楽しむこと、生きること。 | 北インド☆ゆるヨガライフ

北インド☆ゆるヨガライフ

ヒマラヤで出会った夫と、北インドローカル暮らし8年目。
お見合いが主流のインドで年の差婚、3度の流産、文化や習慣の違いに奮闘中。
スラム支援のNGOで働いたり、子宮腺筋症と共存しながらゆるーくヨガを続けたり。
40代インド生活の気づきと学びです。

お祭りラッシュの10月も、残すところは27日の、インド最大の祝祭ディバリ祭(Diwali/ Deepavaliとも言う)のみ。

 

電飾は大家さんがウチのベランダに付けるので、用意するのはディヤと言う、中にギーと綿の芯を入れて火を灯す、小さな陶器の灯りたち。それを家の周りの至る所に飾り、照らす。

 

ディバリでは、富と繁栄の象徴、ラクシュミー女神を讃え新年を祝う。玄関には女神の足跡をモチーフにした飾り物を飾り、カラフルなおが屑でランゴーリという床絵を描く。4度目の今年は少し落ち着いて静かに祝いたいけれど。

 

この近所は賑やか過ぎるので、どうなるかなー。

 

快晴が気持ち良いこの頃。

 

ご近所さんと言えば、ウチのアパートのお向かいさん。お嫁さんが毎日屋上で洗濯物を干すので、ちょうど部屋が3階の私は毎日顔を合わせる。スタイルが良く、キビキビ働くパンジャービ美人。屋上で物憂げに長い髪をとく姿(この辺の人はヘアドライヤーとか使わない)に、密かに「ラプンツェル」と呼んでいた。笑

 

その屋上のラプンツェルに、最近笑顔が増えた。ベランダ越しに隣の奥さんに話しかけたり、表に来る野菜売りのお兄さんと値段交渉したり、以前の塞ぎ込んだ様子がない。

 

珍しく大人しいタイプの人かと思ってたら、この数年は色々あったのかもしれない。今はきっと、落ち着いていて、何か良い事でもあるのかも。

 

 

良い事と言えば、小さな商店を営む大家さん一家。3世代で、息子2人の家族と暮らす。下町チックな一家だけど、下の弟さんだけはポロシャツの襟を立てて着るタイプで笑、弁護士だとか。その弁護士くんが、タタ社のSUVを新車で買った。

 

狭い路地にドドーンと駐められた新車の真っ白いSUVは、邪魔だけど圧巻。最近では長男の子供たち(いたずらっ子のナマンも)は、皆でこの車で通学・通勤する。前はオートリキシャーでぎゅうぎゅう詰めで通学してたから、きっと嬉しくて誇らしいだろうなぁ。

 

ナマンは以前、ウチの夫のバイクのウィンカーをへし折った疑惑(しかも2回)がある小学3年生。これで彼の反抗期も終わるだろうか。。?

 

「息子がヤンチャ過ぎる」「お義母さんが口うるさい」と悩んでいた長男の嫁のバビジーも、こないだ台所で冷静にお義母さんに反論してる声がしてた。みんな少しずつ、努力は報われるんだね。

 

さらに良い事と言えば、上の階のお兄ちゃんが付き合ってた彼女と結婚して、ついに!部屋にエアコンを取り付けたこと!!(この町ではエアコンはとても珍しい)

 

取り付け方は斬新で、外から見ると壁の穴から上方にホースが伸び、屋上に無造作に室外機を放置。どんどん屋上が荒れて行く気もするが。。まぁ、いいか。

 

とにかく「保守的な下町」だと思っていたこの三丁目。以前は見えてなかった事や少しずつの変化に、本当にちょっとずつ、私のしんどさも解れて来た気がする。既婚女性は1日中パンジャービ・スーツという民族衣装を来ていたけど、今は家ではTシャツ&ズボンの女性が増えた。そんな事だけでも、大分気が楽に。

 
 

モールもディワリ仕様で象がお出迎え。

 

 

ディバリ直前、町はどこも賑わっている。でも今年は法規制が厳しくなって、マーケットの露店は3割程減った。それでも中国製品などの種類が増えてる。

 

モールは富裕層向けの店がどんどんオープン。トイザらス!やスタバ等もオープンし、ようやく強豪出った感じ。大規模店はお高い商品が豊富。こういうの日本のホームセンターで見た!って感じの装飾品を、インド国内で初めて目にする。

 

工芸品も布製品も、インドの地方都市より日本の方が手に入りやすい。町の小さな商店は生活必需品しかないので、手工芸品などは限られた場所にしかなかった。でも大型店の進出で、小売店は変わっていくのかも。

 

見慣れた看板を見ると安心する。

 

 

キラキラした新しいお店で、日本と変わらない(むしろ高い)値段の商品を手にレジに並ぶ時、私はちょっとモヤっとする。と言うのは、北インドの農村出身の夫と結婚してから、私の家計のやりくりには新たなフロンティアが出現した。

 

男と女はバランスだ。妻と夫もバランス。ヨガもバランス笑。お金も家族も、みんなそうだろう。

 

崩れなければ、どういうやり方でも良いとは思う。

 

私はなるべく夫の収入内で家計をまわしたい。私のなけなしの貯金は共有してない。どうしても必要は時以外は、旅行も夫が出せる予算の場所を巡る。まぁ少しずつ、色々な変化に合わせてバランスを変えながら。

 

カルヴァチョート祭の前夜、マーケットにメヘンディを施してもらう女性が並びます。

 

 

夫は先月メーカーの直接雇用になり、保険と年金は付いたけど手取りは減。ノルマもあり、お祭りシーズンは繁忙期。そんな日々の中で、昨日ポツリと呟いたのが、

 

「僕は今、楽しむことを忘れてる。」

 

「本当は楽しんで生きたいのに。」って。

 

。。返すコトバが見つからず。

 

 

彼は今、頑張ってお金を稼ごうとしてる。私と結婚してから、思いもよらぬ出費が増えたことだろう。「家庭の出費を一身に賄う」のが、インド人男性の責任と言われて来て、それを素直に実践する夫。

 

他人(私)やお金のために、犠牲になんてならなくて良いよ。

 

そう言いたかったけど、言えずに仕事に送り出した。口ではああ言ってても、仕事を楽しんでるのも、自信があるのも知ってるから。

 

ただ、私がまだ色々と不安になって彼にワーワー言うので、夫を不安にさせてるんだろう。ごめんなさい。

 

この生活を壊したくないから、不安になった。まずは適応しなくちゃと、自分を抑えて我慢した。仕方ないと遠慮もしてきた。どうせ無理と諦めた。楽しむことより、現状維持でジリジリしてたのは私の方だ。

 

インド人に「楽しむことを忘れた」なんて言われた日には、ちょっとショック笑。

 

 

私の不安なんて、本当に妄想でしかない。

 

事実でも未来予測でも何でもない。

 

 

実際に、この三丁目で何年も暮らせてるし、インドの環境も少しずつ良くなり、周りの人たちとも、適度な距離で共存できてる。

 

ヒンドゥーの儀式も抵抗をなくせば自分流に楽しめて益々面白くなってきたところ。

 

カルヴァチョートの断食も、空腹や「不足感」への怖れと向き合い、それら余計なものを手放し、結局は自分の身体への信頼を取り戻す機会になる。贅沢なメンテナンスが自分で出来る素敵な習慣だと思う。

 

 

月に向かってお祈りする女性をメヘンディしてみた🌛

 

 

未知な物事への怖れに石橋を叩きながら、結局は渡れてしまっている。だったら叩かず、笑いながら余裕で渡りたい。

 

何となく。

 

「不安」という認知の歪みのスパイラルを、逆巻きに向けるポイントに立った気がする。

 

 

4度目のディバリは、自分の頑張りと、夫の愛と、信頼するこの世界に、心からの感謝の祈りを捧げようと思う。

 

モールで出会った女の子。試練も出会いも、与えられる全てに感謝して生きます。