「アキレス腱の緊張」と聞いて、
みなさんは何を想像しますか?
筋肉のことなので「運動のし過ぎ?」
のような運動系のことを思い浮かべる方が多いようです。
私たち整体師なら、こんなことを想像します。
冷え、頭の緊張、不安、恐れ、自律神経、睡眠の質の低下、
糖尿病、うつ、橋本病、卵巣の不調、腰痛、胃痛、瞳孔の拡張、
低体温、がんなどなど、あげればきりがありません。
全く関係がないようなことが、直接的、間接的に
「アキレス腱」というキーワードと繋がってくるのです。
アキレス腱は下腿三頭筋という大腿骨から始まる腓腹筋と
腓骨から始まるヒラメ筋がひとつになって、
かかとの骨にくっつく部分の腱のことなのですが、
当然、膝や足首の動きにものすごく関係が深いのです。
足首や膝の関節が痛む原因にもなりますよね。
そして、この動きの悪さはその上の骨盤・背骨にも
影響していくのは簡単に想像できます。
足首でいうと足首の動きは股関節と密接な関係があり、
この股関節の動きが付近にある内臓、つまり卵巣の血流に
まで影響を与えるのです。
分かり易く言えば、陸上選手が生理が止まりやすいのは、
アキレス腱の緊張→足首→股関節(骨盤)→卵巣→生理のトラブル
ということなのです。→運動を止めると生理は元に戻ります。
これだけではありません。
足首の動きの悪さは、骨盤の動きに影響を与えるのですが、
この骨盤の動きは自律神経に関係しているので、
肉体的、精神的、すべて体全体に影響を与えてしまうのです。
アキレス腱が緊張すると人は前重心になるのですが、
こうなると頭の緊張が起こり、興奮するようになっています。
「位置について、よ~い、ドンッ!」
の「よ~い」の時、足の親指側に力入れてるでしょ?
これ交感神経を緊張させるためです。
逆に、「休め」はかかとの外側ですね。
これは頭の緊張の抜ける姿勢なんです。
逆に「足がすくむ」のように
頭が緊張しても「アキレス腱」は縮みます
足を冷やしてアキレス腱が緊張する頭が緊張します。
当然のことだけど、眠りはゆるみなので、
この緊張で眠りの質が低下して、どんなけ寝ても眠い状況が続きます。
あとアキレス腱が片方だけ縮んだら、体が捻じれます。
このねじれた影響で、泌尿器系に出てきたり、
気分的なことでは「頑固」になります(笑)
と、まぁ少し上げただけでこんな感じです。
体はすべてと繋がり、互いに連携、連動して動いています。
私たちが知っていることはほんの一部で
生命はおそらくもっと複雑に、この体をこの連動を使って
生命を制御、維持しています。
「木を見て森を見ず」
その部分だけ見て、その部分だけ何とかしようとすると、
全体のバランスを崩すことにもなりかねないし、
逆に全体のバランスをとるために体は、私たちの知らない方法で
どこかを崩しているのかも知れません。
背骨と骨盤という視点で、
人の壊れる治るを観ていると、
そう思えることがたくさんあるんです。
本当に不思議で、おもしろいです(笑)