山の神さまのこと | 北インド☆ゆるヨガライフ

北インド☆ゆるヨガライフ

ヒマラヤで出会った夫と、北インドローカル暮らし8年目。
お見合いが主流のインドで年の差婚、3度の流産、文化や習慣の違いに奮闘中。
スラム支援のNGOで働いたり、子宮腺筋症と共存しながらゆるーくヨガを続けたり。
40代インド生活の気づきと学びです。

年末も押し迫って参りました。

 

例年ながら、年末感の薄い北インド生活。モールなどは変に混むので今年も行かず、気づけばクリスマスツリーも見ていない。。

 

 

家ではツリーの絵を描いてお祝い。

 

町外れの教会からサンタの行進!珍しい光景にびっくり!

 

 

夫がケーキを買って帰って来てくれた❤︎意外と美味しい。

 

 

例年より天気も悪い気かも。大掃除どころか、普段の手洗い洗濯が辛い。洗濯物も3日は乾かず。その上夫の実家での体験がモヤモヤし続けていて笑、消化しないと動けない気分。

 

 

そこで前回の続き。まだ未消化な経験ですが、良かったらお付き合い下さい。

 

 

村滞在の最終日、夫の叔父(義母の姉の旦那さん)のお宅に伺った。退院したばかりのマッスルジー(叔父さん)のお見舞いに行くということだった。

 

一家を訪ねるのは3回目。亡き叔母の2人の息子(従兄弟)が、隣接する2件の家に暮らす。1軒目の長男は何かと頼れる警察官。今回も、皆でサンニの結婚式の話し合いをしてたみたい(分からない私は、聞いてるフリ)。

 

隣の2件目がマッスルジーと次男の家。かくしゃくとした89歳?のマッスルジー、右手の点滴の跡が痛々しいけれど、意外と元気そうで安心した。

 

 

けてどこの後、お義母さんが家の中においでと言うので、ついて行くと。

 

そこには大きな祭壇がある。ここは前も入ったことがある。叔母さんの遺影も飾られていて、前回はこの写真を見てマッスルジーが子供のように泣いていた。

 

 

祭壇の前に、今回はバビジ(次男の嫁)が座っていた。お義母さんと何か話していて、そのうち顔をドゥパタ(頭を被うスカーフ)で隠して何か呪文の様なものを唱え始めたのだ。

 

いつものプージャ(祈祷)か?と思ったたら、どうも様子が違う。膝の上で組んだバビジの両手が小刻みに震え始めた。中にはさっき細かく刻んでいた白い紙が入っている。シャ、シャ、シャと紙を上下に振りながら、前かがみになっていく。

 

「ババジ(修行僧さま)」とお義母さんが話しかけた。

 

「なんじゃ。聞きたいことは」と、

 

いつもとは違う低くて張りのある声で、従姉妹が答えていた。

 

それからお義母さんと山の神さまの対話が始まった。どうも巫女さん?らしい従姉妹が媒体となって。

 

 

噂では、 ヒマーチャル州には代々伝わるシャーマンがいると聞いたことがある。ヨガの先生も言ってたし、チベット圏の本を読むとよく出てくる。検索すればドキュメンタリー映像も色々ある。

 

でも従姉妹がシャーマンだよって、何故夫は一言教えてくれないの?

(こっちからは絶対聞かない笑)

 

神さまのセッション中、申し訳ないが全く落ち着かず。

 

しばらくして、ようやく夫も義母に呼ばれて部屋の中へ。神妙な顔をして、全く普通にお告げ?を聞いている。その様子を見て、夫にとっては普通のことで、私に言うまでもなかったのかもと察した。

 

次に義母は、弟のサンニについて質問したようだった。するとサンニはうなだれて、肩を揺らしながら祈るように聞いている。

 

 

質疑応答?がひととおり終わった後、従姉妹は手に持っていた白い紙片と、祭壇のお香の灰を包んで私にくれた。義母が「毎朝、これを白湯に溶いて飲みなさい」と(紙って飲めるの?)

 

私たちの番が終わり、次はお手伝いに来ていた親戚のT君の番。「今はパッとしないけど、ちゃんと勉強すれば大丈夫」の様な事を言われていて、図星の本人はクスクス笑って聞いていた。

 

外へ出ると、近所の人たちが何人か、お告げセッションの順番を待っている。人気なのね?笑

 

 

この従姉妹、親戚の中でも一番働き者で、いつもせっせとご飯を作り、お茶を配り、水牛の世話をし、儀式の準備を手伝う人。その彼女がまさか巫女さんとは。

 

でも他の女性たちと違って無駄なお喋りはせず、いつも穏やかな彼女が好きなので、何となく納得ー。

 

夕方になり、彼女の2人の子供たちも帰って来て、折り紙をして遊ぶ。純粋に私が来るのを楽しみにしてくれているのが伝わって、面倒な大人の世界には戻りたくないなぁと思う。笑

 

 

この日の夕方、夫と村を後にすることに。

 

最後の最後まで、従姉妹の家からのタクシー代を誰が払うかでゴチャゴチャやってる義母と夫。多分、たくさんの苦労を共にして来て、強い信頼関係があるからこそ喧々諤々やれるんだろうけど、よく分からない私はドギマギ。あー疲れる。笑

 

言葉が分からない方が害が少ない気がして、パハリ語(方言)はなるべく聞かないようにしている。お告げもさっぱり分からなかったけど(山の神さまは方言で喋る笑)、

 

夫によると、お義母さんが「孫は生まれるんでしょうか?」と聞き、「大丈夫だ。毎朝これを飲めば元気な男児が産まれるだろう」と、あの紙片と灰をくれたのだとか。

 

そんな無茶な。笑

 

 

帰り道、タクシーの待つ山道までを下っていると、

 

ガサガサ、ガササーーっと

 

頭上で木が揺れる音。何の野生動物かと見上げたら、お隣りのお嫁さん、勇ましくも地上5メートル付近で木の枝を払っているところだった。ハシゴも命づなもない。

 

ナマステー、これから帰りまーす。と言って通り過ぎたけど、やっぱり村の女性ってあんな高い木に登るんだ!(前にYouTubeで見た)夫に聞くと「別に。木に登ってるだけでしょ」って。

 

 

巫女さん、木登り女子に、子供産め婆さん、、、

 

色んなものを見た夫の村。

 

帰って来てから夫には、もうお腹いっぱいでしばらくは村に行けそうもないと伝えた。

 

2019年はインドで結婚式を挙げた年。

 

親戚付き合いが始まると共に、魔界の扉が開いたような笑、想像以上の展開に、何かに試されているような気がするのでした。

 

山の犬はモフモフで可愛い。