日々、照りつける強い太陽光線と乾季で極度の乾燥にさらされているせいか。それとも今日、久々に友人と会って笑い過ぎたのか…笑。
目の下の、今まで見たこともない場所に、初めて見るシワを発見。
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何故だか、そんなに「ヤダー」って感じじゃなかった。つい去年までは、白髪も許せなかったのにね。
まじまじ鏡を見るのも久しぶり。着ていく服に悩んで2、3度着替えるなんてのも。そんな日常、しばらく忘れていた。出かけられること、歩ける自由、元気な顔で笑えること。それだけで、ただ嬉しい。
健康でいることが当たり前と思っていた頃、日常を楽しめてたかな。人からどう見えるかとか、そんな事ばかり気にしてたかもしれない。今は家事と日課で十分な毎日、でもあの頃はそんな「退屈な」こと、想像すらしなかった。笑
やりたい事、行きたい場所があり過ぎた。何でもできた筈なのに、できない事にイライラしてた。まだ見ぬ景色を追いかけて、今あるものや、与えられているもの、それが見えずに空虚になった。
欲しい、欲しいと求めても、見合わないものは来てくれない。一度執着の塊になってしまったら、今手にしているもの、そして唯一無二のはずの自分まで、価値のない、つまらないガラクタのように思ったり。それで抜け殻のままで、自分の外に救いを求めて、親しい人を試したり、刺激ばかりを求めたり。
当然、身体もこわれるのかもしれない。「自分を大切にする」って言葉が気になり始めても、やり方を知らなかった。たぶん、家族の誰も知らなかったのだろう。どこかで見た仲の良い家族のような、無条件の愛情に憧れて、それを恋人に求めても、依存されたり依存をしたり。人との境界をうまく作れなかった。
一番見えていない時に、身体は素直に教えてくれる。無理してるよー、向き合っていないよって。必要なことを、必要な時に。だから大切な自分の身体が教えてくれること、不調や病を怖がることはなくなった。何かの「罰」だとも、もう思わない。良い悪いはなく、理にかなったシステムなのだと思う。気付いていたいし、今度はどこまで高められるかが、私の次の挑戦。
会社員をしてた頃、「体調管理がなってない」って考え方がメジャーだった。その人が怠慢だという理屈。今思い出すと、何だか冷やっとする。9時-5時+残業時間で計算したら、そうなのかもしれない。でも機械じゃないよ、人間だもの。みんなが繋がる社会だもの。巡り巡って、その人に来ているだけ。切り捨てられる社会は苦しい。繋がりなんて見えないフリで。
「当たり前」に出来なきゃいけない事が多すぎて、ノルマが多すぎて、24時間何でも手に入る便利な社会になったのに、生きて行くのが辛いなんて、私だけ狂ってるのかと疑ったよね。でもやっぱり、違うと思うんだ。
今日、目の下の変てこなシワを見つけて、私はちょっと安心してる。年を取ることさえ想像できなかった、ギリギリの毎日は、ずっと前に終わってた。何かを成し遂げないと認められず、キチンとしてないと愛されないと、自分を小さく閉じ込めて。大事な事を履き違えてたし、言われることを鵜呑みにしていた。
何がなくても、愛されている。生まれて来た時から、命のある限り。そのことを学ぶために、命を得るのかもしれない。楽に便利に豊かになるため、だけじゃない。何でも手に入れるためでもない。生まれ持ったこの命が、無限の愛であることを知って、気付いて広げて繋がりながら、私たちは生きている。そんな風に思いたい。
インドの人たちを見ていると、照りつける強い太陽と、極度の乾燥にさらされて、刻まれたシワのその奥に、キラリと光る瞳が見える。泥や埃で汚れっ放しの、路上の子供たちの目に、見たこともない力強さ。どんな物より尊い光が、その奥に見え隠れして、心をつかんで離さない。こんな不便な土地、不潔な場所、野蛮な事件の多発する、貧しい人たちの国、でも、どんなに忌み嫌っても、ずっと問いかけて来るようで。
目に見えないものが、見えているか。
愛想笑いなどなく、真っ直ぐに見据えて来る視線は、私には怖ろしかった。何かを見透かされるようで、小手先を見破られそうで。いまだに怖くて好きじゃない。好きじゃないけど忘れられない(変な人もいるから気をつけなきゃだけど笑)。
かすかに見える光は、私の中にある光。ここで見る希望は、私の中に眠っていた希望。小さく縮んで固まっていた、生きる力が呼び覚まされる。知らなかった世界に、出会ってしまった人たちに。それは不思議な、永い冬眠から覚めて行くような感覚。
周りのせいと駄々をこねて、現を抜かしていた時代は終わった。シワと白髪だらけになって、現実世界に戻って来ちゃった(浦島太郎の「続編」みたい)。便利なものはないけれど、終わらない喜びがある。朽ちないものもないけれど、果てしない光がある。壁も苦労もあるけれど、命を使う意味がある。
シワはイヤになっちゃうけど、年を取るのは楽しいのだろう。
いっぱい越えて行けるのだから。笑
オールドマナリの森で、山羊追いしてたアンティ。北インドの人は、何かあったかい。