「部分のみの丈夫は全体をこわす」 | 流れるまんま

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整体ナビゲーターゆにちゃんの日記

「部分のみの丈夫は全体をこわす」
 
月刊「全生」 平成30年4月号より転載

前文略

 人間の体は、唾液が余分に出ればよいとか胃液が余分に出ればよいとか言っても、体の自然のバランスで自然に出ているからよいのです。それを熱だけ下げようとか、小便だけ出るようにしようとかいうようなことを思念して出したとしても、体としてはバランスを破ることになるのです。

 今はそういうことが流行っている。胃袋が丈夫ならよいとか、心臓が丈夫だからよいとか言う人がいますが、心臓が丈夫だからよいということはない。心臓に応じた丈夫さがなければ、心臓だけ丈夫なら、それはこわれてしまう。胃袋に応じた全体の吊り合いがなければ、胃袋だけ丈夫だったら、じきに自家中毒を起こすなど他の病気の原因になってしまう。体の或る部分だけが丈夫だというのは、やはり体にとっては異質なのです。こわれている状態なのです。

だから、これは胃に効く薬、若返る薬などと言ってその部分だけ刺激しているというようなことは、体の構造を知らないのです。そういうことで体を却ってこわしてしまう。体はこわれないようにと注ぎ足した分だけどこか他を弱くして調節しているから、すぐにこわれるようになる。だからホルモン注射をした人が癌になりやすくとも、何とかいうホルモンを注射した人が早く年を取ってもそれは不思議ではないのです。体にとってはそれしか護りようがないのです。だから体の或る部分を丈夫にしようとするようなやり方は少なくとも本当ではない。

以上、転載終わり