集団就職でやって来た歌手、新沼謙治の生き方。 | 宮脇 流の「昭和を話そう」 ( BOSSのブログ)

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70年代や、あの時代に輝いていたアレやコレや。
クリエイティブディレクターが語る、「思い出のエッセイ」です。

新沼謙二

TVで「秘密のケンミンSHOW」を観ていたら、新沼謙治が出演していた。そう、岩手県民を代表しての登場で、なかなか味があった。そう言えば、新沼謙治のそもそもの始まりも同じ日テレ系の歌番組「スター誕生」からだ。1976年「おもいで岬」でデビュー。ただ、当時は男性アイドル花盛り、今イチ垢抜けない印象で伸び悩んでいたけれど、2曲目の「嫁に来ないか」のスマッシュヒットで人気に火が着いた。逆に、その垢抜けなさが良かったのだろう。岩手から集団就職で出てきて左官業をやっていた・・という苦労談にも哀愁があった。写真のレコジャケは、デビュー翌年の5曲目のシングルだけど、たぶんヒットはしていない。と言うより、記憶にも薄い。それなのに、「村祭りの前に」というタイトルを聞いただけで、新沼謙治の曲だとうなずけるから、不思議である。地方出身の歌手だって、10年も東京にいれば訛りも消える。都会にも慣れて、洗練される。それが、新沼謙治には全くないと言うと言い過ぎだろうか? 時代の一歩先を魅せるのがスター性だとするならば、彼にその才能はない。ただし、ずっとそのままの時代性を持っているのが、スターの味ならば、新沼謙治は大スターだ。進化するばかりが、ステキなことではない。そんなことを、昭和の大スター?は、TVから語りかけているような気がした。

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