「おそ松」パワーこそ、生きる逞しさなのだ。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

おそ松くん

初めて読んだのはいつだっただろう? 「おそ松くん」は、1962年から週刊少年サンデーに連載されたようで、アニメの開始がその4年後の66年(昭和41年)だから、私はたぶんアニメで観たのが先だったようだ。放送がまだシロクロだったにもかかわらず、内容は刺激的。六つ子が主人公というとっぴな発想の上に、イヤミやチビ太というキャラクターが爆発し、破壊し、ストーリーから脱線する。イヤミの発する「シェー!」は、国民みんな(特に子供)が真似るくらいのギャグとなり、写真には必ず「シェー!」のポーズで写ったもんだ。今なら流行語大賞間違い無しなのに、当時のPTAはうるさかった。教育上よろしくない、という理由で学校でのギャグの使用まで禁止された。そこまでするかという感じだけれど、そのおかげもあって赤塚不二夫の名はまたたく間に広がった。私が写真のコミックス「おそ松くん全集」を読みあさったのも、ちょうどそんな頃。自分よりおバカな人間もたくさんいると、妙に安心したのを憶えている。あれから数十年を経て、「おそ松くん」は大人に成長し、「おそ松さん」として去年復活した。大人になってもやっぱりニートの「おそ松さん」。教育上はよろしくないかもしれないけれど、なぜか生きることの安心感が伝わってくる。赤塚ギャグに、格差はない。だからそこが、好きなんだ。

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