近の医学界では常識なんですが、ご存じでしたか?だから消毒しなくてもいいとなれば、入浴も何ら問題ないことがわかります。もちろん入浴後も消毒不要です。皮膚の消毒が必要なのは、手術前ぐらいだというのです。(済生会横浜市南部病院皮膚科部長 木花 光先生)
ではどうすればいいかというと、そうなのです。傷口をまず水で洗うのです。消毒しないのです。その日はシャワーのみ。翌日は患部を温めても痛くないので、普通に入浴する。そのとき患部をビニールで巻いて入浴することがあるが、これだと傷の治りを遅くしてナンセンス。そうこうしているうちにかさぶたができれば傷バンをつけるのもおしまいになるというわけ。もし途中で赤く腫れれば何かの原因で 黴菌に負けているのですぐ病院で手当てを受ける、という手筈になる。どこにも消毒のショの字もないのである。最近の小学校の保健室の指導や治療もこうなっていて今や消毒薬は不要なのです。
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私はこの話は、行きつけの名医「たまなわクリニック」
の佐野豊医師に教えてもらうまで、全く知らなかった。これを「救急箱の怪」と言います。
さて、この「救急箱の怪」を聞いたあなた、どうしましょう。
これを聞いて、ウソ!と思って拒絶しますか?=decline
あ、そうなの?そうかもしれない(でも私は今まで通りやる)=acceptance
そうだったのか!これからは消毒など止めよう。=adaptation
この場合、大きく分けてこの3つの態度に分かれます。これが異文化受容の③ステップです。これは別に直線の進化形をいっているのではありません。対応パターンに3つあるということです。聞いて、見て、その異様さと受け入れ難さのショックが大きいほど、declineに行きますよね。でも人によるんですよね。そこが面白いところです。それから後は、また別の機会にお話しましょう。